「文章依存症自己探求異常者」

 

正常さを失った精神 狂気に満ちた自我

きっとたぶん それが俺

文章依存症自己探求異常者

 

俺は俺の本心を知らない

俺は僕の本心を知らない

埋没した僕に 問いかける俺の声

 

俺は俺を探している

俺は僕を探している

自己を探求し続ける俺の異常さ

 

文章依存症自己探求異常者

パニックに陥る俺

叫ぶ 叫ぶ 叫ぶ ………たぶん永遠に

でも何を叫んでいたのか

憶えていないんだ

狂ってしまった俺だから

文章依存症自己探求異常者

 

狂った時

叫んで何処かへ消える俺

書いて何処かへ埋まる僕

 

正常に戻った時

俺は俺の叫びを憶えていない

俺は僕の文章を理解出来ない

 

文章依存症心的無言性障害者の僕は

一体何を伝えたかった?

隠れた本音 本人でも解読不可能のSOSの暗号文

「助けて」が隠れてる

「助けて」の理由が見付からない

隠れた本音 永遠と続くだろう『かくれんぼ』

俺は俺を探す

何処かにあるはずの 俺のまともな精神を

探す

たぶん 永遠に

自分の本心を探り続けるだろう

 

俺の頭に浮かぶ謎の映像 僕が俺に見せる謎の幻影

錆びた鎖や 飛び散った羽根

青い闇も 赤い閃光も

降り続ける 哀しい白 雪も…

唐突に湧いて来る何らかのメッセージ

脈絡無く受信される白昼夢の映像

自分でもわけが解からない でも それでもそれは絶え間無く

何時まで続くのだろう と言う疑問に 答えはやって来ない

どうか俺に答えをくれよ

文章依存症心的無言性障害者の僕よ

文章依存症自己探求異常者の俺に どうか

唯一無二の答えを…

 

正常さを失った精神が狂気に満ちた自我の奥の

真実の自分自身を探し続ける

腹ん中で廻る言葉の渦 一つ一つ捕まえて

吐き気を伴う 自我の探求

言葉を一つ捕まえる度に内蔵をえぐる

下手をすれば 突き破る腹壁 撒き散らす内蔵

自分の腹を誰かに探ってもらう事もある

ごめんね 気持ち悪いよな

本当に感謝するよ ありがとう

本当に…愛しい人…

何だか誤解を受けそうだけど

恋愛感情ってわけじゃないさ

俺は俺の本心を知らないから

まだ解からないんだ

そう…そんな事は解からない…ただ愛しいってだけなんだから

俺は俺の本心を探す

俺なりの判断基準や思想を固定する

そのための 永遠の探求

愛しい人を 見つけるための

永久に続く探求

でも さ

愛しい人を 探す前に まずは自分を 見付けないと

物事には順序ってモンがある

俺は俺を探し 僕から答えを求めるだろう

たぶん 永遠に

そして 愛しい人を見付ける所まで行かないだろう

それで 良い

虚しさを隠すための必死の抵抗だから

探す事も

書く事も

現実から逃げるための    必死の…

 

自我の探求

俺と僕が混在し共存し 存在する精神

俺は探す 僕を探す

たぶん 永遠に

確定じゃないけれど 確信にも似た予感がする

不安なんだ あの人が愛しいのかどうかそれじゃあ解からないから

どうか 教えてくれ もう一人の俺

文章依存症心的無言性障害者の僕よ

文章依存症自己探求異常者の俺に どうか

永遠を終わらせる鍵を…

 

お願いだ 誰か 助けて

何で助けて欲しいのか

俺の文章から読み取ってくれ

俺は僕を理解出来ないままでいる

誰かが理解してはくれないかと思い 書いているもう一人の俺の

唯一の願いと存在理由に答えをあげてくれ

「助けて」と叫んでいる『僕』の理由を見付けて答えてくれ

文章依存症自己探求異常者からもお願いするよ

頼むから

俺達を…僕達を…助けて…

今も探す

文章依存症自己探求異常者な俺

書き続ける僕を理解するために

試行錯誤に俺も書く

 

思えば昔

誰かのために書き始めて

思えば今

自分のために書いている

書いて 探して 永遠に狂ったままの俺

止められぬ狂気が進行する

止められるモノなら止めたい

 

書く事が鎖となって俺を戒めた

俺を世界に繋ぎ止めてくれるモノ

一本の錆びた鎖 そろそろ創り直さなければいけないのかもしれない

足枷の様に付けた鎖を 首飾りの様にしなければならない

繋ぎ止められるんじゃなく 繋ぎ止めるために

自分自身を『何か』に捕まえられるんじゃなく

捕まえるために

 

文章依存症自己探求異常者

文章を媒体として自己の深層心理を探る

無理だと知りながらそれを行う

一種の異常者な俺

それでも 正常な俺が何処かに存在するんだと思う

だから苦しむ でもその苦しみが 正常な俺の存在が何処かに在る事を確かにするから

俺は探す

文章依存症自己探求異常者だから 小さな光の欠片だろうと

俺は探す

 

愚かな俺 非力な俺 弱虫な俺 腰抜けな俺

自虐的な俺 自愛的な俺 悲観的な俺 退廃的な俺

確かにそれらも俺

でも 何処かにもっと

希望を持った俺が

もっと

輝かしい何かを持った俺が

もっと

神秘的で本質的な愛が 何処かに…

そんな大切な何かを持っている俺が 何処かに…

 

文章依存症自己探求異常者

今のそれが俺

俺を創る幾つかの要素のうちの一つ

たぶん本当の『自分』じゃないけど

でも『俺』であり『僕』なんだ

『文章依存症』と言う共通点が俺と僕を繋いでいる

それがきっと鎖

鎖の付け替えを行う時期が来たんだ

 

そのための探求

俺を探せ

果てしない精神世界を駆け抜けろ

探せ! 追え!

幻影が…白昼夢が見せる メッセージの断片を

掴め! 捕らえて手に入れろ!

俺を創る要素を全て把握するんだ

そのための『探求』

それを行う精神の『異常』な部分

『愛しい者』を判断する基準を確立するんだ

『苦しみ』の感覚が叫ぶ真実を

一見不規則で抽象的な言葉の羅列から誰かが気付いてくれまいか と期待する

自分さえ理解し得ない『映像』を 読み解ける『誰か』を俺は愛そう

そのための痛みなら俺は耐える 『内蔵』を掻き回される感触に血反吐を吐きながらも

 

何故なら俺は『文章依存症自己探求異常者』

探求のために創られた一種の異常精神体 存在理由はただ一つ

 

ひたすら探せ 何処までも続く精神世界を 何時までも駆け抜けろ

――――――何処かで途絶える『永遠』を付き止めるんだ――――――

たとえ それが……――――