CHAPTER 1 CHAPTER 2 CHAPTER 3 CHAPTER 4 CHAPTER 5

CHAPTER 6 CHAPTER 7 CHAPTER 8 CHAPTER 9 CHAPTER 10

CHAPTER11 CHAPTER12 CHAPTER13 CHAPTER14 CHAPTER15

CHAPTER16 CHAPTER17 CHAPTER18 CHAPTER19 CHAPTER20

CHAPTER21 CHAPTER22 CHAPTER23 CHAPTER24 CHAPTER25

CHAPTER26 CHAPTER27 CHAPTER28 CHAPTER29 CHAPTER30

CHAPTER31 CHAPTER32 CHAPTER33 CHAPTER34 CHAPTER35

CHAPTER36 ExCHAPTER *


















































































































CHAPTER 31 : THE BATTLE OF HOGWARTS


31章、ホグワーツの戦い。
いよいよクライマックスです。




ロンとハーを探しますが、居ません。
そのうち全校生徒が大広間に集められました。
全員避難しなさい!成人しているものは残って戦っても構いません、とミネルバ。


その時、ヴォルの声が響き渡りました。
「ポッターをよこせ。そうすれば城には危害を加えない。夜中まで待とう」と。
意外と交渉もたしなんでいらっしゃるようです。
てっきり直情で突撃してくると思ってたのに。


フリットウィックにも王冠のことを聞いてみますが、知らないようです。
「生きている人物でそれを見たという人はいない」というフリットウィック。


なら、ゴーストは?
ってことでレイブンクロー寮付きゴースト、グレイ・レディの元へ駆け寄るハリー。
かなり嫌々ながら、語ってもらいました。


・レディはロウェナの娘。本名はヘレナ・レイブンクローらしい。
・ヘレナがロウェナから王冠を盗んでアルバニアの霊木に隠し、国外逃亡を続けた。
・ロウェナは創設者の3人にも盗まれたことを教えなかった。
・ロウェナが病気になり、ヘレナに求婚しては断られていた男をヘレナ探しに任命した。
・その男爵は激昂しやすい性質だったので、勢い余ってヘレナを刺し殺した。
・自分のした事を激しく悔やんで、男爵は自分をヘレナと同じように刺した。
・男爵というのは「血みどろ男爵」のこと。
・レディはずっとそれを秘密にしていたが、50年ほど前にある男子生徒にだけ話したことがある。


なんとまあ!
血みどろ男爵とグレイ・レディにそんな経緯があったとは!


で、50年前のその生徒は言うまでもなくトム・リドル・ハンサムです。
きっとリドルはアルバニアの森に行ったのでしょう。
そしてそこの荘厳な雰囲気を気に入って、ハリーに打ち負かされた後、アルバニアに隠れていた。


王冠は、ダンブルドアが校長になってから、DADA教授を志願しに来たときに隠したのでしょう。
隠し場所がわかった!とハリー。走り出す。
え?わかったの?わたしはわからんよ?


途中でハグリッドとファングにも会いました。
グロウプがなんかやってるらしいです。


ロンとハーがマートルのトイレにいました。
バジリスクの牙を持っています。
「秘密の部屋に行ってバジリスクの骸骨から取ってきたんだ」と。


ええ!?ロンがパーセルタングで入り口を開けた!!!?
いつの間にそんな能力が!?
…あ、どうもロケットを開けたことでロンに蛇語能力が備わったらしい。マジかよ!


で、牙でカップを壊したらしい。
「壊したのはハーマイオニーさ。最近、見せ場がなかったからな」とロン。
「最後のHorcruxを見つけた、行こう」とハリー。
「僕がプリンスの本を隠した部屋だ」と。
…えっ?そうなの?




必要の部屋に戻る3人。
ジニーとドーラとネビルのばあちゃんがいました。
「リーマスは!?」とドーラ。
「校庭での守備陣に参加してる」とハリーが言うとダッシュで出て行きました。ラブラブですね。
ネビルのばあちゃんも孫の援護に向かいます。
ついでにジニーも追い出して、部屋を変形させます。


ロンが「しもべ妖精も助けよう」と言いました。「no more Dobby!」と。
感極まって、ハーがロンにチューしました。ワオ!こんな事態によくやるよ!(しかも口だぜ)


しかしハリーは認めません。
先に王冠を壊さなきゃ!と。


さて、王冠(ティアラ)はどこだ。


ハリーがプリンスの本を隠したときにかなり目立つ格好をさせた胸像があったのですが、
どうやらハリーはその胸像にティアラをかぶせたことを思い出したようなのです。
(確認してみました。日本語版でいえば6巻下、315ページ最終行ですね)


どこだーティアラどこだー。


「動くな、ポッター」と声が。ドラコ・マルフォイです。お久しぶり。
それは僕の杖だ、ポッター。とドラコ。クラッブとゴイルは相変わらずお供ですか。
今は僕が主人さ。とハリー。(黒い)


去年はほとんどこの部屋に住んでいたようなもんだから、入り方ぐらい知っている。とドラコ。
クラッブとゴイルも完全に透明になる呪文をマスターしたらしく、
戸口に立っていたらしいです。おとなしく。それはそれでマヌケだよね?


ロンがどうかしたか?と声をかけてきました。
クラッブが道を塞ぎます。
「ティアラかなんかが埋まるだろ!」とドラコ。
「構うもんか!」とクラッブ。


…2人がいやに反抗的です。
ルシウスがもう役立たずなので2人も言いたい放題です。
ドラコなんかもう怖くないぜ!


