CHAPTER 1 CHAPTER 2 CHAPTER 3 CHAPTER 4 CHAPTER 5

CHAPTER 6 CHAPTER 7 CHAPTER 8 CHAPTER 9 CHAPTER 10

CHAPTER11 CHAPTER12 CHAPTER13 CHAPTER14 CHAPTER15

CHAPTER16 CHAPTER17 CHAPTER18 CHAPTER19 CHAPTER20

CHAPTER21 CHAPTER22 CHAPTER23 CHAPTER24 CHAPTER25

CHAPTER26 CHAPTER27 CHAPTER28 CHAPTER29 CHAPTER30

CHAPTER31 CHAPTER32 CHAPTER33 CHAPTER34 CHAPTER35

CHAPTER36 ExCHAPTER *


















































































































CHAPTER 11 : THE BRIBE


パっと見たとき、「BRIDE」かと思ってしまいました。ん?「花嫁」?
ではなく、「BRIBE」、「賄賂、疑似餌」という感じで第11章。




クリーチャーは一瞬でマンダンガスを見つけて帰ってくるだろうと期待していましたが、
ハリーの期待に反して、その日どころか、3日ほど経っても帰ってきません。


クリーチャー待ちの日々のなか、ブラック家の屋敷に来訪者が!


「あなたを殺したのはわたしではない、アルバス」と穏やかな声がして、ルーピンが来ました
なんだルーピンか〜、とすぐに警戒を解くロンとハーマイオニー。
ハリーは「証明しろ!」と杖をおろしません。さすが、修羅場踏んでる彼は違う。


「リーマス・ジョン・ルーピン、人狼で、忍びの地図の4人の作者のうちの1人、
 ムーニーと呼ばれることもある、ニンファドーラ、通常はトンクスとして知られている女性と結婚し、
 そして、きみにパトローナスを教えた人物である。ハリー、牡鹿のパトローナスだね」


慣れているのでしょうか、自分で略歴を語ってくれました。
ようやくハリーも杖をおろしました。
「きみたちの元・DADA教授としては、ハリー、きみは正しかったよ。
 ロン、ハーマイオニーはちょっと警戒を解くのが早すぎたね」
なんて、先生の顔も見せたりして。


みんなでキッチンのテーブルについて今までのことの報告会。
結婚式に乱入してきたのは魔法省と死喰い人の混合チームだったようです。
アーサーが聞いた噂によれば、大臣はハリーを死喰い人たちに売り渡しはしなかったとか。
あー。それに、預言者新聞に激しい記事が。


ハリー・ポッター
アルバス・ダンブルドア殺害の重要参考人として指名手配



おおお!ここまで名付け親に似てくるとある意味愉快ですね!
スクリムジョールは、表向きは大臣の座を追われた扱いになっているようで、
後任として、PiusThicknesseが新しい大臣になったようです。
あらー。ヤクスリィのマリオネットの方ですね。
それに、魔法省はマグル生まれを省の一元管理化に置く動きをみせています。


ところできみたちは何をしようとしているのかな?みたいな話になりました。
話せない、とハリーが答えますが、ルーピンは食い下がります。
そういうだろうとは思った。けれど、わたしは何かの役には立つと思う。
きみたちの知らない魔法や罠がたくさんあるだろう。よければ同行させてくれないか?


親世代ファンとしては同行してくれたらこの上なく嬉しいわけではありますが。
やっぱり目的を悟られずに同行してもらうのは無理なので。


ハーマイオニーが「トンクスはどうするの?」と聞きました。
「彼女は無事だ。いまは彼女の両親の家にいるよ」とルーピン。
ルーピンの様子がおかしいです。なに?なにかあったの?




「Tonks is going to have a baby.」




ベイビィ!!??


