『bonheur』
ボナムール:幸福、幸せ


「…しあわせ、がほしい?」
「うん」
「また難しい事言う奴だな」
「難しいか?」
「お前にとって幸せな誕生日ってなんだよ」
「あー…言うの照れくさいな」
「良いからとっとと言えっ!」
「あだだだだ首絞まる!すいません言います!」
「何なんだ」
「…えっと、イギリスにバースデーソング歌ってほしい。
それでケーキ食べて、お茶飲んで…
酒飲みながらのディナーもご一緒してくれたら嬉しいな」
「はあ!?」
「ああすいません調子乗りました!バースデーソングはいやですか」
「…そんなんでいいのか」
「…え」
「もうちょっと、あれが欲しいとかこれが欲しいとか、具体的なの、ないのか」
「いやー…征服欲はあれども物欲はないもんで」
「変態」
うるさいな。フランス兄さんは何でも持ってますしー。

「…そだな。俺、お前にあげれるような特別なもの、持ってないしな…」

「……あのねえ、お坊ちゃん。
さっきも言ったように俺の幸せな誕生日は、お前と一緒に過ごす事だよ。
お前がいてくれたらそれで良いし、すっごい幸せ。
それくらい、お前自身が特別って事、なーんで分からないかねえ?」
「…!」
「あんまし恥ずかしい事言わすなよなぁ」
「…おまえ、人のことからかってんじゃ…」
「からかってるように見えたか?」
「………」
「…うーむ、『素直なイギリスがほしい』って言った方が良かったかな。」
誕生日くらい、素直になって俺に尽くしてよ。
今日は存分に俺を甘やかして?」
「……うん」



「…フランス」
「あ?」
「…誕生日、おめでとう」
「ん、ありがとv」

extremite heureuse !