ハーがゴイルをスタンさせました。
3対3のバトルが始まろうとしたとき、クラッブが妙な呪文を唱えて…もの凄い炎が…
アグアメンティでも消せません。なにこれ!?


ハリーは壁に立てかけてあった箒を発見。
ハリーが1本に乗り、ロンとハーが1本に乗りました。
蛇のように追ってくる巨大な炎をかわしつつ飛びます。


地上の方でかすかに悲鳴が。
スタンしたゴイルを引きずって、ドラコがひぃひぃ言っています。


急降下して、ハリーはドラコを、ロンたちがゴイルを引っ張り上げました。
おおお危ねぇー!全滅するとこだったよ!


そのまま頑張って飛び、脱出に成功しました。
え?クラッブは死んだって?


ぎりぎりで拾い上げた王冠が壊れていました。
どうやらクラッブの炎の呪文は、Horcruxを壊せる特殊な呪文だったようです。
「とっても危険だったから試すことはできなかったけれど」とハー。
「僕らを殺すつもりじゃなかったなら、感謝してやるんだけどな」とロン。ほんとにね。


と、目前で戦闘音が!
援護に駆け寄る3人。


「ごきげんよう、大臣!」とパーシーが言っています。
フレッド&パーシー対PiusTichnesseです。
「僕はクビですかね!」とか言っています、パーシー。
やたらテンション高い。


「まさかパースからジョークがきけるとは―」
なんてフレッドが爆笑しながら言っていると、
何だ!?何!?何かが爆発した!?


2人居た死喰い人のうちの1人がウニのように変形し、って、え!?
フレッド!?フレッド!?


フ、フレッドの目はどこを見るというでもなく見開かれ、
笑顔の残りを顔に留めたままピクリともしない―って、うそ、うそ、まさか!!


まさか!!!!




  



















































































































CHAPTER 32 : THE ELDER WAND


フレッドが死んだ…!!!!!!
衝撃的な引きのまま、32章、ジ・エルダ・ワンド。




上空では呪いが飛び交っていますが、パースがフレッドの傍から動こうとしません。
ああ…そりゃ帰ってきたばっかで弟が死んだらね…
バカパース!もっと早く素直に謝ってればもっと一緒に過ごす時間もあったのに!!


城壁をでっかいクモが這い上がってきています。
アラゴグの子孫どもです。
窓からどんどん打ち落とす3人。


キリが無い!
ハリーがフレッドを抱えて逃げようとして、ようやくパースも我に返りました。
2人でフレッドを抱えて、移動する一行。
さっきまでドラコとゴイルが居た、わりと安全そうな場所にフレッドをおろします。


「ルックウッド!」と叫んでパースが死喰い人を追っていってしまいました。
パースを追おうとするロン。ハーが必死で引き止めます。
わたしたちにしか出来ないのよ、蛇を殺さなきゃいけないのよ!と。
ヴォルがどこに居るか見て!とハー。


ヴォルの心に意識を集中するハリー。
どうやら城には居ないようです。マジかよ!
スネイプを連れて来い、とルシウスに命令しています。
ナギニは魔法のシールドの中でトグロを巻いています。


叫びの屋敷だ!とハリー。
ハリーがHorcruxを追っていることに気付いたので、わざわざ出向くつもりはないらしい。


僕が行く、とかわたしが、とか言っている間に死喰い人がやってきました。
逃げる3人。
わたしたちに構わず―と言いかけたハーを押し黙らせ、
ハリーは自分達3人にマントをかぶせて暴れ柳へ向かうことにしました。


廊下では様々なバトルが展開されています。
ディーン(杖をどっかで拾ったらしい)対ドロホフ
パーバティ対トラバース
ピーブズも妨害しているようですが、マントが裏目に出ました。
誰か透明なヤツがいるぞー!と妙な汁のようなものを垂らされました。
味方だよバカヤロー!使えねえな!


ドラコが死喰い人に攻撃されかけていました。
「味方だよ!」と言っても信じてもらえないのにマルフォイ家の凋落っぷりを感じます。
ついでに助けてあげました。2度目だな!とロン。


その他には、フリットウィック対ヤクスリィ
キングズリー対死喰い人の誰か(フードでわからない)


いやー!ラベンダーがグレイバックに噛まれた!?
なんかすごい貪り喰ってるような描写なんですけど大丈夫なんですかラベンダー!?


トレローニーが塔の上から水晶玉を撃ち落して攻撃しています。
シビル、それは微妙な攻撃だよ。まだありますわよ!とか言ってるけど。


玄関ホールに出ました。
重たい木の扉が勢いよく開き、アラゴグの子孫たちが大行進してきました。
わっさわっさ居るよー!きもい光景です。


「こいつらを攻撃せんでくれ!」とハグリッドが躍り出ました。
こんな状況でなにを言ってるんだハグリッド!と思ったら、
ハグリッド、クモの大群に呑み込まれる。
言わんこっちゃない!!


ハガー?と言いながらグロウプも来ました。
100体近いディメンターも来ました。
もうカオスです。


ハリーはハグリッドがクモに呑まれて死んだと思うとパトローナスなんて出せません。
ロンのテリアとハーのカワウソが頑張ってディメンターを追い払います。
ウサギとイノシシとキツネのパトローナスも援護に来てくれました。
ルナとアーニーとシェーマスのようです。


「ハリー、わたしたちは、まだ戦ってるよ」とルナがハリーを励まします。
そうだ、負けてられないんだ、ということでハリーもシカを出します。
ディメンターは追い払えたようです。


え?また別の巨人?
なんかもう混乱していますがとにかく3人は暴れ柳へ!