ベ、ベイビィは早すぎじゃないのルーピンちょっとだってまだお付き合い初めて2ヶ月くらいっしょ!?
意外とやっぱり手が早いんですか、というかベイビィに気付くの早すぎじゃないすか。
ふつう分かるのって妊娠2,3ヶ月くらいじゃないですかね。


「それでわたしの申し出は受けてもらえるかい?
 ジェームズだったら、きっとわたしに息子に付いてもらいたいと言うと思うが」
「いいえ、理由を知ったら父さんは、ルーピンの子供のためにも、
 僕に付いていて欲しいだなんて思うとは考えられません」


ここからちょっと、ルーピン抑えられなくなりました。


トンクスと結婚したのは愚かしいほどの間違いだった、だの。
結婚したことで彼女を村八分にしてしまった、だの。
騎士団でのわたししか知らないからそう言えるんだ、だの。
ふつう人狼のような獣がどう扱われているか、だの。
トンクスの両親が一人娘が人狼なんかに嫁いでしまってどう思っているか、だの。


よ、読んでてめっちゃ辛い…!!
ルーピンが、あの穏やかなひとが、こんなに態度を荒げている様子が、すごく辛い…


「魔法省のマグル弾圧政策が始まれば、父親が騎士団員で、
 しかも人狼とのハーフの子供にどんなことをするか、わからないんですか?
 僕の父さんは、母さんと僕を守るために死にました。
 それでもあなたは自分の子供を棄てて僕らと冒険の旅に出るって、そう言いたいんですか?」


「それって、向こう見ずなんじゃないですか?
 あなたはただ単にシリウスの後釜におさまろうとしているだけなんだ」


「僕、がっかりしました。
 知りませんでしたよ、僕に闘い方を教えてくれたひとがこんなに――弱虫だったなんて


ハリー それは ゆ っ ち ゃ だ め !


先日のスネイプのように「我輩を弱虫と呼ぶな!」とは叫ばなかったものの、
ハリーの動きを上回る素早さで杖を抜き、ハリーを吹っ飛ばし、ルーピンは無言で屋敷を去りました。


どうしてあんなこと言ったの!というハーマイオニーに、ハリーの言葉が。
「親っていうのは、その子が成人するまで、子供を置いていっちゃいけないんだ」
(Parents shouldn't leave their kids unless they've got to.)


うわああああ、もうどうしよう!
ハリーが、自分のダーズリー家での経験からそういう風に思うのは、よくわかります。
どっちかと言えばわたしもハリーと同じ意見…かなあ。
弱虫、とまでは言わないけれど、根性見せてほしかった、というか。
だからってルーピンを責めることもできないですよね、この場合。
今までずっと辛い経験をしてきたからこそ、大切な人に同じ思いをさせたくないんだよね!
でもやっぱり、ジェームズが聞いたらハリーと同じことを言うと思うんだよわたしは。
きっとシリウスもジェームズも怒ると思うんだ。
だから…ああもう、とにかく頑張って幸せになってほしいんだよ!
みんなそう思ってるんだよ!みんなルーピンが大好きなんだよぉぉ…!!!
辛いだろうけど、大変だろうけど、ルーピンならできるよ…!


新聞にリータの本の抜粋が載っていますが、結婚式でのミュリエルの話と大差ない感じです。
というかルーピンショックでほとんど頭に入らなかったよ…




あ、クリーチャーが帰ってきました。
ダングは、ヴォルデモートが怖かったんだ!みたいな感じです。


そこじゃなくてロケットの行方が知りたいんだよ!というハリー。
えーと。
ダイアゴン横丁で闇品を売りさばいてたら、魔法省の女が来て、
露店を出す許可はあるのか、みたいな感じに聞いてきたのでトンズラしようとしたら、
このロケットをくれるなら見逃してもいい、と条件を出してきたので、
どうぞどうぞと、その魔女にあげてしまったらしいです。


背が小さくて、頭にリボンをつけた、ガマガエルによく似た魔女だったらしいです。
まさか!!




  



















































































































CHAPTER 12 : MAGIC IS MIGHT


ここでいうMIGHTとは助動詞ではなく権力、力、という意味だと思われます。
んん?でもやっぱり助動詞の方ともかけてる感じ…なのか?
松岡さんがどんな訳にしてくれるのか楽しみな、12章。




あら?気付けば9月になったようです。
今までも屋敷の外には2人くらいの死喰い人が見張っていたのですが、
この9月1日は今までの倍以上の見張りがいるようです。


偵察から戻ってきたハリー。新聞を持っています。
クリーチャーの料理がすばらしいです。態度もかわったね。
どうやらロケットをあげてからドビー並にハリーに忠実になったようで。


あー…なんか、新聞、スネイプが校長になったとかいう記事がありますけど。
記事を読み終わったハーマイオニー、「くそったれ!」と叫んでキッチンを飛び出す。
ど、どしたの?ロンがぽかんとしています。
と思ったら、フィニアス・ナイジェラスの肖像を壁から剥がしてきたようです。
なるほどねー!スパイされたらバレちゃうしね。肖像画はハーの魔法のカバンの中へ。


