いつまでも隣同士でいたいと思う。それ以上近づかないで、けれど離れもしないでいたいと思う。たまにつかみ合いの喧嘩をしたりする、今の関係がとても好きだ。
 世界の終わりの日が来ても、きっと無邪気に一晩中愛してるだとか囁くことなど恥ずかしくてできない。そうだ。間違いなく好き合っているのに、それを「恥ずかしい」と思うようなこの関係がとても好きだ。
 けれど決してそんなことは言わない。この関係がとても好きだ。

 寒い冬の日にもお日さまは照る。暑い夏の日にも水は流れる。この目で見える狭いテリトリーの中でそれは当然のことだ。広い世界にはそうでない地域も当然ある、けれどもこの両手が届く範囲では暮れない日もなければ明けない夜もない。
 同じように、せめてこの身ひとつでどうにかなる狭い範囲の中でだけでも、一緒にいることが普通のことであればいいと思う。

 ちょっと気に食わないことがあったとか、相手に全く非のないことで言い合いになったりするだろう。むしゃくしゃした時にはちょっとした小突き合いから殴り合いになったりもするだろう。それでも、ほとぼりが冷めてまず最初に考えるのが「どうやって仲直りするか?」ということであればいい、それでいい。
 お前の作るさして美味くもない料理を食べ、難解なばかりで中身のない俺の言葉を子守唄にしよう。
 互いの家に泊まった日には、どちらが洗い物をするかで口論したりしよう。暑い夏には涼を求めて博物館をそぞろ歩き、お前の痛い過去をからかったりしよう。寒い冬には古い暖炉に火を入れて、暖房効率の悪さにありったけの文句を吐きながら一つの毛布を取り合おう。
 先の見えない、けれど限られているということだけはわかる、この生命をだらだら費やそう。

 わがまま同士で喧嘩ばかり、それでも絶縁という言葉を知らない俺たちは、きっと友人たちにとっては不可解な関係なのだろう。いや、もしかすると、とんでもなく迷惑な存在と言った方がいいかもしれない。
 それでいい。理解なんてされてたまるか。
 どんなに皆に呆れられても、普通じゃないと言われても、お前といるのが一番好きなんだ。

Present from*接さま

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