CHAPTER 1 CHAPTER 2 CHAPTER 3 CHAPTER 4 CHAPTER 5

CHAPTER 6 CHAPTER 7 CHAPTER 8 CHAPTER 9 CHAPTER 10

CHAPTER11 CHAPTER12 CHAPTER13 CHAPTER14 CHAPTER15

CHAPTER16 CHAPTER17 CHAPTER18 CHAPTER19 CHAPTER20

CHAPTER21 CHAPTER22 CHAPTER23 CHAPTER24 CHAPTER25

CHAPTER26 CHAPTER27 CHAPTER28 CHAPTER29 CHAPTER30

CHAPTER31 CHAPTER32 CHAPTER33 CHAPTER34 CHAPTER35

CHAPTER36 ExCHAPTER *


















































































































CHAPTER 36 : THE FLAW IN THE PLAN


奇跡の生還、36章、計画の欠点(不備、穴、不調和)。




ハリー、奇跡の生還。
森の地面に突っ伏しています。目を開けずに耳だけを澄まします。


ん?ヴォルも体勢を崩していたようです。
死喰い人たちが嫌に静かです。
ヴォルはハリーに近寄るのを恐れているようで、「確かめろ」と誰かに命令。


柔らかい手がハリーの心臓のあたりに触れました。
耳元で「ドラコは無事なの?城にいるの?」と微かな声が。ナルシッサ!
ハリーもナルシッサにだけ聞こえるように「イエス」と言います。
「死んでいます!」とナルシッサ。契約成立?


ようやく喜びまくるヴォルと死喰い人たち。
ヴォルが死んだフリをしているハリーをいたぶりまくります。
あたかも激しい戦闘があったかのように見せたいらしい。見栄っ張りめ!


そのままハリーをハグリッドに持たせて、一行は校庭へ向かいます。
途中でベインとかケンタウルスがいっぱい見てきました。
ハグリッド怒る。「また予言か!いつも傍観ばっかりだ!」みたいな。


森の外に出ました。
ディメンターの傍を通ってもぜんぜん大丈夫です。
『プロングズが心の中にいるようだ』らしいです。




ハリーを足元に置いて、城に向けて勝利宣言をするヴォル。
「ポッターは死んだ!逃げようとしたところを殺した!全員城から出て来い!」
マクゴナガル先生の悲痛な声が響きます。
その時、ヴォルに突進する人影が。


ネビル!!!
ハリーのお願いどおりに、ナギニを殺そうとしてくれたらしい。ネビル…!
でもやっぱりあっさり抑えられちゃう。
「ロングボトムのガキです、闇払いの夫婦の息子です」とベラ。


ネビルも純血なわけだし、なかなか気に入ったらしいヴォル。
「ヴォルデモート卿は勇敢なものを評価する。
 これから必要なのはおまえのような人物だ。死喰い人に入れてやろう」とヴォル。
ダンブルドア・アーミーが滅ぶまで戦ってやる!」とネビル。
ネビルめっちゃかっこいい…!きみはグリフィンドールだよ!


「残念だ」と言って、ヴォルはネビルに組み分け帽子をかぶせ…点火!?
燃える!ネビル燃える!


しかしその時、たくさんのことが同時に起こりました。
城壁の向こうから人がいっぱい来るような音がして、
グロウプが吼え、ヴォル側の巨人が走り出し、
足音がして、森の方から弓矢が雨のように降り注ぎました。


ハリーはその隙にマントを被ってネビルの元へ走りよる。
ネビルも同時に動き、帽子からシルバーの柄にルビーにはめ込まれたものを取り出し、
ナギニの頭を切り落とす!!!ネビルすげええええ!!


「ハリーはどこだ?」と気付いたのはハグリッド。
マントに隠れてヴォルとネビルの間に盾の呪文を張ってるよ。


城壁のむこうからセストラルとビーキーがやって来た!
もう、「第二次ホグワーツの戦い」が勃発って感じです…!




ヴォルは城の中へ。
ハリーも追って城の中へ。


チャーリーとスラグホーンが、ホグズミードの人たちや、
ホグワーツ生の親たちを引き連れてやって来ました。
ロナン・ベイン・マゴリアンらケンタウルスも来ました。
厨房からは、「我が勇敢なる主・レギュラスの名のもとに!」とかって
クリーチャーが屋敷しもべ妖精を率いています。


すげえぇえぇええ!!!
かなり優勢!