コブ押し役にクルックシャンクスがいればなあとはボヤくロンに、ハーが怒ります。
あなたは魔法使いでしょう!と。(賢者の石の時と立場が逆転したね)
ロンが浮遊呪文で小枝を浮かせて、コブを押しました。
1巻でこの呪文をちゃんと使えるようになった、というのも伏線だったんですかね。


屋敷へのトンネルを進みます。
床板の隙間から部屋の様子を窺うハリー。
ヴォルとスネイプが居ます。


ヴォルはElderWandをうまく使えないらしい。
すばらしい魔法をお使いのように見えますが、と言うスネイプ。
「俺様がすばらしいから普通の魔法でもすばらしく見える」というヴォル。(そうですか)


どうも、普通の、今までの杖と同じような効果しか発揮できないらしいです。
こんなもんじゃ伝説に謳われるElderWandの効果ではない、と。


え?つまりヴォルが言いたいのは、
ダンブルドアを殺したスネイプに杖の所有権があるんじゃないかってことですか?
えええ!なるほどね!
もしスネイプが本当に騎士団側なら、それを目的に殺させたってことだよね!?


ぎゃああああ!!!
そ、そんな事言ってたら、スネイプがナギニに噛まれたあああ!!!!


「残念だよ、セブルス」と言いながらヴォルが立ち去ります。
こ、こわい、ほんとにこわい人だよヴォルデモート!
ほんとにスネイプに所有権があるのかもわかってないのに…!


自分でもよくわからないまま、スネイプに近寄るハリー。
あれほど憎んでいた相手の顔を、首の噛み傷を見つめて、何も考えられないハリー。


透明マントを脱ぎ捨てました。
かろうじてまだ生きていたスネイプ、ローブの前を掴んでハリーを引き寄せる。
「これを…受け取れ…」と言っています。


そしてスネイプの目やら耳やら口から、銀色の、液体でも気体でもないものが…
え、え、記憶?記憶だよね?受け取れって、どうやって!?
ハーがナイスパスで小瓶をハリーに渡してくれました。
溢れ出る記憶をそれに満たします。


あ、あ、あ、もう、セブ、死ぬ、死ぬ…!
「私を…見ろ…」と言って、ハリーの緑の瞳とスネイプの黒い瞳が見つめあいます。
(ここはぜったい「我輩」じゃなくて「私」で訳して欲しいよ、松岡さん)


一瞬の後に、ハリーの胸倉を掴んでいたスネイプの手から力が抜け、床に落ちました。




  



















































































































CHAPTER 33 : THE PRINCE'S TALE


33章、プリンスの話。
もう、どうすればいいのか…



ヴォルが1時間の猶予を提供しました。
これ以上抵抗を続ければひとり、またひとりと殺すだけだ、と。
1時間後に禁じられた森へ来い、とハリーに言っています。
いや、まあ、あんたのすぐうしろに居るけどね。ほんと鈍いね。


行くなよ、とか言いながら一旦城に戻る3人。
ハリーは半分、精神崩壊しています。


全員が大広間に居ました。
フィレンツェが酷い怪我です。
怪我人はマダム・ポンフリーに手当てを受けています。


死者が寝かされているコーナーにウィーズリー一家の姿が。
相棒の傍で、ジョージが蹲っています。
ロンはビルとフラーとパーシーの元へ行って、肩を抱き合いました。
ハーは蒼白なジニーに近寄り、一家の方へ促しました。


フレッドの隣に横たわっている人たちがハリーの視界に入りました。
もう。どう言えばいいのか。




ルーピンとドーラが…青白い顔で…眠っているように…幸せそうな顔で…




な、なんで…もう、ど、どうしよう…
せっかく幸せになれたのに…!


ウィーズリー一家に加わることもできず、城の中を進むハリー。
校長室へ辿りつきました。
合言葉は、「ダンブルドア!」
ペンシーブにスネイプの記憶を満たし、ハリーは彼の記憶の中へ。








・4人の少女が遊んでいるのを、スネイプ少年がこっそり眺めている。
4人姉妹の下から2人がブランコにのっている。
「リリー!もうやめなよ!」と上の2人が叫んだ。
リリーはかなり高い位置で飛んで、ふわりと地面に降り立った。


「ダメってママに言われてるでしょ!」とペチュニア。
「でも平気だわ。チュニー、見て」と言って、リリーはスネイプの隠れている茂みから
花をひとつ取って手の中に隠す。ペチュニアが近づく。
リリーが手を開くと、掌の中で花びらが閉じたり開いたりを繰り返している。


「やめてよ!」と気味悪がるペチュニア。「でもどうやったの?」と訊ねる。
「そんなことは明らかだろう」と居ても立ってもいられなくなったスネイプ少年。
「きみは魔女なんだ」と言う。


「こいつ知ってるわ!川の近くのスピナーズ・エンドに住んでるスネイプ!」とペチュニア。
リリーを引っ張って行ってしまった。
スネイプ少年の、彼女と仲良くなろうとした計画が失敗した。








・景色がかわって。
今度はリリーとセブのふたりで魔法界について話をしている。
「マグル生まれだとなにかいけないの?」と言うリリー。
「何も。魔法使いの家系と何も違いは無い」というセブ。


セブルス?とリリーが呼びかけると、かすかに嬉しそうなセブ。
「ディメンターの話をしてちょうだい」とリリー。
リリーの望むとおりにディメンターの話をするセブ。
「きみはアズカバンなんかに入らないよ。だってきみはとっても―」
赤くなって言葉を切るセブ。


