奇跡にも近い、神田の作った美味しいカレーを食べた百目鬼は、すこぶる気分がよかった。
これからも、こんな食事が出来れば、と思っていた。
気分がいいと物事が早く進むもので、食器洗いはあっという間に終わってしまっていた。
「風呂にするか。」
「うん、そうしよ。ここんとこ一緒に入れなかったもんね。」
二人して、脱衣所に行った。
百目鬼は手早く自分の服を脱ぎ去った。
神田は両手を挙げて待っている。
「早く脱がせて。」
そう、‘今日のお当番ちゃん’は百目鬼である。
百目鬼は神田のトレーナーを脱がせた。
次に腰のホックを外し、ファスナーを下げ、スカートを下ろす。
「後ろ向いて。」
「はぁ〜い。」
背中のホックを外し、ブラジャーの紐をそっと肩から下ろした。
イチゴ模様のショーツを脱がせると、
「んふ、いこ。」
裸んぼの二人は手をつないでバスルームに入っていった。
一通りシャワーで体を濡らすと、百目鬼はスポンジを手に取り、ボディシャンプーを泡立てた。
「じっとしてろ。」
「はぁい。」
百目鬼は神田の後ろに立った。
まず、首筋からスポンジがやさしく神田の肌を撫でていく。
「フフ、くすぐったぁい。」
肩から腕、手、スポンジだけではなく、百目鬼の手も使い、指先も丁寧に泡立てていく。
背中をゆっくり洗うと、神田の前に回り込み、しゃがんだ。
そして、胸のふくらみに沿ってそっとスポンジを這わせると、脇、お腹まで泡立てた。
神田の胸はお世辞にも大きいほうではない。
百目鬼の大きな手は、スッポリと包み隠していた。
やさしく、百目鬼の手が円を描く。
小さな乳首も軽くつまんでみる。
「・・・はぅ・・・。」
思わず声が出た。
「・・・魁ちゃん・・・。葵・・・。」
神田は潤んだ目で百目鬼を見つめていた。
百目鬼は微笑むと、
「次は右足。俺の肩を持ってろよ。」
そう言うと、神田の右足をゆっくりと持ち上げた。
足先からふくらはぎ、太ももをそっと洗い上げる。
「今度はこっち。」
そういうと、右足を下ろし、左足を持ち上げた。
同じように足先から洗っていった。
軽くスポンジを当てると、その後は百目鬼の手に泡をたっぷりと乗せ、
ゆっくりと丁寧に、太ももまで撫でていく。
しかし、その手は太ももで止まらずに、もっと奥まで進んでいく。
クチュ、と音を立てて百目鬼の指が動いていった。
「あぁ・・・っん・・・。」
神田は両手を百目鬼の肩に置いた。
百目鬼の左手は神田の泡で滑りやすくなっている胸を揉んでいた。
神田の顔がだんだん赤みを増していった。
「・・・魁・・・ちゃん・・・。あ・・おい・・・、も・・・たってら・・・な・・・。」
百目鬼の右手の指の滑りがいいのは泡のせいだけではないようだった。
「あぁ!・・・っんん・・・。」
神田の中に太い指が入っていった。
ゆっくりと、百目鬼の指は神田の中をかき混ぜていった。
「・・・だ・・・め・・・。」
「駄目か?しかし、こっちは駄目じゃなさそうだぞ。」
少し意地悪く、指を一層早く動かした。
「あっ、あぅ・・・かい・・・ちゃ・・・・・・のが・・・いい。」
百目鬼自身も大きく反り返っていた。
「そうか、じゃあここで、いいか?」
神田から指をそっと抜くと、神田は小さく「うん。」といいうなずいた。
百目鬼が神田の両脇を抱え上げ、自分の上に座らせようとしたその時、
「お、お、おうえんだーん!」
と、遠くから応援団要請の声が聞こえてきた。
「えー、今ぁ!?」
神田が不満の声を上げる。
「うむ、応援要請だ、仕方ないな。」
二人は急いで泡をシャワーで流し、百目鬼は学ランを、神田はチア服を着た。
神田は拗ねているのか、終始黙ったままだった。
「そんな顔するな。」
そう言うと、神田のおでこにそっとキスをした。
「・・・うん、わかった、魁ちゃん。」
ニコッと笑うと百目鬼に帽子を渡し、二人で家を出た。
「よし!」
と二人で言うと、応援要請のあったところへワープされていった。
結局、今回の応援は百目鬼が担当することになった。
「今日の団長、なんか迫力が違うくね?」
「ええ、僕もそう思います、一本木さん。」
一本木と田中が百目鬼の演舞を食い入るように見ている。
「葵、団長何かあったの?」
沙耶花の問いに「さあね。」とはぐらかす神田だった。
「ふぅーん、さあね、なの?葵。」
アンナが全て知っているかのような顔で神田に言う。
「しーらなぁい。」
プイッと横を向いた神田の顔は赤くなっていたが、月明かりだけでは誰にもわからなかった。
実際、百目鬼の応援はSランクオール300クリアくらい、すばらしいものだった。
燃え滾った百目鬼の体を沈めるには、激しく応援するしかなかったのだった。
とびっきりのカレーの続きの話です。
やっぱりラブラブの二人です。
あんまり仲がいいので、作者の機嫌を損ねたみたいで、最後まではさせませんでした!(ウソ)
きっと、この後、魁さんのアパートで激しく燃えてるはずです!