大広間。
ヤクスリィがジョージとリーに押さえつけられ、
ドロホフはフリットウィックに押さえつけられ、
マクネアはハグリッドにぶん投げられ、
グレイバックはロンとネビルに押さえつけられ、
ルックウッドはアバフォースにスタンさせられ、
Thicknesseはアーサーとパースに押さえつけられ、
マルフォイ夫妻は「ドラコー!」と言いながら走っていきました。




ヴォル対マクゴナガル・スラグホーン・キングズリー!
いっぺんに3人相手ですか!


すぐ近くではベラもご主人様と同じように1対3の決闘をしています。
ベラ対ハーマイオニー・ジニー・ルナ!


そこへ突っ込んでくるモリー・ウィーズリー!
「うちの娘に手をだすなこのアバズレ!!」…モリー?
「どきなさい!!」と言って、モリー対ベラがはじまりました。


すごい迫力です。モリー強かったのね!
援護しようとする仲間にも「あいつは私が倒す!」と言って譲りません。


「あんたが死んじまったらかわいそうな子供たちはどうなるだろうねえ?」とベラ。
「あんたが、かわいそうなフレッディーみたいに死んじまったらねえ!」


それは禁句!!


ベラがばかにしたような笑いをうかべます。
そう、まるで、シリウスがベラと決闘したときに浮かべたような。
ハリーは、このあとどうなるのか、悟りました。


モリーの呪文がベラに当たり、ベラが崩れ落ちていきます。
ブラック家のおばかさんたちはそういう負け方しかできないんですか!!!?
さすがイトコ!


ヴォルが吼えました。
マクゴナガル・スラグホーン・キングズリーがふっとばされました。
つ、つえぇえ…!


ヴォルがそのままモリーに杖を向け、呪文を唱えかけたところで
ハリーが「プロテゴ!!」と叫んでマントをついに取りました。


ハリー!!生きてた!!という歓声に包まれる城内。
ヴォルとハリーの一騎打ちがはじまります。


円を描くように、お互い等間隔の距離をあけながら喋る2人。


「いつまで経っても学習しないんだな、リドル
「貴様よくも―」
「僕はお前が知らない、大切なことをたくさん知っている、トム・リドル」


「俺様がアルバス・ダンブルドアを殺したんだ!」
「そう思ってるだけだ。お前が自分の召使いだと思っていた人物と
 示し合わせただけだ。セブルス・スネイプはお前のものじゃなかったんだ。
 ダンブルドアのものだった。スネイプのパトローナスを見たことがあるか?」


「彼のパトローナスは雌ジカだ、僕の母と同じように。
 彼は僕の母さんを愛していた、子供のときからずっと。
 彼がお前に母さんを殺さないように頼んだだろう?」
「あいつは女を欲しがった、それだけだ。
 しかしあの女が死んでからはもっとふさわしい純血の女にすると―」
「そう言っただけだ。スネイプはずっとダンブルドアのスパイだった!
 ダンブルドアはスネイプが手を下す前に死んでいたんだ!」
「それがどうした!スネイプは俺様が3時間前に殺した!
 ダンブルドアはスネイプをElderWandの主人にしたかったようだが、
 ジジイの計画は失敗した、杖の主人は俺様だ!」


「僕を殺そうとする前にひとつ忠告しておくよ。
 自分がしたことを悔やむんだ。それがお前に残されたただ1つの希望だ」
「貴様―」
「そうさ。だってダンブルドアの計画は失敗したけど、
 それはお前にとって裏目に出ただけだからな!」


「杖はまだちゃんとした効果を発揮しないだろう?お前は間違った人物を殺したんだ。
 スネイプは杖の主人じゃなかった、スネイプはダンブルドアを殺してはいなかったんだ」
「奴は殺したはずだ―」
「聞こえなかったのか?スネイプはダンブルドアを殺していない!
 死は計画されたものだった、ダンブルドアは殺されることなく死んでいった。それが狙いだ。
 新たな主人を認識させることなく死んでいくのが狙いだったんだ!」
「しかし俺様はダンブルドアの墓から杖を奪ったんだ!力は俺様のものだ!」
「まだわからないのか、リドル?
 杖はダンブルドアが死ぬ前に新しい主人をみつけてしまったんだ」


「ダンブルドアを武装解除したドラコ・マルフォイが杖の主人だ


「貴様を殺し、ドラコ・マルフォイを殺せばすむことだ!」
「もう遅い。僕は1週間前にドラコの杖を勝ち取った。これがその杖だ。
 お前のその手の中の杖は、最後の主人が武装解除されたことを知っているかな?
 そうだとしたら、僕が本当の杖の主人だ


まままままじで!
グレゴロビッチ→グリンデルバルド→ダンブルドア→ドラコ→ハリーってことですか?