ペチュニアがあらわれた。
ペチュニアに着ている服をバカにされ、怒ったセブ。
突如、小枝がペチュニアに降りそそぐ。


ペチュニアを攻撃した、といって怒り、リリーは帰ってしまった。








・9と3/4番線のホームの景色。
エヴァンス一家が立っていて、ペチュニアがリリーを泣いてなじっている。


変人、奇人、と言い続けるペチュニアに、
「でもあなたを学校に入れてくださるように校長先生にお手紙を出したときは
 ホグワーツが変人の溜まり場だなんて思ってなかったんでしょう?」と言うリリー。
人の手紙を勝手に見るな!と言ってペチュニアは猛烈に泣き怒る。


汽車が出発して。
数人のコンパートメントで泣いているリリーを見つけたセブ。
「きみはスリザリンに入ればいいよ」となぐさめる。


「スリザリンだって?」と同じ車内にいた少年が初めて2人に気付く。
ジェームズ・ポッターだった。
「誰だい、スリザリンに入りたいなんて言ってるのは?
 僕なら願い下げだよ、そうだろ?」ともう1人の少年に話しかける。


「うちの家族はみんなスリザリンだ」とシリウス・ブラック。
「でもきみはマトモそうだけど?」とジェームズ。
「たぶん、俺がうちの伝統を打ち崩すぜ」と笑うシリウス。


選べるならグリフィンドールだ!というジェームズを鼻で笑うセブ。
シリウスとジェームズにバカにされまくるセブ。
堪りかねたリリーが「行きましょ、セブルス」と言った。
嫌悪の表情でジェームズとシリウスを眺めてコンパートメントを出るリリー。


「じゃあな、スニベルス!」という声が響いた。








・組み分け。かなり即決でリリーはグリフィンドール。
シリウスを無視するリリー。
ルーピン、ペティグリュー、ポッターが次々とグリフィンドールへ。
セブはスリザリンテーブルへ行き、監督生のルシウスの隣に座った。








・何年か経って。
セブとリリーが一緒に歩いている。
「でも僕らは友達だろう?親友だろう?」
「わたしとあなたは、ね、セブ、でもあなたと一緒にいる奴らは嫌いよ。
 特にエイヴァリーとマルシヴァーはね!
 メアリ・マクドナルドになにをしたか、あなた知ってる?」
「あれは何でもない。単なるおふざけだ」
「あれは闇の魔術よ!あなたがそれを面白いというのなら―」
「ならばポッターたちはどうなる?奴らは城を抜け出すし、
 それにルーピンは怪しい。奴らはなにを企んでいる?」
「彼は病気なのよ」
「毎月、満月のときにか?」
「…言いたいことはわかるけど、彼らが何だって言うの?」
「別に。ただきみに、奴らが噂通りの素晴らしい人物ではないと言いたいだけだ」
「少なくとも彼らは闇の魔術は使わないわ。セブ、あなたちょっと恩知らずよ。
 この前何があったか聞いたけど、城を抜け出して暴れ柳に近づいて…」
「助けられたと?助けたと?ハッ!奴は自分と仲間の首を救っただけだ!
 きみがそんな―僕はぜったい―」
「わたしが、なに?何をさせないって言うの?」
「僕は…僕はきみにバカな真似をしてもらいたくないだけだ。
 あいつはきみに夢中だ、ジェームズ・ポッターはきみが好きなんだ!
 皆がみんな、あいつを素晴らしいクィディッチのヒーローだと言って―」
「ジェームズ・ポッターが偉そうなクズだってことぐらい知ってるわ。
 でもエイヴァリーとマルシヴァーのユーモアは、悪なのよ、セブ、悪!
 どうしてあなたがあいつらと友達やってられるのか理解できない!」


セブはリリーがポッターをこき下ろしたので少し嬉しそうだった。








・5年生のO.W.Lの後。
何が起こるか知っていたハリーは近寄りたくなかった。
セブの「穢れた血が!」という声だけが響いた。








・その直後と思われる景色。
「ごめん―」
「興味ないわ」
「ごめん!」
「うるさいわよ」


リリーはナイトガウンを着ている。
彼らはグリフィンドール塔入り口の太った婦人の絵の前に立っている。


「私は、寝てもここを動かないとあなたが脅すってメアリから聞いたから来ただけなのよ」
「そうだ。僕は、僕はきみを穢れた血なんて呼ぶつもりなかった、あれはただ―」
「口が滑った?私はあなたのことを何年もずっと庇い続けてきたの。
 友達はひとりとしてどうして私があなたと喋るのか、理解してくれなかったわ。
 あなたと、あなたの素敵な死喰い人のお友達とね―ほら、否定しないんだわ。
 あなたが何をしようとしているか、否定すらしないのね!
 『あの人』の仲間になるのがそんなに待ち遠しい?」
「違う―聞いてくれ、僕はそんな―」
「私を穢れた血と呼ぶつもりじゃなかった?でもセブルス、
 あなた、私と同じ出身の子たちのことはみんな穢れた血と呼んでいるじゃない!
 私は違うというの?じゃあどう違うのよ?」


