□■僕の見た空■□


僕はずっと思うんだ

僕が最初に見た空

僕が最後に見た空

二つとも同じだった気がする


僕が生まれたとき母さんは笑っていた

父さんも笑っていた

空も笑っていた

太陽も笑っていて風も微笑んでいた


僕が死んだ日

母さんも父さんも泣いていた

空も泣いていた

僕は見ていたんだ

母さんにも父さんにも見えていなくても

僕が見ていたこと

空は知っていたんだ

だから僕がこの世界からいなくなる

その最後の時に

空は笑っていた

母さんと父さんの変わりに

僕を笑顔でおくってくれた


僕が最初に見た空

僕が最後に見た空




この少年は病弱でして14・5歳で亡くなってしまうんです。
でも、この少年は自分の死をみとめていたんです。
自分が消えてしまう事、分かっていたんです。
そして魂が体を離れて幽霊(?)でいる時間、母さんと父さんを見ていた。
それを空が見ていて笑ってくれて、それを見て少年は旅立つんです。
そんな感じのお話です。


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