「アバダ・ケダブラ!」


「エクスペリアームズ!」




2つの呪文がぶつかって、ヴォルの杖が宙を飛ぶ。
シーカーの動体視力を持ってすればこの薄暗く土ぼこりの舞う中、杖を掴むことは簡単です。


ハリーはElderWandを手に入れ、
トム・リドルは自らの呪文のリバウンドで、床に崩れ落ちた。




お、終わった?もう?あっけなく?
城中が狂喜乱舞しています。




大団円が始まりました。
ハリーは真の英雄になったわけで。
死喰い人たちは次々と逮捕され。
キングズリーなんて一時的に魔法省大臣になっちゃって。


「あたしがハリーだったら、今は休ませてほしいと思うけどなあ」とルナが来て言いました。
「うん、そうしたいよ」とハリー。
「あたしが皆の気を逸らすから、マントを使いなよ」


あああーあそこにBlibberingHumdingerがいるよ!と叫ぶルナ。
きみはやっぱり最高だ。


マントをかぶってホールを抜けるハリー。
2人で歩いていたロンとハーに声をかけ、一緒に校長室へ向かいます。


ピーブズが歌ってます。
"やったぞ 俺たちは勝ったぞ ポッターはやったぞ
 ヴォルディはやられたぞ さあ お祭りだ!"




校長室で、歴代校長に拍手で迎えられるハリーたち3人。
ダンブルドアの肖像画に話しかけます。


「スニッチの中に隠されていたものは、森の中で落としてしまいました。
 正確な場所はわかりません。でも僕、探しません。いいですか?」


ダンブルドアが賛成しました。


「イグノータスの贈り物は受け継ぐつもりです」
「それがよかろう」


「それから、杖なんですが、僕は要らないんです」
「きみ、正気か!?」(ロン)
「これが強力なのは知ってるさ。でも僕、こっちの杖の方がいいんだ」


校長室の机に、ヒイラギと不死鳥の杖を置くハリー。
そしてElderWandで「レパロ!」
ハーはもう直せないと言ったけど、ElderWandなら可能なのです。


「この杖はもとあった場所に戻しておきます。
 僕がイグノータスのように自然に死んだら、杖の力は打ち砕かれる」


ロンがもったいねーもったいねーと言っていますが、ハーは賛成のようです。
お腹がすいたハリー。
クリーチャーがサンドウィッチでも持ってきてくれるだろうか、と考えます。


「この杖は価値以上の災厄を招くんだ。
 正直に言って、僕はもう、人生でトラブルはたくさんだよ」


そうだよね。
ハリー、おつかれさま!




  



















































































































Ex-CHAPTER : 19years later...


ハリー・ポッター、まさかの未来オチ。
19年後。せっかくなので全文訳を載せておきます。重い!すいません。







その年、秋は唐突に訪れたように思われた。 9月1日の朝は澄み渡り、リンゴのような金色をしていた。 一家は混雑した道路を渡り、巨大な、煤だらけの駅へ向かっていた。 車の排気ガスや人々の呼吸が、クモの巣のように冷たい空気に浮かび上がった。


両親は大きなトランクを積んだカートを2つ押していた。 横にぶら下げられたケージの中で、フクロウが腹立たしげに鳴いた。


赤毛の少女が父親の腕を掴み、涙を浮かべながら兄弟の後をついて歩いていた。




「そんなに長い間じゃないよ、すぐに行けるさ」 ハリーが彼女に言った。
「2年だもん」 リリーが鼻をすすった。 「あたし、いま行きたいんだもん!」




一家が9番線と10番線の間の柵に向かって歩く間、 通勤客たちはフクロウを興味深そうに見つめていた。
周囲の喧騒を突き抜けて、アルバスの声がハリーに聞こえた。 彼の息子たちは、車の中でもしていた議論を再び始めたようだ。


