小説・詩

「こらまてっ！！この泥棒猫め！！」


「へへーん、くやしかったらここまでおいで！！」



＿＿＿＿＿＿＿回る風車　�T




「んー今日もいい天気」



波間を漂う小船の中に、少女がひとり。
日に焼けた肌、それによく合うオレンジの髪。



年齢は、１３歳といったところか。




「今回のお宝はまあまあね。あんまり期待はしてなかったけど」


はあと大きなため息をついて、彼女は空を見上げた。


「まぶしい・・・」


そしてまたうつむいて、海図を見始めた。







＿＿ここはココヤシ村。



村はここ数年、海賊魚人のアーロンに支配され、苦しい生活を強いられている。


逆らえば、死刑。

すでに犠牲者さえ出ている。


村人たちは希望を失って、それでも懸命に生きていた。


身を呈して、村のためにたったひとり闘う少女がいたから。


「ナミ・・・すまん」


ゲンさんの風車は、長らく回っていない。



＿＿＿＿＿to　be　continude