ここのところ、3人は交代で魔法省の入り口?を偵察に行っていたようです。
アンブリッジの出勤時を狙う作戦で。
しかしお偉いさんは『姿現し』で出勤するようだ、と。
あんまり待っても効果は無さそうなので、明日、乗り込むことになりました。
今までの偵察の結果、無言者の愚痴からアンブリッジのオフィスは1階にあることがわかっています。


またしてもヴォルの光景を見るハリー。
ヴォルはグレゴロビッチを探しているようです。
会話がドイツ語と英語が入り乱れています。(ドイツ語取っててよかった)
で、訊ねた家の女性をアバダして…
映像はここで終わりましたが、この家の子供もアバダするんでしょう。


ちなみに、ハリーは今シリウスの寝室を使っているそうですよ。




翌日になりました。作戦開始です。
魔法省に出向いて、それぞれ適当な人から髪を抜いてポリジュースで変装する作戦らしい。


まずは1人目、マファルダ・ホップカークさんをスタンさせて、ハーが変装。
2人目、ゲーゲートローチで家へ送り帰し、ロンがレグ・カターモールさんに変装。
ハリーは誰か知らんけど鼻血まみれで家へ帰っていった人の髪のポリジュースを飲みました。


え?魔法省の職員用の入り口は地下の公衆トイレのフリをしていて、
そこからアトリウムに出るには便器で自分を流すんですか!?


ど、どうしよう。訳の間違いだと思いたい。
そんな妙な出勤方法でみんな文句は無いんですか?


アトリウムに出ました。
2年前に破壊されたからでしょうか、像は黒い石のものに代わったようです。
で、台座には「MAGIC IS MIGHT」のスローガンが。
ハンサムな魔法使いの像が立っているのは踏み固められたマグル…こわっ!
魔法の力は血縁で受け継がれ、マグル生まれの魔法使いというのは、
誰かの魔力を盗んだもの、として扱うという新しい方針を如実に物語っています。


同僚に声をかけられたので、ハリーはランコーンさんという人になっているらしいことがわかりました。
どうも怯えられています。権力者なのかな?


エレベーターホールに入りました。
ランコーンを怖がって誰も3人と同じリフトには乗ろうとしない…
と!誰か来ました。カターモールに呼びかけています。
えと、この顔は死喰い人の、ヤクスリィらしいです。


リフト内でヤクスリィかなり一方的に喋り倒す。
カターモールさんの奥さんの血統裁判が今日あるらしいです。
きみは穢れた血の妻のもとにいると思っていたがな!みたいなことを言われました。
それにしてもヤクスリィのオフィスの天井から雨漏りしているらしいです。
ちゃんと直せよ!さもなければわかってるな!みたいな脅し文句と共に去るヤクスリィ。


ロン、思いがけず妙な任務を背負ってしまい、2階で戦線離脱。
ハリーとハーマイオニーはそのまま1階へ向かい、ドアが開き、
ワオ!ガマガエルが目の前に立ってたよ!




  



















































































































CHAPTER 13:THE MUGGLE-BORN REGISTRATION COMMISSION


マグル生まれ登録委員会。
5巻のイヤな雰囲気を思い出させるようなタイトルで13章。




あらごきげんようマファルダ!
目の前に居たのはアンブリッジと新大臣でした。
アンブリッジとマファルダはこれからマグル生まれの血統裁判に向かうようです。
ということでハーマイオニーも戦線離脱。


なぜきみがこんなフロアに?という大臣の質問に、
アーサー・ウィーズリーに急ぎの伝言で、彼はこのフロアに居ると聞いたから、とハリー。
いつもながらとっさの機転がすばらしい。
ではとうとう望ましからざる奴らと交流していた証拠を掴んだのか?と大臣。
そうじゃない、とハリー。答えながら「望ましからざる奴らって?」みたいな心境です。


3人でアンブリッジのオフィスに乗り込む予定だったのに、
いきなり足並みを狂わされてしまいました。準備不足を痛感するハリー。
とりあえず透明マントを被って、アンブリッジのオフィスを探すことに。


いくつかドアを通り過ぎたあと、何やらピンクのパンフレットを必死で作りまくっている部署に出ました。
穢れた血についてパンフレット…いいのか魔法省…
この部署の奥にアンブリッジのオフィスがありました。わかりやすいですねー。
職員も快く思っているわけではないようで、「あのババアは穢れた血とやらを一日中尋問してるわけ?」と。
気をつけろ、と忠告した同僚にさっきのババア発言の魔女が
「なによ、なんでも聞こえる耳でも持ってるっていうの?あの、魔法の目みたいなやつをさ!」と。
あれ、ドアに取り付けてあるのは、マッド・アイの魔法の目…!?