「やだ!ぼくはスリザリンはイヤだ!!」
「ジェームズ、いい加減にしなさい!」ジニーが言った。


「オレはただスリザリンになるかもって言っただけだよ」 ジェームズがにやにや笑いながら弟を見た。
「なんも悪いことないだろ。アルバスはもしかしたらスリザ―」


しかしジェームズは母親の視線を受けて、黙った。 ポッター家の5人は柵に近寄った。
肩越しに生意気そうな視線をわずかに弟に投げかけると、ジェームズは母親から カートを受け取り、柵にむけて走りだした。 一瞬の後に、彼の姿は消えた。


「お手紙くれるよね?」兄がとりあえず居なくなったので、すぐにアルバスは両親に訊ねた。
「あなたが欲しいなら毎日でもね」ジニーが言った。
「毎日じゃなくてもいいよ」アルバスがすぐに返した。 「ほとんどの人はだいたい月に1回くらいだってジェームズが言ってたよ」
「私たち、去年は週に3回くらいジェームズに手紙を送ってたわよ」ジニーが言った。
「ジェームズがホグワーツについて喋ることをなんでも鵜呑みしちゃいけない」 ハリーが会話に入った。「おまえの兄さんは、からかうのが好きなんだから」


横に並んで、彼らは2つ目のカートを押しながらすこし速度を速めた。 柵まで着いたときアルバスはたじろいだが、衝突はしなかった。
一家は9と3/4線のプラットホームに出た。 ホームはホグワーツ特急が吐き出す白く、分厚い煙で覆われている。 ジェームズが既に消えていった霧の中で、ぼんやりとした人影が動いている。


「みんなはどこにいるの?」プラットホームを進みながら、 ぼんやりとした影を通り過ぎるたびにアルバスが心配そうに目を凝らして言った。
「すぐ見つかるわよ」ジニーが励ますように言った。


しかし蒸気は濃く、顔を見分けるのは困難だった。 主から放たれた声は不自然なほど大きく響いている。 ハリーはパーシーが箒の規制について議論しているのが聞こえた気がした。 わざわざ声をかける必要もないだろう。ハリーは少し安心した。


「アル、みんながいたわよ」ジニーが突然言った。


最後尾車両の傍に立っている4人組の姿が霧の向こうから浮かび上がった。 ハリーとジニー、リリー、アルバスが彼らに近寄ると、ようやく顔が判別できた。


「やあ」アルバスが安心したように言った。
既に真新しいホグワーツのローブを着ているローズがアルバスににっこりと微笑んだ。


「うまいこと駐車できてただろ?」ロンがハリーに言った。 「俺がやったんだぜ。ハーマイオニーは俺がマグルの自動車免許をパスしたことがいまだに 信じられないみたいだけどな。俺が試験管を『錯乱』させたんじゃないかって疑ってるんだ」
「そんなこと無いわ」ハーマイオニーが言った。「私はあなたをきちんと信用してます」


「ま、実際問題、『錯乱』させたんだけどな」2人でアルバスのトランクとフクロウを 汽車に乗せながら、ロンがハリーに言った。「サイドミラーを見忘れたんだ」


プラットホームに戻ると、リリーと、ローズの弟のユゴーが、楽しそうに自分たちがホグワーツに入学したら どの寮に入りたいかという話をしていた。


「グリフィンドールじゃなかったら勘当だぞ」ロンが言った。「しかしまあ、心配するな」
「ロン!」
リリーとユゴーは笑ったが、アルバスとローズは表情を硬くした。


「本気で言ってるわけじゃないのよ」ジニーとハーマイオニーが言ったが、ロンはもう気に していないようだった。ハリーの視線を受けて、50ヤードほど向こうを見て頷いた。 瞬間、蒸気が薄らぎ、霧の中に3人の姿がくっきりと浮かび上がった。


「見ろよ」
重そうなコートを首元まで閉じて、妻と息子と一緒にドラコ・マルフォイが立っていた。 彼の髪はいくぶん後退していて、顎を際立たせていた。 彼の息子は、アルバスがハリーに似ている以上にドラコに似ていた。 ハリー、ロン、ハーマイオニー、ジニーが彼を見ていることに気付くと、 ドラコは素っ気なく会釈をして再びそっぽを向いてしまった。


「てことはあれが息子のスコーピウスだな」ロンが小声で言った。 「いいか、ロージー、あいつには全部のテストで勝つんだぞ。お前はラッキーなことに 母さんの頭脳を受け継いだんだからな」
「ロン、やめて頂戴」ハーマイオニーが半分怒ったような、半分楽しんでいるように言った。 「まだ学校が始まってもいないのに、敵対させようとしないで!」
「ああ、そうだな、悪かった」とロンは言ったが、我慢できずに付け加えた。 「でも仲良くなりすぎちゃダメだぞ、ロージー。ウィーズリーのじいちゃんは、 お前が純血なんかと結婚したらぜったい許してくれないぞ」


