■ 実装職人名鑑29: 原型あき最首さん
実装職人インタビュー第29回。
今回は、実装ジャンルを代表する凄腕の造型師・原型あき最首さんです。
目を見張る造形力、滑らかで綺麗な表面処理、活き活きとした動きや、様々な実装職人の描く実装石の特徴を的確に捉え、再現する表現力。
その突出した腕前は、まさに“職人芸”といえるでしょう。
その上、イラストまで丁寧に仕上げちゃうんですから、天は二物どころか色んなもの与えすぎです。
そんな原型あき最首さんに、お話をお伺いしてみました。
- 活動ジャンル:実装石/実装人
- 職人タイプ:造型師
- 活動開始時期:2005年頃〜
原型あき最首さんに、色々お尋ねしてみました……!
それでは、まず自己紹介からお願いします。
原型あき最首と申します。 絵のほうは、ほとんど描きません。 主に立体物の製作がメインです。 今メインの製作物は、「ねんどろいど」等の自作なんかをやってます。
お名前の由来はどんなものなんですか?
もともと模型裏で使っていたものです。
原型あきさんといえば、その名の通り「立体製作」が活動ジャンルかと思いますが、具体的にはどんな事をされていたのですか?
今はもう引退したので書けますが、限定個人ユーザーさんからの一点物フィギュア製作などしておりました。 あとは、思いつきで作ったフィギュアなんかを模型裏なんかに時々投下するくらいかな。
何がきっかけで、実装ジャンルに入り込みましたか?
二次裏からなんの気なしに覗いて、いつの間にかって感じです。
その、なんとなく入ったジャンルにおいて、どのような作品を作って来られましたか?
実装石の初デビューは、確か「なんでも。」に掲載の実装石フィギュアだったかな? それから、何個か実装石フィギュアを作って投下したのは覚えてるんですが。 どれだけ作ったかは、覚えてないな……
原型あきさんの作品傾向は、どのようなものですか?
フィギュアは、実装石のイラストやスクなんかでピンと来たものを、勢いで作ったって感じです。
フィギュアの作り方と一言に云っても、色々な方法があるかと想像しますが、原型あき最首さんはどのようなプロセスやテクニックで造型されるのですか?
自作フィギュアの制作方式に関しては、現在大きく分けて2つあります。 ひとつは、ある程度の形になったパテの塊をカッターやツールで削って、形を出して仕上げていく「削り出し方式」。 もうひとつは、粘土のような始めは柔らかいけど熱を加える事によって固くなるパテなどを使って、固める前にヘラなどでだいたいの形を作ってしまい、固めた後に細部を仕上げる「盛り付け方式」と呼ばれる方法です。 これに加えて、最近はPCデータの打ち込みで3Dプリンターを使い、機械任せに立体物を作り上げる「3Dプリンター方式」などが良く見るようになって来ました。 私の自作フィギュア制作方式としては、最初で紹介したパテの削り出し方式が主流です。 その人それぞれの癖などがありますので、一概にどれがいい方式か、やりやすい方法かは分かりませんね。
他の職人さんの作品で、お気に入りの作品があれば教えてください。
やっぱり、FLASHさんの作品が一番かなぁ。 「コンビニ物語」なんかは、けっこう好きです。
「実と装」の表紙などでの参加が印象深い原型あきさんですが、実装ジャンル同人誌への参加については、どうお考えですか?
二次裏で実装石スレが活発だったときに、何回か参加させて頂きました。 機会があれば参加したいとは思うんですが、時間が……
もう随分長いところ実装ジャンルでご活躍されたわけですが、これまでを振り返り、面白い・珍しいエピソードや体験談を教えてください。
「ふたば学園祭」でオフ会が出来たときですかねぇ。 まさか、実装でオフ会が定着するとは思わなかった。
原型あき最首さんの視点から見た、職人さんのオフ会というものは、どんなものでしょうか?
私は、ふたば学園祭の時のオフ会でしか職人の方々とはお話していませんが、私にとっては年に一回の実装祭りと云う感じですかね。 正直、もう色々なネタもみんな出尽くした感がある実装ですが、それでも細々と長く続いている実装石と云うのは、大した物だと思います。
そうですね、年一度でも職人さん達が集まって互いの士気を高められればいいですよね。
それで、原型あきさんは、今後の作品投下はスレと保管庫どちらにしたいですか?
今でも機能してる白の保管庫かな。
現在の実装ジャンルについて、何か思うことがあればお願いします。
今でもよくもっているなと。 アニメで見てみた場合、当時放送していたアニメで今でも同人活動しているものがあるか? と考えると、ほんと長生きしてますよね。
メッセ、ふたそなどのコミュニティについてはどうですか?
これは私は全く見てないんで、どうともいえないなぁ。
それでは、最後に一言お願いします!
今回、敷金さんが職人名鑑を作ったということで、これはこれですばらしいことだと思います。 他のジャンルでもそうですが、誰かが音頭をとって動かないと、けっきょくはネットの底に埋もれたままになってしまいますからね。 いままでネットで流行っても、飽きられて保存もされなかった作品がどれだけあるか考えると、まだ実装石は幸せな方なんだろうと思います。
原型あき最首さん、インタビューへのご協力本当にありがとうございました!