銅系材料の腐食について 事例5


銅は実用上 多くの金属の中でもっとも 活用頻度が多い。それだけに多くの分野で銅特有の現象も見られます。この経験談を整理してみました。
次の腐食例は 水中での銅の腐食事例です。
@ 冷却水中による腐食事例 5
銅系管の冷却水の入り口側で起こる腐食現象にインレットアタックがあります。
これを流れ加速腐蝕(エロージョン・コロージョン)といい、概要は以下のとおりです。

流れ加速腐蝕(エロージョン・コロージョン

これとは別に入り口側よりも内部にての腐食もあります。これは流速差腐食というものです。
酸化皮膜の消耗度合に関係するようです。これらは 水質状況により さまざまな様相を示す事がありますが 主な要因は @pH, アンモニア濃度、流速 、溶存酸素、等々に絞られてくるようです。

アンモニアアタック

なお 流速差腐蝕に類した現象で 銅管の端部から離れた部位での腐食にアンモニアアタックがあります。 アンモニア濃度が大きいときに 比較的短時間で起こる。
アンモニア濃度が大きい,高pHであるときに 比較的短時間で起こるので細心な管理が必要である。
銅合金は アンモニアと酸素が共存すると 次のような反応で銅が著しく腐食される。
CuO + 4NH3 + H2O  が反応して [ Cu(NH3)4(OH)2]
この対策には キュプロニッケルのような Ni 合金が使用されているのが現状ですね