「聞いてくれよ!」
ジェームズが再び現れた。彼はもうトランクとフクロウを降ろしてきたようで、 明らかにニュースに興奮していた。


「テディが向こうにいたんだ!」彼は息を切らせてそう言うと、 蒸気の雲が渦巻いている方を肩越しに指差した。 「ちょうど見たんだ!それで、何してたと思う?ビクトーレとチューしてた!!
彼は大人たちを見上げた。何の反応もないことにがっかりしている。
「オレたちのテディだよ!テディ・ルーピン!オレらのビクトーレとチューしてたんだ! オレたちのイトコと!だからオレが何やってんだって言ったら―」
「あなた、邪魔したの?」ジニーが言った。「ロンにそっくりだわ―」
「―ビクトーレを見送りにきただけだっていうんだ!それでオレにどっか行けって言うんだ。 あいつビクトーレにチューしてた!」自分でも分かっていないかのようにジェームズが付け加えた。


「ねえ、2人が結婚したらステキだね」リリーがうっとりと言った。 「そしたらテディはほんとにあたしたちの家族になるんだよ!」
「今でも週に4回は夕食に来るんだ」ハリーが言った。 「テディを招いて一緒に住もうって言ってみようか?」


「サイコー!」ジェームズが興奮して言った。「オレ、アルと一緒の部屋でいいよ、 それでテディがオレの部屋を使えばいいんだ!」
「それはダメだ」ハリーが断固として言った。「アルとお前と一緒の部屋にするのは、 父さんが家をぶち壊したくなってからだ」


ハリーは使い古された腕時計を見た。
「そろそろ11時だ。もう汽車に乗ったほうがいい」


「ネビルによろしく言っておいてね!」ジェームズを抱きしめながらジニーが言った。
「ママ!先生によろしくなんて言えるわけないだろ!」
「でもネビルのこと知ってるでしょう―」
ジェームズは目を回した。
「学校の外ではね。でも学校ではロングボトム教授だよ。違う? 薬草学の授業で先生によろしくだなんて言えないよ―」
ジェームズは母親の愚かさに頭を振り、アルバスを蹴るフリをした。


「じゃあな、アル。セストラルに気をつけろよ」
「でも見えないんだろ?見えないって言ってたじゃないか!」
しかしジェームズはお別れのキスを母親として、父親とハグをしたあと、素早く満員の 汽車に乗り込んでしまった。彼は手を振り、友達のいる車両へと駆けて行った。
「セストラルは心配しなくても大丈夫だ」ハリーはアルバスに言った。「彼らはとても優しいんだ、 何も怖がる必要なんてないさ。どっちにしても、アルはボートで城に行くんだから馬車には乗らないぞ?」


ジニーがアルバスにお別れのキスをした。
「じゃあね、クリスマスにね」
「じゃあな、アル」ハリーは息子を抱きしめて言った。「来週の金曜日、ハグリッドがお茶に招待して くれてるのを忘れるなよ。ピーブズには構うな。決闘の仕方を勉強するまで誰ともするな。 ジェームズにやられっぱなしになるなよ」
「僕がスリザリンだったらどうする?」
アルバスは父親にだけそっと囁いた。出発の直前になって、彼がどれほど恐がっていたかが表に出たのだ、 とハリーは気付いた。
ハリーはアルバスを抱えあげたので、アルバスの顔はハリーの少し上になった。 ハリーの3人の子供たちの中で唯一、アルバスだけがリリーの瞳を受け継いでいた。


「アルバス・セブルス」ハリーは静かに言ったので、ジニー以外には聞こえなかった。 彼女は気を利かせてもう汽車に乗ったロージーに手を振るフリをした。 「お前の名前は、2人のホグワーツの校長にちなんでいるんだ。そのうちのひとりはスリザリンで、 彼は間違いなく父さんが知ってる中で一番勇敢だった人だ」
「でも―」
「―つまりスリザリンには素晴らしい生徒が集められるってことだろう?父さんたちは気にしないよ、アル。 それでもアルが気にするって言うなら、スリザリンじゃなくてグリフィンドールを選べばいい。 組み分け帽子はお願いを聞いてくれるから」
「ほんと?」
「父さんがそうだったよ」