リリーは肖像画の穴を登っていった。








・前回からはかなり時間が経ったようで、セブはもう大人になっている。
夜中、どこかの丘の上に居るようだった。ダンブルドアが来た。
待ち合わせをしていたらしい。「死喰い人が何の用かね?」とダンブルドア。
予言のことを喋ってしまった、全部喋った、闇の帝王はリリー・エヴァンスを殺すつもりだ、とセブ。
息子の代わりに彼女は助けてくれとご主人に頼めばよかろう、とダンブルドア。
そうした、とセブルス。「最悪じゃ」とダンブルドア。
「彼女の夫と息子はどうなってもいいと言うのかね?それで、何が望みじゃ?」
「避難させて下さい。彼女を―彼らを、どこか、安全な場所へ…」
「見返りに、セブルス、きみは何をしてくれるのじゃ?」
「み、見返り?」


ハリーは、スネイプはこの話をなかった事にするのだろうと思ったが、そうではなかった。


「……何でもします」








・1981年10月31日、校長室で。
「あなたが…彼女を…安全な場所へ…避難させたと…」
「リリーとジェームズは間違った人間を信用してしまったのじゃ。
 きみよりも性質の悪い奴じゃ、セブルス。ヴォルデモート卿に、
 彼女を殺さないように頼んだのではないのかね?」


スネイプの呼吸が浅くなった。


「彼女の息子は生き残った。息子は彼女の目をしておるぞ。
 どんな色形をしておったかきみも思い出せるじゃろう…」
「やめてください!…もう、死んだ…逝ってしまった…」
「後悔しておるのかね、セブルス」
「…私が…私が死ねば…よかった…」
「それが何の役に立つのかね?セブルス、きみがリリー・エヴァンズを愛しておったなら、
 心から愛しておったのなら、進むべき道ははっきりしておるじゃろう」
「どういう…意味ですか?」
「リリーがなぜ、どのようにして死んだのか知っておるじゃろう。
 それを無駄にせぬようにするのじゃ。彼女の息子を守るのに、儂に力を貸してくれ」
「保護など不要でしょう…帝王は死んだ…」
「ヴォルデモートは戻ってくるじゃろう。
 その時、ハリー・ポッターは大いなる危険にさらされるじゃろう…」


一瞬の間があった。


「いいでしょう…いいでしょう。しかし絶対に―絶対に漏らさないで頂きたい、ダンブルドア!
 この事は私達だけの秘密して下さい!誓って下さい!耐えられない…
 ポッターの息子などに…誓って下さい!」
「誓おう、セブルス」








・6年前の校長室。
ハリーのことについて父親そっくりだ、と文句を並べるセブ。
それはきみがそう思いたいからじゃ、ダンブルドア。
「セブルス、クィレルを見張ってもらえんか?」








・3年前の玄関ホール。
カルカロフの闇の印も濃くなっている、という報告をするセブ。
彼は逃げ出そうとしている、とも。
「きみも逃げるかね?」
「いえ。そのような腰抜けではありません」
「そうじゃな、きみはカルカロフなどよりもずっと勇敢じゃ」








・ダンブルドアがゴーントの指輪を取って帰った夜、校長室。
迂闊に指に嵌めようとしたダンブルドアを責めるセブ。
「どのくらい持つかね?」
「わかりません…あと1年ほどでしょう」


それから、ドラコがダンブルドア殺害を任されたことについて話し合う。


「マルフォイ少年を救うにはひとつしか道がないのう…」
「まさかドラコにご自分を殺させるおつもりですか?」
「いいや、違う。きみが、わしを殺すんじゃ」
「………今すぐですか?それとも墓碑銘を考える時間が必要ですか?」
「いや、いや、そう急くでない。その時が来ればわかろう…1年もないじゃろうが…」
「…死を厭わないのならば、なぜドラコにさせないのです?」
「少年には耐えられんじゃろう。わしのせいで辛い思いはさせとうない」
「では、私の心はどうなります、ダンブルドア?」
「老人を痛みから解放することが悪かどうか知っているのはきみしかおらんのじゃ」


死喰い人の現状をすこし話し合ったあと、セブは了承した。
ありがとう、セブルス、とダンブルドアが言った。








・夕暮れ、ダンブルドアとセブが2人で校庭を歩いている。
「近頃の晩、ポッターと何かなさっているようですね」
「何故じゃな?セブルス、あの子に罰則を与えすぎではないかね?」
「奴は父親の再来です―」
「見かけ、だけはのう。心根はむしろ母親似のようじゃが。
 わしはあの子と話し合う時間が要るのじゃ。情報を彼に遺さねばならん」
「情報ですか。
 …あなたは奴を信頼していらっしゃるが、私のことはちっとも信頼していない」
「わしは自分の秘密を同じ場所にまとめて置いておきたくはないんじゃよ。
 特に、ヴォルデモート卿と過ごす時間の方が多い場所にはのう…」
「あなたが命令なさったことだ!」
「きみは本当によくやってくれておる」


そのままハリーとヴォルデモートの話をして、
ダンブルドアは23時にオフィスに来るように言いつける。








・23時、校長室。
自分の死後、ヴォルデモートがナギニを手元に置くようになったらハリーに伝えてほしい、とダンブルドア。
ヴォルデモートがハリーを殺し損ねた日のことを。


リリーの加護で、ヴォルデモートの死の呪文は撥ね返された。
彼の魂の一部は崩壊した建物の中で生き残った魂の中に入っていった。
つまりヴォルデモートの魂の一部がハリーのなかにある。
だからハリーは蛇語を話せるし、ヴォルデモートの心とリンクすることができる。
そしてリリーに守られたハリーの中にヴォルデモートの魂がある限り、ヴォルデモートは死なない。
だからハリーは死ななければならない。ヴォルデモート本人が手を下さなければならない。