おとり爆弾でパンフを作っていた職員たちの注意を逸らし、部屋に侵入するハリー。
マッド・アイの魔法の目を取り去ることも忘れません。
相変わらず少女趣味全開の内装です。右手が疼きます。


ロケットを探します。アクシオ、ではさすがに何の反応もありません。
部屋を漁っていると、書類棚に魔法使いたちの調査資料のようなものが。
アーサーの調書を発見するハリー。
「最も望ましくない人物」と関係がある、とか、とにかく目をつけられているようです。


ふと気付けば、壁にハリーのポスターが貼ってありました。
しかも、「最も望ましくない人物」という文字入れのしてあるポスターで。


リータ・スキータのダンブルドアについての本が机の上に出ていました。
何気なくめくったページは写真でした。
肘くらいの髪でクラムを彷彿とさせる髭の若いダンブルドアと、
野性的な肩くらいの金髪の髪をした少年が写っています。
これはドージさんだろうか?なんて考えていたら突然ドアが開いて大臣が入ってきました。


すんでのところで目撃されそうになったハリー。
とりあえず撤退することにしました。


エレベータホールからリフトに乗って、2階についたらロンが乗り込んできました。
ハーマイオニーは地下にいるんだ、みたいな話をしていたら、別の階でアーサーまで乗ってきました。


カターモールさんの姿をしたロンに雨漏りについてアドバイスをするアーサー。
居た堪れなかったのか、アドバイス通りの魔法を試そうとしたのか、次の階でロンが降りてしまいました。
あら、パーシーがいます。でもリフトにアーサーが居るのを見て、回れ右でどっか行きましたけど。
ハリーも続いて降りようとしたところで、アーサーに腕を掴まれ、降りそびれました。


「ディルク・クレスウェルの情報を流したそうだな?」みたいな感じで、
どう見てもアーサーの態度は友好的ではありません。厄介な人物に変装してしまった。
ハリーのしどろもどろの返事が、アーサーにはバカにされているように聞こえるみたいです。
ディルクは立派な魔法使いの家系だ!みたいなことを言って、アーサーは去っていきました。


マントを被り、混乱しながらも地下の法廷を目指すハリー。
うわ、ディメンターがいっぱい居ます。
どうやら血統裁判にかけられるマグル出身のひとたちを拘束しているらしいです。
ミセス・カターモールの順番が来たようなので、ハリーも婦人と一緒に法廷へ侵入。


あー!!うっざい!!アンブリッジうっざい!!
あいかわらずの手口です。あいかわらず一方的です。


かなり動揺しているマファルダ変装中のハーにこっそり声をかけるハリー。
と、ここでアンブリッジの首に例のロケットが輝いています。


我慢できなくなったハリー。
アンブリッジにステューピファイ
何が起きたか気付かれる前に、ヤクスリィもステューピファイ
ハーマイオニーがニセのロケットを作ってアンブリッジのとすり替え、
ハリーの牡鹿とハーマイオニーのカワウソのパトローナスを従え、
ミセス・カターモールと法廷の外で待機してたマグル出身者たちと、地上へと駆け上がる。


タイミングよくロンと合流できました。
とりあえず、まだポリジュースの効果は継続しています。
つまりハリーはアンチ・マグル生まれだったはずのひとの姿をしているわけで。
そんな人が尋問されてたマグル出身者とアトリウムに現れるのは奇妙なわけで。


ガード魔ンを出し抜いたり、本物のレグ・カターモールが戻ってきちゃったり、
ヤクスリィに追いつかれかけたりしながら3人は出口へ!