ハリーは今まで子供たちにその事を言ったことはなかった。アルバスの瞳に不思議そうな色が浮かんだ。 真紅の車体のドアが振動を始め、ぼんやりとした輪郭の親たちが最後のお別れにキスをしているのが見えた。 アルバスは汽車に飛び乗り、ジニーが扉を閉めた。
生徒たちは一番近い窓から身を乗り出している。汽車に乗っている生徒たちも、 ホームの親たちも、全員がハリーを見ているように思われた。


「なんでみんな見てるの?」アルバスとローズが他の生徒たちを見回して、不思議そうに聞いた。
「気にするな」ロンが言った。「俺ってば超有名人だからな―」
アルバス、ローズ、リリー、ユゴーが笑った。汽車が動き始めた。 ハリーはそれに沿って歩き、既に興奮した表情の息子のやせた顔を見ていた。 ハリーは笑顔のまま、まるで今生の別れのようにずっと手を振って、遠ざかっていく息子を見ている。


最後の蒸気が秋の空気に霧散していった。汽車はカーブを曲がっていった。 ハリーの手はまだお別れの形のまま上げられている。
「大丈夫よ」ジニーが囁いた。
ジニーを見て、ハリーはぼんやりと手を下げた。そのまま額に運び、稲妻型の傷に触れた。
「ああ、大丈夫さ」
傷はこの19年間、一度も痛んだことはない。全てが順調だった。





  



















































































































AFTER READING : MY SENTIMENT


というわけで、HarryPotter and the DeathlyHallowsでした。
ひとことで言えば。




親世代全滅。




ローリングさんが「2人死ぬ」と言っていたので、
マッド・アイとセブルスで2人かな?と思っていたので、
まさかリーマスまで持っていかれるとは思いませんでした。
カンバック!








・ハリー
本当に成長したねえ、としか言えません。
ちゃんと自分の意見を言えて、間違ったときには謝って。
子供が読む物語としてはハリーの勝利以外はないんでしょうが、勝ってよかったです。
それにしても19年後。 ジェームズ(息子)はジェームズ(父)にそっくりですね!
ハリーのマントはジェームズ(息子)にあげたのかなあ。
「アルバス・セブルス」のシーンはめっちゃ感動。
セブとしては、セブルス・ポッターなんて名前はあんまり嬉しくないかもしれないけど。
というかハリーは何の仕事をしてるんだろうね?闇払い?




・ロン&ハー
オアシス。ロンが居ないと、雰囲気が殺伐としすぎてつまらんです。
ずっとハリーの友達でいてくれてありがとう!
なんだかんだ言っても最初っからずっとラブラブだったもんね!
19年後。
ローズ(Rose)はきっとロン(Ron)から取ったんだよね。
で、ユゴー(Hugo)はハー(Hermione)からかな。
母はシェイクスピアで、息子はヴィクトル・ユゴーだなんて、文豪親子ですね。
ローズがアルバスと同い年で、ユゴーがリリーと同い年なのかな?
ホグワーツでわいわい騒いで欲しいです。




・ネビル
ハリー以上に成長したね!
巻を追うごとに勇敢になっていったけど、まさかナギニを討つまで成長するとは。
ネビルだって7の月が死ぬときに産まれた子だもんね。
彼を無視したことも「計画の欠陥」のひとつだったのかな。
19年後。
プロフェッサー・ロングボトム!
薬草学!すごい!これでルナと結婚してたりしたらもう言うことない!





・ウィーズリー兄弟
まず、ビル。
7巻ではあまりにスマートな物腰が多くてステキでした。
フラーとお幸せに。
そしてわたし、たぶんビクトーレ(Victoire)はビルフラの娘だと思ってる。
ハリーは一人っ子だから、ジニーの兄弟の娘ってことは判明していて、
なおかつ名前のスペルが英語系じゃない、ということで。
それに19歳のテディとチューするくらいだし、
ハリーの息子たちよりちょっと年上なのかな?って感じなので、
ビルフラの娘だとしたらとってもしっくりくると思います。


チャーリー。
何気に一番好きなんですが出番が少なくて悲しいです。
「ホグワーツの戦い」あたりで殺されちゃってもおかしくなかったので生き残ってくれて安心。
結婚しないの?一生ドラゴン追い続けるの?