「これまでずっと…彼女の…リリーのために奴を守ってきたと…」
「彼を教育し、育て、強さを試すために守ってきたのじゃ。
 彼らの繋がりは以前にも増して強大になっておる。本人も薄々気付いているようじゃ。
 彼の死こそ、ヴォルデモートの死なのじゃ」
「では…正しい時期に死ねるように彼を生かしてきたと、そういうことですか…?」
「ショックを受けるでない、セブルス。これまで幾人の死を見てきたのじゃ?」
「最近では、救えなかった人のみです。……私を利用したんですな」
「どういう意味じゃな?」
「あなたのためにスパイになった、あなたのために嘘をついた、あなたのために
 常に危険にさらされてきた。リリー・ポッターの息子を生かそうと思えばこそです。
 あなたは今、彼を、屠るための豚か何かのように育ててきたと―」
「感動的じゃな、セブルス。結局はあの子を気にかけておったんじゃな」
「彼を?…エクスペクト・パトローナム!」


セブの杖から銀色の雌ジカが出てきた。
校長室を一周すると、雌ジカは外へ出て行った。
雌ジカを見送り、ダンブルドアは涙で目を一杯にしたスネイプに向き直った。


「(パトローナスが雌ジカに変化したのは)いつからじゃ?」とダンブルドア。
「最初からです」とスネイプ。








・セブが校長になってから、校長室。
ダンブルドアの肖像に話しかけるセブ。指示をするダンブルドア。


ヴォルデモートはセブを信用しているので、ハリーの正しい出発日を教えること。
ただしオトリを用意しておくのがいいだろう。ハリーの安全のために。
マンダンガス・フレッチャーを錯乱させるのがいい。それから、
もしセブも追っ手に回らざるを得ない場合は、疑われないように全力で行動すること。
その時まで、セブはヴォルデモートのお気に入りであってほしい。








・薄汚れたバーに向かうセブ。
ダングを錯乱させ、オトリ作戦を提案するように言う。








・7月27日、ハリー出発の日。
セブは箒で飛んでいる。
ルーピンの背中に向かって呪文を唱えるが、ずれてジョージの耳を切り裂いた。








・ブラック家の屋敷、シリウスの寝室。
膝をついて、涙を流しながらリリーの手紙を読んでいる。
手紙の2枚目は、ほんの数行しかなかった。


(まさかダンブルドアが―)グリンデルバルドと友達だったなんて。
バチルダおばあさんは、ちょっとおかしいのかもしれないわ。


たくさんの愛を込めて
リリー



リリーの署名とたくさんの愛の2枚目を自分のローブに押し込む。
そして写真を2つに破き、リリーが笑っている部分を持ち、
ジェームズとハリーが写っている部分は床に投げ捨てた。








・校長室。
フィニアスが「校長殿!」と叫びながら肖像画に戻ってきた。
「奴らはディーンの森でキャンプをしておりますぞ!穢れた血が―」
「その言葉を使うな!」
「―グレンジャーの小娘がそう言うのがポーチの中で聞こえましたからな!」


それは良い!と肖像画のダンブルドアが言った。
「今じゃ、セブルス、剣じゃ!勇敢さが求められるような状態にしておくのじゃぞ、
 さすればどうすれば良いかわかるじゃろう!もしヴォルデモートがハリーの心を読み、
 おぬしが何をしておるか見てしまった時は―」
「わかっています」


セブはダンブルドアの肖像を動かし、秘密の隠し場所から剣を取り出した。


「…この剣をポッターに与えることがそこまで重要な理由は、未だにお教え頂けないのでしょうな」
「セブルス、ハリーは何をすべきか知っておる。しかし気をつけるのじゃ、
 ジョージ・ウィーズリーへの不運な事故の後で、彼らは―」
「ご心配なさらず、ダンブルドア。私に計画があります…」


旅行用ローブを身に纏い、セブは扉を開けた。








ハリーがペンシーブから戻ってきました。


スネイプが記憶の中でたった今閉めたばかりのドアの前で、
カーペットの上で倒れていました。


セブルス……!!!!!




  



















































































































CHAPTER 34 : THE FOREST AGAIN


衝撃の親世代全滅から、34章、再び森へ。




ハリーは呆然としています。(まあ、わたしもしてるけど)
自分もヴォルも両方死ぬんだ、という感じで。


透明マントを被っているので誰にも気付かれません。
でも誰かに引き止めてもらいたいような気もしています。


玄関。ネビルとオリバーがコリン・クリービーの死体を運んでいます。
まだ成人じゃなかったのに、ジニーのようにこっそり戻ってきたんでしょう。


ネビルに声をかけるハリー。
「蛇を殺さなきゃいけないんだ。ロンとハーマイオニーも知ってる。
 でももし2人が失敗したら、きみに頼んでもいいかい?」とハリー。


めっちゃ死ぬ覚悟です。
森へ向かうハリー。
少女を慰めているジニーがいました。


声をかけたいのをぐっと堪えて、それでも森へ進むハリー。
木々の間にディメンターがたくさん居ます。
もはやパトローナスを出す気力もありません。
『結局、死ぬことはぜんぜん簡単なんかじゃないんだ』とハリー。
長かったゲームが終わった、スニッチは捕まえられたんだ……


そういえばスニッチのことを忘れていました。
「I open at the close」というのは今、この時のことでしょう。
今ならこの言葉もわかる気がします。「深淵で開けること」って感じかなあ…


