ホロヴィッツ
Sergey Vasilievich Rachmaninov
Piano Concerto No.3(mov.1)
セルゲイ・ラフマニノフ
ピアノ協奏曲第3番(第1楽章)
ウラジミール・ホロヴィッツ(ピアノ)、フリッツライナー(指揮)RCA交響楽団(演奏)
ラフマニノフのピアノ協奏曲というとやはり2番が有名です。美しいメロディーに親しみやすいリズム、通俗名曲と化してますが、それだけ親しまれているということです。
一方、この3番はというと、曲としては、あまり親しめるものではないと思います。
そもそもが、アメリカ公演で自身のピアノの腕前を見せつけるために作ったような曲です。
自分のはなしをすると、2番はリヒテルの演奏でよく聴いていましたが、3番を聴いたのはFMエアチェックをしていた頃でした。
その演奏はラザール・ベルマンと言う「テクニック」の高さで有名なピアニストのものでした。
曲がはじまってしばらく、「いまいち、つまんないなあ。」と思いながら聴いていました。メロディーはぱっとしないし、リズムもいい感じではなく、音の強弱はもちろんあるのだけれど、なんとなく平板な印象でした。ただ、カデンツァの部分だけは別でした。物凄い迫力で聴いていて緊張するほどでした。「すげー」と思いましたが、そこだけでした。それでもカデンツァの凄さでかなり印象に残る曲ではありました。
その後、ホロヴィッツの演奏が有名だと知って、友人のところに麻雀死に行く途中に、ついでにこの演奏のレコードを買っていきました。
で、麻雀しながら、このレコードを勝手にかけたのですが、始まってちょっとして唖然としました。あの平板な曲とはまったく違う、起伏にとんだ曲が流れているのだ。
実は、それまでホロヴィッツの演奏というのは聴いたことがなくて、どんなんだろうなあと思っていたわけで、これを聴いて一気に「ホロヴィッツ恐るべし」になったのであります。
ただし、ホロヴィッツの演奏のカデンツァは、ベルマンのそれとは、まったく違うものでした。かなり軽い感じで、この部分は凄いという感じではなかったです。
あとで知ったのですが、この曲のカデンツァは2種類あって、ベルマンが弾いたものは, ossiaと呼ばれるもので、あの「シャイン」という映画ででてきたやつです。
出来れば、ホロヴィッツにもossiaを弾いて欲しかったですが。(それは贅沢と言うものだ)
DL
←こっちで聴いたほうがいいです。
(playing time=15'15")