パーシー。
バカ!素直になれなくて結局7巻まで絶縁するとは思いませんでした。
もっと早く戻ってきてほしかった。
でも、その確執を完全に除くにはきっと大臣と戦う必要があったわけで。
そうしたら7巻まで引っ張ってもしょうがないのかも。
19年後。
ホームにいるのはお見送りですか?
駅員に就職したわけではないですよね?
そういえばペニーとはどうなったのよ?


双子。
まさかフレッドが死ぬとは思わなかった…
いや、でもまだ4巻も出てないころにそんな噂があった気がする。
ジョージはひとりでW.W.Wを続けるのでしょうか。
幸せになってねジョージ…!


ジニー。
巻を追うごとにステキになっていく彼女。
7巻では誘い受けのような雰囲気まで出して、モテ女王。
19年後。
リリー(母)のようにすてきなママになってるんだろうな。
もう、ハリーの理想の家庭だよね。
結婚式で、ハグリッドあたりがジム(父)とリリー(母)にそっくりだ、って言って泣いていればいい。
というか、19年後はハグリッド90歳近いんですけど、現役なんですか?




・ダンブルドア
すごかった。衝撃だった。
でもやっぱり彼も超人ではなくて、普通の人だった。
だからこそハリーはがっかりもしただろうし、安心もしたんだろう。
天国では家族と暮らせていることを祈ります。




・セブ
あたしは信じてたよ!!!!!!!!
セブはぜったいダンブルドア側だと信じてたよ!!!!!!!
33章は衝撃でした。
ルーピン夫妻死亡のショックで、最初は流してしまったんですが、
感想打ちながら読み返すともうすごいこと!!
だってセブ→リリだもんねオフィシャルで!
きっと5巻でハリーがうっかり見てしたまったペンシーブの記憶は、
パンツ事件が彼にとって消したい過去なのではなくて、
リリーへ「穢れた血」と言ってしまった自分が許せない過去なんじゃないかな、と思う。
いやパンツ事件も相当許せない過去だと思うけど。
パトローナスが雌ジカだったというのも泣けます。
向こうでゆっくりと休んでね…!ちゃんとリリーとも仲直りしてね…!




・シリウス、リーマス、ジム、リリー。
34章はどうしようかと思いました。
シリウスもリーマスも、あそこでハリーと一緒に歩いていくために死んでしまったのかな。
リーマスも、皆の中に戻れて幸せなのかもしれないし。
生きてる間はイヤなことが一杯あったけど、結婚もできたし、息子もできたし、
死んでからは親友たちと一緒になることができて、うん、充実してたと思う…
たしかに、死んでほしくはなかったけど、生き残ってほしかったけど、
彼の幸せを考えるなら、こういう結末もアリなのかもしれない。
テディがステキなひとになりますように!
ポッター夫婦は油断しすぎですね。杖ぐらい持っててよ…!
「バチルダの秘密」の1981年10月31日ヴォルサイドはある意味ショックでした。
というか、リリー雌ジカのパトローナスはいつからだったんだろう?
最初っから?だとしたら運命だね、ジェームズ!


それにしてもシリウスの部屋は最高でした。ありがとう。あんた最高だ。




・死喰い人たち
ベラさまはほんとうに最高の負け方をしてくれました。
ドーリッシュは弱すぎる、とだけ言っておきます。
マクネアがハグリッドにぶん投げられたので小気味良かった。
ルシウス。親世代の4歳上(親世代入学時5年生)というのが判明してよかったです。
しかし全巻を通して役立たずでした。
ナルシッサとドラコの方が頑張ってたよね!
ドラコの奥さんは誰なんだろう。やっぱ純血なのかな。
パンジーとかではなさそうです。パンジーだったらそうやってちゃんと書いてありそう。




・ヴォルデモート
彼がトム・リドルだったことを最後の最後でハリーが思い出させてくれた感じ。
二次創作ばっか読んでるとどうしても忘れてしまうので…
彼はどうにも、なんだ、ツメが甘いというか…
歳を取るにつれてうっかり度が上がっている気がします。
あの世で反省なさい!ということですかね。






拙い英語力で読解したので、たくさん間違いもあるとは思います。
どうかこっそりバカにする程度に留めておいていただけると嬉しいです。


殴り書きのメモと、自分が気になるとこだけ全文訳、というふざけた感想ですが
もし最後までお付き合い頂けたなら光栄です。


ハリーと、あなたに、おつかれさまでした。そしてありがとう。