悪魔の作成

 
 ここでは女神転生の真の主人公ともいえる「悪魔」について、その作成方法や背景世界ごとの扱いなどを解説します。
 これらは主にGMがNPCとしての悪魔を作成するときに使うルールですが、転生体や悪魔人の変身後の姿などを設定したり、そしてもちろん悪魔をPCとして使用するときにも関係してくることになります。
 
 
悪魔のCP総計
 
 悪魔の霊格レベルとCP総計の関係も、人間のそれと同じです。以下の表を見てください。
 
1レベル:0〜99CP
2レベル:100〜199
3レベル:200〜349
4レベル:350〜549
5レベル:550〜799
6レベル:800〜1199
7レベル:1200〜1799
8レベル:1800〜
 
 もっとも、人間の場合と同様、これには多少のズレがあってもいいでしょう。神格の高さと実力は必ずしも比例しないのです。
 
 
悪魔の持つ特徴
 
 まず前提としなくてはならないのは、すべての悪魔が持つ「共通性質」は存在しない、ということです。女神転生では従来的な意味での神や悪魔、妖精といったものから、神話や歴史上の英雄、噂話や都市伝説に登場するものたちまでが「悪魔」として扱われており、これらを一括りにするのはまず不可能です。
  そこで、ここでは(比較的)悪魔が持っていることが多い特徴を挙げ、それぞれについて説明を加えていきます。悪魔をデザインしようとする時の参考にしてください。
 
 
特殊な背景/悪魔(25CP):これは「特殊な背景/特殊的・超常的特徴を(現実に存在する人間・動物の種族テンプレートから外れて)取得できる」と「特殊な背景/魔界魔法の修得」を合わせたもので、その内容の重なる部分からCPが安くなっています。
 魔界魔法を使わない悪魔の場合は「特殊な背景/悪魔(魔界魔法修得不可)」となり、CPは15になります。
 逆に特殊的・超常的特徴を取得せず、魔界魔法のみを身に付ける場合(人間や現実に存在する動物にそっくりな悪魔がこれにあたります)は「特殊な背景/悪魔(魔界魔法のみ)」となり、20CPの特徴です。
 上記の能力の両方を取得しない場合、「特殊な背景/悪魔(特殊能力なし)」となり、0CPの演出効果として扱われます。これは人間(悪魔)に対してのみ有効なアイテムや攻撃手段などが効果を及ぼすかどうかの基準となります。
 
社会的重要性(地位と階級):その悪魔が人間社会に紛れて暮らしていたり、あるいは悪魔の存在が公然のものとなっている社会にいるのでない限り、これらの特徴を取得することはできません。もちろん霊格の高い悪魔は、その神話世界においては絶大な社会的影響力を振るうことができるでしょう。そうした世界を扱ったシナリオの場合、「霊格レベル」を「地位レベル(やその他の階級)」に置き換えてください。これにCPは必要ありません。
 
社会的弱者:悪魔の存在が認められていない社会では、多くの悪魔が「社会的弱者/怪物」として扱われるでしょう。現実に存在する動物のような姿をしているなら「価値ある財産」かもしれません。また、特定の神族・種族が特に敵視されたり、逆に崇拝されたりする社会も存在するでしょう。
 
財産/どん底:物質世界で生活しており、かつ社会的身分を持たない悪魔がこれに相当します。
 
無登録:この特徴を取得する条件は2つあります――ある社会の中で生活していること、かつその社会の成員として認められる風貌を持っていることです。人間に「変身」する能力を持った悪魔が人間社会で活動する場合などが相当するでしょう。
 この特徴の利点は、ある社会の中で、その構成員になりすまして活動することができるということです。つまり、いくらその社会に登録されていないからといって、猫や馬そっくりの悪魔がこの特徴を取ることはできないのです。
 
秘密/死:悪魔であることを隠して生活している場合に取得します。その悪魔の姿や社会的身分を持っているかどうかは関係ありません。その悪魔が悪魔であることを隠さなければならず、かつ秘密がばれると死に繋がるような環境に置かれているかどうかだけが重要です。
 