みんなで『姿くらまし』をしてブラック家の屋敷に戻ったはずですが、何かおかしい。
玄関についた途端、紫の光が迸ったりなんかよくわからない怒涛の展開になって
とりあえずハリーの意識がフェードアウトしていきました。




  



















































































































CHAPTER 14 : THE THIEF


14章、マンダンガスのことではありません。




あれ?確かに一瞬ブラック家の屋敷のドアが見えたはずなのですが。
気付けばハリーは葉っぱやら小枝やらの上にぶっ倒れているようです。
ロンとハーマイオニーもそばで倒れています。


森のようです。
『禁じられた森』か?と思うも、木の様子などから違うと判断するハリー。
まあ、それにホグワーツには『姿現し』できないし。


ロンの怪我が深刻です。左半身が血まみれで顔面蒼白。
ハーに命じられてバッグから薬のビンを取り出すハリー。
薬のおかげで、上腕のばっくりした傷はいっきに新しい皮膚に覆われました。


いったい何が起こったのか、というと。


どうも、魔法省から『姿くらまし』をしたとき、ヤクスリィが追いついていたようです。
そしてハーマイオニーの腕を掴んでいたのに、そのまま『姿くらまし』してしまった。
ダンブルドア亡き後、屋敷に出入りしていた全ての人が『守人』になってしまったので、
3人に連れられて屋敷へ『姿現し』したヤクスリィは、秘密を教えられたのと同じ扱いになるんだとか。
で、とっさにハーマイオニーは、ワールドカップの時にキャンプしたこの森へ『姿くらまし』した、と。


かわいそうに、「今日はステーキです」と嬉しそうにお世話をしてくれていたクリーチャーは、
いまごろ死喰い人たちに屋敷を荒らされながら3人を待っているのでしょう。


だからといって、戻るわけにはいきません。
ハーは、ワールドカップの時のテントをアーサーから借りていたらしいです。
というわけで、キャンプ生活のはじまり。


ロケットは開きません。しかも胎動しているようです。きもちわるー!


夕飯は採ってきたキノコです。惨めになるハリー。
ルーピンの言った通りだった。自分たちが知らない魔法や罠がたくさんあるんだ、と。
そして、ダンブルドアはどうして何も教えてくれなかったんだろうか、と。
もっと生きられると思っていたのか?でも実際はスネイプという、眠れるヘビに噛み殺されてしまった…


ロケットを首にかけ、交代で見張りをしながらぐるぐる考えていると、
またしてもヴォルデモートビジョンを受信するハリー。




グレゴロビッチを拷問しています。
「“あれ”をよこせ、グレゴロビッチ」
「持ってない…持ってないんだ、ほんとうに。何年も前に盗まれたんだ…」
「嘘はいかん、グレゴロビッチ。ヴォルデモート卿は何でもお見通しだ…」


グレゴロビッチの瞳をみつめるヴォルデモート。
そして景色がかわり、恐らくグレゴロビッチの記憶の中へ。あ、開心術ですか。


作業場へ急ぐグレゴロビッチ。
長い廊下の末にたどり着いたそこには、窓の桟に見知らぬ人影が。
その人物になにかの呪文をかけられるグレゴロビッチ。
気を失う前に目に入ったその顔はハンサムで、肩ほどの金髪を揺らしている。
勝ち誇ったような、得意げな顔で去っていく人物。




どこかで見たような、とハリー。




  



















































































































CHAPTER 15 : THE GOBLIN'S REVENGE


ゴブリンの逆襲です。ジェダイではありません。いえ、何でもないです。
いっそ「小鬼の乱」とかでもいいかもしれません、15章。




早朝。
マッド・アイの魔法の目を、近くで一番古く、大きく立派な木の根元に埋めるハリー。
小枝で十字架をつくって、墓碑にします。ああ。


昨日のキノコが悲惨だったので、ハリーは近くの町に『姿現し』して食料を調達することに。
ディメンターがうようよしています。しかしハリー。パトローナスが出せない。
昨日まで出来てたのに!焦る3人。
そこで気付くハーマイオニー。「そのロケットを外して!」
外してパトローナスを呼べば、なるほど、ちゃんとプロングズが召喚できました。


これからは交代でロケットを首にかけとくことにしました。
盗まれる危険をなくすために、どこかに保管しておくことはできません。


1ヶ所に長い間留まっているのはキケン、ということで、移動する3人。
『姿現し』したどこかで、近くの農場から卵とパンをくすねてきました。
満腹になって、張り詰めていた雰囲気も心なしか柔らかくなりました。
お腹一杯に食べれることの大切さを実感するハリー。
…まあ、ネズミを食っていた名付け親よりは、まだマシだよね…


それから、色々なところを転々としているようです。
ヴォルデモートの孤児院のあったところも行ったりしたけど、今じゃ会社のビルです。
手がかりもなく、落ち着ける場所もなく、かなり荒んで行く3人。




そうして、秋になりました。展開はやいよ!
何事もなかったこれまでと違って、今日のキャンプ地である川の傍からは人の気配が!
ハーが「伸び耳」を3つ取り出し、銘々で盗聴。




「ここだ、グリップフック、ゴーナック」


グリンゴッツのゴブリンですよね!?


