ローリングさんがやってくれましたよ!!!!
ハリー・ポッター序章、オークションで落札された親世代の話です。
興奮が冷めやらないので勝手に訳文を載せてみます。
(意訳なので!多少の間違いはスルーしてくださると嬉しいな!)
出典:ポッターマニアさん
Harry Potter Wikiさん(英語!)
(あらすじ)
シリウスとジェームズがバイクで駆け回って、ノーヘルとスピード違反によりマグルの警察に追われていました。
捕まりかけたらなんか死喰い人っぽいのが箒に乗ってやってきました。
よっしゃラッキーとばかりにパトカーで死喰い人たちを撃ち落し、警官をビビらせて2人はトンズラするのでした。
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暗闇の中、速度を上げたオートバイは急な角度でカーブを曲がっていく。
オートバイを追跡していた2人の警官が思わず「おっと!」と声をあげてしまうほどの速度だった。
フィッシャー巡査部長はその大きな足でブレーキを踏みしめた。
恐らくオートバイの後部座席に乗っていた少年は投げ出され、タイヤの下敷きになってしまっただろうと思いながら。
しかしそうではなかった。少年たちはどちらも振り落とされずに、コーナーを曲がりきっていた。
オートバイはそのテールランプを赤く点滅させながら、狭い脇道へ入っていく。
「しめた!追い詰めたぞ!」 アンダーソン警官が言う。「あっちは行き止まりだ!」
ハンドルを切り、ギアを替える。
フィッシャーが追跡のためにその狭い道へ車を入れると、車のわき腹のペイントが半分ほどこそげてしまった。
ヘッドライトは獲物を照らし出している。15分の逃走劇の末に、とうとう追い詰めたのだ。
オートバイに乗っていた2人はいまやそびえ立つレンガの壁とパトカーとに挟まれていた。
パトカーはまるで、唸り、目をぎらつかせた肉食動物のように彼らに迫る。
車のドアと壁との隙間はほとんど無く、フィッシャーとアンダーソンはそこから脱出するのにひどく苦労した。
ほんの1インチほどの隙間を、まるでカニのように横歩きしていくことは彼らの沽券に関わる問題だった。
フィッシャーはその太鼓腹を壁に押し付けこすり付けながら悪漢どもに近付いていく。
彼が足を踏み出すとシャツのボタンは弾け飛び、ついには尻がサイドミラーに引っかかってしまった。
「バイクから降りるんだ!」フィッシャーは怒鳴った。
若者たちはニヤニヤ笑っていて、まるでヘッドライトの青い光に照らされているのを楽しんでいるようだった。
若者たちは指示通りに動いた。
フィッシャーはとうとうサイドミラーを引っこ抜き、彼らを睨みつけた。
10代後半だろうか。運転していたほうは長い黒髪で、その生意気な視線にフィッシャーは不愉快な気分を思い出した。
彼の娘の、ギター弾きだとかいう怠け者の恋人の視線にそっくりだったのだ。
もう一方の少年もまた黒髪だったがこちらは短髪で、しかもその髪はあちこちにピョンピョン跳ねていた。
彼は眼鏡をかけていて、にんまりと笑っている。
少年たちはどちらも大きな金色の鳥の飾りのついたTシャツを着ていた。
恐らく、耳の痛くなるような、メロディーもなにも無いようなそこらのロックバンドのものに違いない。
「ヘルメット無し!」フィッシャーは何も被っていない少年たちの頭を指差して叫んだ。
「それから制限速度を――…えー、かなりオーバーした!」
(実際、フィッシャーがまあオートバイの走行としては妥当だろうと思える速度を大幅に超えていたのだ)
「警察の停止命令にも応じない!」
「なんだ、おしゃべりするためだったら喜んで停まったのに」眼鏡の方が言う。
「僕らもちょうど今そうしようと――」
「ごたくは結構――お前たちは2人は面倒ごとばっかりしやがる!」アンダーソンが唸った。「名前!」
「名前だって?」運転していた長髪が言う。
「あー、わかった。そうだな……ウィルバフォース…バスシェバ…エルブンドーク――」
「へえ、なんて良い名前なんだい!男の子でも女の子でも通用するじゃないか!」眼鏡の方が言った。
「あ?なんだ俺たちの名前を聞いてたのか?」長髪が言い、アンダーソンは激怒した。
「それなら最初から言えっての!こっちはジェームズ・ポッター、俺はシリウス・ブラックだ!」
「これはあっという間にかなりの罰になるぞ、この小ざかしいガキども――」
しかしジェームズもシリウスも聞いてはいなかった。彼らは突然、猟犬のように警戒態勢に入ったのだ。
暗い小道の出口、パトカーの頭上を、フィッシャーとアンダーソンなど通り越して睨んでいる。
そしてまったく2人同時に、流れるような動作でズボンのバックポケットに手を入れた。
ドキリとした警官たちは、ぎらりと光る銃口が向けられることを覚悟した。
しかし一瞬のあと、彼らは特に何も持っていない――
「どうした腰抜けども?」アンダーソンがひやかした。
「まったく、とんだジョーカー2人組みだ。いいか、すぐに逮捕だ、罪状は――」
アンダーソンは罪状を口に出すことは出来なかった。
ジェームズとシリウスが何か不可解なことを叫ぶと、ヘッドライトがサッと動いた。
警官たちはくるっと向きを変え、後方へとよろめいた。
男が3人、浮いていた。本当に、上空を箒で浮いていたのだ。
そしてその瞬間、突然パトカーが後輪で立ち上がった。
フィッシャーの膝がすくみ、彼はどさりと地面に座り込んだ。
アンダーソンはフィッシャーの足につまずき、頭から倒れこむ。
ドシン――バーン――バリッ!
警官たちは箒に乗った男たちが車にぶつかり、ほんとど気付かれないままに地面に落ちた音を聞いた。
壊れた箒の破片たちが、ぱらぱらと地面に降り注ぐ。
オートバイは再びエンジンをふかしていた。
口を半開きにしながらも、フィッシャーは力を振り絞って2人の若者たちを振り返る。
「助かったよ!」エンジン音の間から、シリウスが言う。
「ひとつ借りが出来ちまったな!」
「いやぁまったく、良い出会いだったね!」ジェームズが言った。
「おっと忘れないでくれよ――エルブンドーク!これは男女両用さ!」
地面を揺るがすようなズシンという音が響き、フィッシャーとアンダーソンは恐怖で腕と腕を取り合った。
彼らのパトカーが地面にひっくり返るところだった。今度はオートバイが後輪で立ち上がる。
そして警官たちが目を疑うよりも早く、それは薄い空気の中へ発進したのだった。
ジェームズとシリウスは夜空へ飛び上がっていく。ちかちかと、テールランプがルビーのように輝いていた。
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とりあえず言いたいのはシリウス長髪だったの