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2001年度講演会

早稲田大学現代文学会企画 2005年度講演会

「教えること、語ること −アカデミズムの外部から−」

講演者:大塚英志、スガ秀美 司会:市川真人

 〜「教える」という事態は、大塚、スガ両氏にとって決して自明ではない。
 それは、彼らが「教える」ということを本業としていないからだ。
 同時に研究職の再生産(=アカデミズム)に寄与することもない。
 では、なぜ「教える」のか?
 その行為は自らの「語り」とどのように関係を結ぶのか。〜

 両氏は、「書くこと」を本業としていながらも、同時に「教えること」にもたずさわっている。では、彼らが著作のなかで語ってきたことと「教えること」とのあいだには、どのような関係が見出せるのだろうか。そして、彼らは「書くこと」のなかで、「教えること」についてどのように語ってきたのだろうか。彼らは「教える」という場面で、何を語っていこうとしているのだろうか。
 おそらく、「教えること」を本業としている人間と比べて、彼らは「教えること」に対して自覚的であり、そこには自らの思想を表現する彼らの方法論が端的にあらわれるはずだ。言い換えれば、アカデミズムの外部に立っているからこそ見えてくるものが、彼らの「教えること」と「語ること」の間にはあるに違いない。 そしてそれを、私たちはどのようにして受けとめることができるのだろうか。

■講演者紹介
  • 大塚英志
    1958年東京都生まれ。筑波大学人文学類卒業。80年代後半、おたく系まんが誌の編集者として活躍。『魍魎戦記MADARA』『多重人格探偵サイコ』などまんがの原作者としても著名。また、正当な文学史・文化史に組み込まれてこなかった若者のサブカルチャーを主題とした評論でも注目を集める。著作に『まんがの構造』『少女民俗学』『戦後民主主義の黄昏』『戦後まんがの表現空間』(サントリー学芸賞)『彼女たちの連合赤軍』、最近の著作に『物語の体操』『戦後民主主義のリハビリテーション』などがある。
  • スガ秀実
    1949年新潟県生まれ。学習院大学を中退後、「日本読書新聞」編集長、コーネル大学客員研究員を経て、現在は文芸評論家として活躍中。また早稲田大学などで講師も勤めている。著書に『花田清輝論−砂のペルソナ』『批評のトリアーデ』『小説的強度』『詩的モダニティの舞台』『文芸時評というモード』『超言葉狩り宣言』『大衆教育社会批判序説』『小ブル急進主義批評』など。最近の著作には『帝国の文学』などがある。
  • 市川真人(司会)
    早稲田大学第一文学部文芸専修卒業。近畿大学大学院修士課程修了。現在、『早稲田文学』編集主幹。
■開催日時・会場
11月21日(水) 16:30開場 17:00開演
早稲田大学本部キャンパス15号館302教室
※入場料無料

■アクセス
地下鉄東西線早稲田駅下車