ブリューゲル・ギャラリー

Pieter Brueghel the Elder ピーテル・ブリューゲル

1525年頃の生まれ、1569年没。ネーデルランド(オランダ)の画家・版画家。名前に”the Elder”がついているのは、息子なども画家であったので区別するため。 農民の絵を多く描いたことから「百姓(農民)画家」と呼ばれる。ただし、当時の農民は無学な者とされていたが、彼自身はかなり教養のある人物であったと思われる。
(絵をクリックするとその絵が巨大化いたします。)


The Hunters in the Snow (雪中の狩人)
Kunsthistorisches Museum Wien
The Gloomy Day  (暗い日)
Kunsthistorisches Museum Wien


「雪中の狩人」「暗い日」「干し草の収穫」「穀物の収穫」「牛群の帰り」の5点の作品は連作月暦画といわれ、1年間の農民の様子を(おそらく2ヶ月単位で)6枚の絵で描いたものであろうと推測されています。(4月・5月分が現存していない模様)
それぞれ「雪中の狩人」が12・1月、「暗い日」が2・3月、「干し草の収穫」が6・7月、「穀物の収穫」が8・9月、「牛群の帰り」が10・11月とされています。 季節による風景の変化ととともに、それぞれの時期の農民の生活ぶりを知る貴重な資料にもなっています。

「雪中の狩人」は農閑期の農民が狩をしている様子を描いているものです。 また、この「雪中の狩人」はタルコフスキーの「惑星ソラリス」で使われています。(暇な方は「ようつべ」で "solaris by tarkovsky" で検索してみてくだい。)
The Hay Making  (干し草の収穫)
Narodni Galerie, Prague


The Harvesters  (穀物の収穫)
Metropolitan Museum of Art
The Return of the Herd (牛群の帰り)
Narodni Galerie, Prague



The Peasant Wedding  (農民の婚宴)
Kunsthistorisches Museum Wien
The peasant Dance  (農民の踊り)
Kunsthistorisches Museum Wien
この二枚の絵もやはり農民の生活を描いたものですが、製作時期やサイズなどの類似点から(これまた)連作ではないかと言われています。(上の5枚の連作とは別です)



The Tower of Babel (バベルの塔)
Kunsthistorisches Museum Wien
The "Little" Tower of Babel ("小"バベルの塔)
Museum Boymans-van Beuningen, Rotterdam
左は有名な絵ですが、この絵の塔の上部を見ると、足場が組まれており建設中であることが分かります。絵の左下には建設を命じたニムロデ王とその一団が視察に来ています。
右のバベルの塔は、絵のサイズが(左のものに比べて)小さいので、「"小"バベルの塔」となっていますが、左と比べると塔の方はほぼ完成に近づいています。



The Fall of the Rebel Angels (叛逆天使の墜落)
Musee des Beaux-Arts at Brussels
The Triumph of Death (死の勝利)
Museo del Prado, Madrid
「叛逆天使の墜落」という絵では、天使軍団と堕天使軍団が互角の戦いを繰り広げています。善悪が拮抗しているわけですね。片方がなければもう片方は存在できないのだから、しかたありませんね。「死の勝利」では、死が全てを奪い尽くしています。全ての生に死は訪れるのだから、これも仕方ありませんね。



美術のモグに戻ります
別館に行きます