スニッチを口に入れて、「僕はこれから死ぬ」と呟くハリー。(痛々しい)
吐き出すと、スニッチが開いて、黒い石が出てきました。


ハリー、石を3回振る。


ゴーストでも生者でもない存在で、みんなが帰ってきました。
み、みんな、愛しそうにハリーを見ながら、近づいてきます…


ジェームズはハリーとまったく同じ背丈で、
殺された時に着ていたのと全く同じ服を着ています。
髪はくしゃくしゃ、もしゃもしゃで、眼鏡が、アーサーのように傾いています。


シリウスは背が高くてハンサムで、
ハリーが今まで見てきたシリウスよりもずっと若いです。
ポケットに手をつっこんで、にやりと笑いながら、ゆっくりと大股で歩いてきます。


リーマスもずっと若くて、ぼろぼろじゃなくて、髪はもっと色が濃くて、ふさふさです。
青春時代の、なつかしい顔ぶれの中に戻れて、幸せそうです…


リリーの笑顔が4人の中で一番です。
ハリーに近づくときに長い髪を後ろにやって、ハリーの顔を貪るように見ています。
まるで一度もじっくりと眺めたことがなかったかのように。




あああ、もう、だめだ、だめだこれ、耐えられない…!
ドビーの葬式よりも泣けて泣けて進められません…




「あなたは勇敢だわ」
(誰のセリフかわからないんですけど、たぶんリリー。だったら、いい、な…!)
言葉を無くすハリー。
ずっとリリーを見ていたいと思ってしまう。


「すぐそこまで来たんだな。…もうちょっとだ。みんな、お前を誇りに思っているよ」とジム。
「痛い?」と聞いてしまうハリー。
「死ぬことか?全然だ。眠りに落ちるより早くて簡単だぜ」とシリウス。(自慢にならねー)
「それに、向こうも早く終わらせたがっているしね」とリマ。


あなたには死んでほしくなかった、とハリー。
「みんなに死んでほしくなかった。ごめんなさい―」
特にリーマスには懇願するように言うハリー。
「息子が産まれたばっかりだったのに…リーマス、本当にごめん―」
「わたしもごめん」とルーピン。(でも若いなら「僕」がいいかも)
「彼のことを知ることができなくなってしまった。
 でも、どうしてわたしが死んだのか、息子はわかってくれると思う。
 わたしはこの世界を、彼がもっと幸せに生きていけるように変えようとしていたんだから」


彼らは決して、ハリーに「行きなさい」とは言いません。
あくまでもハリーの決定が大事なのです。


「一緒に居てくれる?」とハリー。
「最後の最後までな」とジム。
「あいつらには見えないんだよね?」とハリー。
「俺たちはハリーの一部だ。だからあいつらには見えない」とシリウス。
最後にハリー、リリーに「そばに居てね」と言って歩き出します。


みんながパトローナスになっているような感覚。
ディメンターの冷気もハリーには及びません。


少し歩くと、ヤクスリィとドロホフが来ました。
マントがあるのでハリーには気付かず、動物だったのかもな、と言いながら去ろうとします。
ついて行くハリーと守護霊たち。(ちょっとイヤな言い方だけど)


元・アラゴグの巣に出ました。
死喰い人にヴォルが勢揃いしています。


動物でした、的なことを報告する2人。
ヴォルはとても残念そうです。


「必ず来ると踏んでいたが…間違いだったようだな」
「いや、間違いじゃない」


ハリーがマントを取り、ヴォルの前に姿を現した。
かっこいい。


ああ!しかしハリー、石を落としてしまった!
途端に消えてしまったリリー、ジム、シリウス、リーマス。


中央に置かれている炎に照らされ、ハグリッドの巨体が見えました。
「ハリー、なんで来た!」みたいなことを言ってます。生きてたのね!


ジニーのことを思い出すハリー。
燃えるような瞳に、彼女の唇が自分の―


その時、ヴォルが杖をあげ、眼前に緑の光がいっぱいに広がって、全てが消えていきました。




  



















































































































CHAPTER 35 : KING'S CROSS


35章、キングズ・クロス駅。




なんかモヤモヤした中にいるハリー。
え、ちょっと、死後の世界のような空気がするんですけど。


どっかから変な泣き声がします。
服を着てないことに気付き、服がほしいと思うハリー。
目の前にローブが出現しました。


ここはなんだ?必要の部屋か何かか?と思うハリー。
あたりを見回すと、どうやらかなりひらけた空間のようです。
ドーム状のガラスの天井で、大広間よりもずっと広い。


変な泣き声はやたら醜い新生児のようなものの泣き声のようです。
近寄りたくないハリー。それでも恐る恐る近づきます。
座席のしたに置き去りにされているような感じです。


「それはどうにもすることができん」と声がして、アルバス・ダンブルドアが現れました。
え!?いよいよ死後の世界確定ですか!?


君は勇敢じゃ、とやたらにハリーを褒めたあと、少し歩こうか、と歩き出すアルバス。
ハリーもついていきます。少し離れたところに座席が2つありました。
アルバスが1つに座り、ハリーがもう1つに座ります。


ダンブルドアは生前の姿となんら変わりないように見えます。
両手とも白くて、壊死してないし。
「でもあなたは死んだはずだ」とハリー。
「その通りじゃ」とダンブルドア。
「じゃあ僕も死んだんですか?」と聞くハリー。
「そこが問題じゃ。わしは、そうではないと思う」


え!?そうなの!?


