エポキシ樹脂の熱分解ガスについて (その1)

エポキシ樹脂は多くの分野で 使われています。熱構成樹脂の領域では汎用樹脂として  有名ですね。 ところが意外とこの熱分解ガスの文献が少ない。ここでは特に もっとも  汎用型ガタのビスフェノールA型エポキシ樹脂の場合について調べてみました。
 分析には 常温硬化エポキシA、 加熱硬化エポキシBに ケースについて 熱分解ガスを採取して  この成分,量をガスクロマトグラム,マススペクトルで分析しました。
 


  なお これらは 窒素ガス中で熱分解しましたのでいわゆる 蒸し焼になります。   又 これらのエポキシ樹脂内は 無機分も含まれるので エポキシ樹脂単体タからのガス発生   比率ではありませんので注意してください。
  酸素が極キめて少ない状態を想定したので 酸化分解とは異なる事に注目してください。
  この結果
@ 水素ガスが発生している。酸素欠乏なので当然かもしれませんか このような水素ガス が発生するときに 酸素を急に補給する状態なると 水素ガスの発温度オンドは400℃なの で場合によっては 水素爆発という 悲惨な目にあうこともありえます。 怖いですね。 乾燥機などでの 熱分解には注意してください。 特に 発煙している 最中に 慌てて 乾燥機の扉を開ける人がいるかもしれません。これはもっとも危険です。
A アミンの検出が見られます。これはエポキシ樹脂の硬化剤,特にエポキシAの常温硬化エポキシ はアミン硬化剤を使用しているのが一般的なのでこの結果になったのです。 アミン、S,Cl など腐食性ガスといわれるものですね。分解ガスによっては周辺の接触材料ザイリョウ を腐食することもあるので注意関心が必要です。
B 塩素(Cl)ガスの見られます。エポキシ樹脂は原材料がエピクロルヒドリンという 塩素を含む 材料をいろいろ合成して作るので このときの不純物として 残るのです。 半導体製品などの極めて細い銅線なのではその腐食等による不具合が致命傷になる。 このため さらに 不純物塩素を取りのぞいたエポキシ材料を使用します。 エポキシ樹脂(ビスフェノールA型)の化学カ構造式を以下に示します。


 
素材(ビスフェノールA + エピクロルヒドリン)

加熱による反応

反応後(ビスフェノールA系エポキシ樹脂)