3.2 ワイブル分布の活用 事例2
(疲労や破壊現象の評価に適したワイブル分布)
絶縁物やシステム品の疲労や破壊現象を適切に評価する手法としてのデータの解析に 「ワイブル分布」(Weibull Distribution)が便利です。この適用評価について概要を説明しよう。 |
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1. 破壊現象 メカニズム |
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絶縁物等の破壊現象を評価する時、これらのデータの統計的な解析手法としての正規分布は 適切ではない。それは破壊現象の機構そのものが 平均的な事象に基づいて発生する事はなく 材料の最も弱い部分を選択的に選んで 一気に起こるからである。このために 平均値と標準偏差 の関係から 平均的な評価をする、正規分布は最弱点部推定の真の分布を把握していないで あろうという事です。 正規分布を有する母集団からのサンプリング集団を その弱点部の特性 の分布がどうなっているのかを調べる必要があるのです。 |
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2. ワイブル分布解析の開発経緯 |
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ココに解決の糸口を切り開いたのがスウェーデンの工学技術者 W.Weibullでした。 |
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鋼鉄の強度の許容限界応力の実測値とよく一致予測する関係式を示しました。 R(x)=exp(-(x-γ)^m/s) |
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これがワイブル分布の式で 強度が以上になる確率を示すものでした。 一定故障率で起こることを示す、指数分布に いろいろな実態事象の 関係パラメータを設定し、修正して 完成に導いたのでしょう。 特に γ は 「位置パラメータ」と呼び、これ以下では破壊しないという値です。 疲労や腐食などの破壊の開始に遅れがありますがこれなどを示します。 m は 「形状パラメータ」と呼び、分布の形状を決定します。 後述のバスタブ曲線参照。 m<1 では 初期故障状態を、m=1では故障率一定の偶発故障状態を、 m>1 では 磨耗故障(故障率は時間の経過とともに増加する) s は 「尺度パラメータ」と呼び、スケールを決定するもので 最大値、最小値の目安に なります。 このように 故障データを このワイブル確率紙にプロットすると 多くの故障メカニズムの存在が 一目のビジュアルで 感覚的に汲み取れます。これが ワイブル確率紙解析のすばらしさです。 |
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後に、J.H.K.Kao が強度の 代わりに故障時間 t を使って、故障時間に対して ワイブル分布を適用することを思い付いて、現在の用法に到達しました。 これが現在適用されているものです。 |
R(x) = exp(-(x -
g)^m/s) |
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