「でも僕、抵抗もしませんでした!僕は自分を殺させたんです!」
「それこそが、わしが思うに、違った結果をもたらしたのじゃ」


え?え?
久しぶりのダンブルドア先生のガイダンスが始まります。
考えてごらん、ハリー。


・ハリーは自分を殺させた。それによってハリーの中にあったヴォルの魂が消滅した。
 ハリー自身の魂はまだ完全に残っている。
・ヴォルはハリーの血をつかって体を再生させたので、リリーの加護も体内に取り込んだ。
 それによって、ヴォルが生きている間はハリーも死ぬことがなくなっていた。
・ハリーは、ヴォルの意図せぬ7つ目のHorcruxだった。


ヴォルは何もわかっていなかった。
屋敷しもべ妖精や、子供のおとぎ話や、愛が、どれほど彼よりも強い力を持っていたか。
その間違いで、彼自身が(ハリーが生き残るための?)希望となってしまった。


杖のことに話を持っていきます。
どうして杖が勝手に攻撃したのか、さすがのアルバスでもわからないそうです。
「じゃあ、推測してください」とハリー。アルバスが笑って推測を述べ始めます。


・3年前、ハリーの中の魂と、ヴォルが取り込んだリリーの加護で、2人の結びつきは強固になった。
 もしヴォルが犠牲の力の恐ろしさを知っていたなら、ハリーの血で復活しようとしなかっただろう。
 しかしそれを理解できるような人物であったなら、ヴォルデモート卿は誕生しなかっただろう。
・堅固なその結びつきを持ったまま、兄弟杖でヴォルはハリーを攻撃しようとした。
 杖は勝手に反応し、ヴォルはそれを脅威に思うようになった。
・ハリーは死の可能性を受け止めた。それはヴォルには決してできなかった行為である。
 ハリーの勇気が打ち勝って、ハリーの杖はヴォルの杖を凌いだ。
・恐らくその時に、ハリーの杖はヴォルの杖の力の一部を吸収した。
・今年の7月、トンクス家上空でヴォルがハリーを攻撃したとき、
 杖は自分の力の一部と同じ魔力が攻撃しようとしていることに気付いた。
 ハリーの勇気とヴォルの技術とを併せ持った杖に、ルシウスの杖が勝てるわけがなかった。
・ヴォルに対してのみ、ハリーの杖は強力になる。
 だからハーマイオニーの攻撃の余波で、普通に壊れてしまった。


一応納得したことにしますか。
「ここはどこですか?」とハリー。
「どこに見えるかね?」とダンブルドア。
「キングズ・クロス駅に見えます」とハリー。
掃除機と人ごみと電車のないキングズ・クロス駅。


Hallowsのことに話を移します。
「master of Deathになろうとしていた自分はヴォルよりマシだろうか?」とアルバス。
「わしは死を征服しようとしたのじゃ」
「でもあいつとは違う方法です、HallowsはHorcruxじゃない」


・透明マントはゴドの谷で生まれたイグノータスの子孫に受け継がれてきた。
・ジムたちが死ぬ何日か前にジムがアルバスにそれを見せた。
・長年の夢が目の前にあるのが信じられなくて、アルバスはジムにそれを借りた。


マントを借りていなければ、という思いがアルバスには多少なりともあったようです。
ElderWandにマント、2つのHallowsだけが手元に残った。
だからアルバスはHallowsを探すことを諦めた。


「わしを軽蔑しておるじゃろう」とアルバス。
「僕そんなことしてません」とハリー。
「ならそうするのじゃ」とアルバス。


グリンデルバルドがどんな人物だったか、きっとアルバスはわかっていた。
わかっていたのに、見えないふりをしていた。
自分勝手だった、自分は力・権力に弱いのだと悟った。
だから魔法省大臣の就任要請をずっと断り続けてきた。


「権力に相応しい者は、決してそうなりたいとは思わないものなんじゃよ」とアルバス。
アバフォースが語ってくれたことがアルバスの口から再び紡がれます。


アルバスはホグワーツで教師になった。
アルバスが若い魔法使いたちを教育している間、バルドは軍隊を組織した。
グリンデルバルドはどんどん強力になっていった。
バルドはアルバスを恐れていた、アルバスはそれ以上にバルドを恐れていた。


アルバスはアリアナを殺したと思って、自分の力を恐れていた?
バルドも、アルバスが何を恐れているのか知っていた。
いよいよ手がつけられなくなって、アルバスとバルドは決闘し、アルバスが勝った。


アルバスには「みぞの鏡」で何が見えたのか、ハリーはわかったような気がした。
だからアルバスはハリーに嘘をついたんだ、と。


バルドはヴォルに嘘をついた。ElderWandなんて持ってたことはなかった、と言った。
バルドはNumengardで後悔していた、のかな?




そしてアルバスはゴーントの指輪を見つけた。
彼は「復活の石」を使いたいという誘惑に勝てなかった。
家族にもう一度会って、謝りたかった。
石が今ではHorcruxになっていることも失念して、指輪を嵌めた。




長かった話が終わって。


「僕は戻らなきゃいけないんですね」とハリー。
「それは君しだいじゃよ」とアルバス。
「選べるんですか?」
「もちろんじゃ。ここはキングズ・クロス駅なのじゃろう?
 汽車に乗るか乗らないかは、君が決めることじゃ」
汽車に乗ればアッチへ逝けるみたいですよ。


「死んだ者を哀れむでない。哀れむべきは生者じゃ、特に、愛を知らずに生きている者じゃ」
とアルバス。


「最後にひとつだけ。…これは現実ですか?それとも僕の頭の中での出来事ですか?」
「もちろん君の頭の中じゃ、ハリー、しかしだからと言って、
 現実のことではないと言えることができるじゃろうか?」


話の間中、ずっと妙な子供な泣き続けていました。
あれが何なのか、けっきょく明らかにはされませんでした。