:種族としての悪魔には、大別して2つの敵が存在しています。ひとつは神族上の敵、もうひとつは悪魔を敵視する人々です。
 前者に関しては「特徴と技能」の項で説明しました。後者は対悪魔犯罪を担う警察の一部署や異教の悪魔を狙うメシア教徒など、背景世界によってさまざなバリエーションが相当します。「秘密」がばれると大抵はこの特徴に置き換わります。「秘密」と違うのは、どのような場所にいようと相手が追ってくるということです。
 
形態変更/変身:高い知性を持ち、人間社会との付き合いも古い悪魔の多くが、この特徴を持っています。獣系の悪魔のなかには、近い動物に変身できるものもいるでしょう。悪魔としての能力のどれを種族テンプレートに含めてもかまいませんが、変身しても「特殊な背景/悪魔」だけは消えることがありません。
 
恐怖:多くの悪魔が「人間に対してのみ(−30%)」の限定付きでこの特徴を持っています。「より低い霊格レベルの相手に対してのみ(さまざま)」もよく見られる限定でしょう。
 
憑依:実体を持たない悪魔のほとんどがこの特徴を持っています。また、実体を持たないかたちで召喚された悪魔が、実体化に必要なエネルギーを得るために取れる唯一の能動的な手段でもあります。
 
年をとらない:神格を持つと考えられるレベルの悪魔の多くがこの特徴を持っています。
 
無効化/病気:「年を取らない」と同様、神と呼べるレベルの悪魔はほとんど病気にかかりません。もっとも、神話の中には病死した神もわずかに存在しているのですが。
 
遠隔通信:神と呼べるクラスの悪魔の多くが、この特徴を「万能(+50%)」「範囲に影響」といった増強付きで持っています。人間を誘惑すると言われる悪魔には必須でしょう。
 
*マグネタイトに関する特徴:悪魔がこの世界にとどまるには、仮の肉体を構成するためのマグネタイトを必要とします。このこと自体は特徴とみなされません。ゲーム的にはむしろ、悪魔がマグネタイトを得ようとするときの手段とその頻度が問題になってきます。
 これは悪魔の性質によってさまざまです。無邪気な妖精のようなものなら、人を驚かせたり怖がらせたりして感情のパワーを引き出します。凶暴なものなら生物や悪魔を直接喰らうことでマグネタイトを得ようとするでしょう。現実に存在する動物とまったく同じものもいるかもしれません。こうした特性は行為に関する特徴(「執念/人を怖がらせる」「制御できない衝動」など)と消費に関する特徴(「食事制限」「消費が多い」など)によって表現されます。
 
 
 
「本来の」CP総計と召喚コスト
 
 「秘密」や「敵」、「社会的弱者」などといった社会的特徴は、その悪魔が主として現世(人間社会)で活動することを前提にしています。つまり、その都度召喚されて短時間だけ働くような悪魔は、これらの特徴を取得することはできないのです。
 このため、同じ悪魔でも人間社会で活動するものとそうでないものの間にはCP総計に差が生じてしまうことになります。悪魔をデザインする場合は、まず社会的特徴を除いたデータからCP総計を計算してください。これがその悪魔の(種としての)「本来の」CP総計であり、社会的特徴はあくまで個人としての設定に属するものとなります。
 
 悪魔を召喚するのに必要な「コスト」は、この「本来の」CP総計の25分の1(端数切り捨て、最低1)となります。各霊格レベルに属する悪魔について、そのコストが取り得る値を一覧にしてみましょう。
 
霊格:コスト
1レベル:コスト1〜3
2レベル:4〜7
3レベル:8〜13
4レベル:14〜21
5レベル:22〜31
6レベル:32〜47
7レベル:48〜71
8レベル:72〜
 
 もっとも、すべての悪魔について細部まで設定する必要はありません。シナリオに直接関係してくる能力(主に戦闘に関するものでしょう)のみをざっと決め、感覚的にコストを設定すればいいのです。
 その際、それぞれの霊格レベルにおいて基準となる強さを持った悪魔を作成しておくと便利でしょう。たとえば霊格3レベルにはCP総計200〜349までの悪魔が含まれますが、このレベルにおいて平均的と言える275CP前後で、まず悪魔(ここでは天使パワーとします)を作ってみるのです。この悪魔のコストは275÷25=11。ここまで決まれば、あとは他の悪魔について、「プリンシパリティはパワーより格下だからコストはコストは9点程度で」、「オルトロスは戦闘で役に立ちそうだから12点」といったふうに決めていけばいいのです。
 

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