「で、どのくらい逃亡しているんだい?」「6週間か…7週間だな、もう忘れたさ。
最初の2日くらいでグリップフックに会って、すぐゴーナックとも合流した。
ツレがいるってのはいいな」「またどうして逃げてるんだ、テッド?」


テッド・トンクス!!!


「マグル生まれだと知られているからな。家内は大丈夫だ…彼女は純血なんだ。
それで、2日くらい前にここで会ったんだ、なあ、ディーン」「そうですね」


ディーン・トーマスまで!?


「マグル生まれなのかい?」「わかりません。父さんは、オレが小さかったときに
母さんとオレを棄てたので。魔法使いかどうか証明するものがないんです」
「…ところで、きみにここで会うことになるとは思わなかったよ、ディルク」


13章で名前が出たディルク・クレスウェルも居るようです。
彼らは現状のことや、ハリーのことなどを話しながら、目の前の川でとれたサーモンを食べています。
そのうち、話題はホグワーツのことへ。


「そういえばテッド、知ってるか?ホグワーツのスネイプの部屋から、
グリフィンドールの剣を盗もうとして押し入った生徒の話を?」「いや、知らないな。
新聞にも出ていなかったじゃないか」「わたしもグリップフックに聞いたんだ。
グリップフックは銀行で働いているビル・ウィーズリーから聞いたそうだぞ。なんでも、
押し入った生徒っていうのは、ウィーズリーの末の妹なんだとか」


ジニー!?!?なにしてんの!?


で、グリップフックたちの話によれば、


・押し入ったのはジニーと仲間2人(ぜったいネビルとルーナだろ、それ!)
・しかし持ち出すのには失敗した
・罰則は受けたが、とりあえず3人とも無事である
・スネイプは安全のためにグリンゴッツに預けることにした
・ゴブリンの目から見ればそれがニセモノだということがすぐにわかった
・しかしゴブリンは魔法使いの戦争に介入するつもりはないので教えてない
・ゴブリンたちは屋敷しもべじゃないと憤っている
・真実が知りたいなら、新聞より「ザ・クィブラー」を読め


ということらしい。
さっそくフィニアスの肖像画を使って取り調べることにしたハリーたち。
プリーズを付けなきゃ現れてくれないフィニアス。さすがだ。
ハーマイオニーがフィニアスに目隠し?をした。


フィニアスの話によれば、ジニーたちの罰則はハグリッドと禁じられた森に行くことだったらしい。
あとそれに、ホグズミード禁止。まあそれくらいならね。


加えて、そのグリフィンドールの剣がニセモノだった件について。
最後にそれがガラスケースから出されたのはいつか?という問いのこたえは、
「ダンブルドアが指輪を破壊したとき」だそうで。
あ!なるほど!バジリスクを殺せちゃうほどの剣だもんね!




しかしこのフィニアス召喚中、やたら静かだったロン。
さっきまで腹がへっただの何だのと不平不満をぐちぐち言っていたのに。
(たとえそれがロケットを首にかける順番だったというハンデがあったとしても)


…あ、やな雰囲気。トライウィザードのときのハリーとロン再び。
ロンはロンで、家族が心配でナーバスになっているのもわかるけど。
ハリーも、そんなロンの態度にイラついてたのもわかるけど。
(なんたってロンは、家ではモリーの美味しい料理、
 学校では屋敷しもべの美味しい料理、という、幸せな家庭環境だったからね)


論争の末の「だったら出てけよ!」というハリーの言葉に、ロンはテントを去っていきました。
ハーマイオニーが頑張って説得しようとしても、聞く耳持たず。


あーあ……
分霊箱の壊し方も、残りの分霊箱の所在も、本物のグリフィンドールの剣の在処も、
なにもわからないまま、パーティは2人になってしまいました。


ロ……ロンの意気地なし!!!