◇デジタル悪魔召喚
 
名称:悪魔召喚プログラム(DDS)
複雑度:悪魔の霊格レベルと同じ
価格:複雑度の自乗×悪魔のコスト×1万
合法レベル:3−(複雑度/3)
解説:悪魔召喚の儀式を電子的手段で再構築し、さらに悪魔の一時的な肉体となる生体マグネタイトをマグネタイト・バッテリーから補うことにより、COMP単体での召喚を可能にしたプログラムです。悪魔はプログラムの起動が完了したターンの頭に召喚者に隣接するいずれかのヘクスに現れ、そのターンから行動を開始します。
 このプログラムの複雑度は、召喚しようとする悪魔の霊格レベルと同じです(正確には、DDSとは個々の悪魔の召喚データではなく、それを読み込むためのプログラムです)。同時に走らせるプログラムの数を計算する際には、悪魔ごとに別々のプログラムであるとして扱ってください。すでに召喚している悪魔はすべて「同時に走っている」ものとみなします。
 また、このプログラムには、契約に成功した悪魔の召喚データを自動的に構成する機能があります。交渉によらず召喚データを手に入れた場合、まずその悪魔を呼び出して契約を結ぶ必要があります。
 これらの召喚データをコピーすることはできません。別の記憶媒体に移すと、なぜかもとのデータは消えてしまいます。
 
 
名称:弐式悪魔召喚プログラム(DDS−U)
複雑度:悪魔の霊格レベル−1
価格:複雑度の自乗×悪魔のコスト×1万
合法レベル:3−(複雑度/3)
解説:特定の悪魔の召喚に特化して製作されたプログラムです。プログラムの複雑度より1レベル高い霊格の悪魔を呼び出すことができます。通常のDDSとの互換性はなく、交渉に成功した悪魔の召喚データを自動的に生成する機能もありません。
 このプログラムのうち、ケルベロスを呼び出せるものが特に「ケルベロス・エンハンサー」と呼ばれ、比較的多く出回っているようです。それ以外の製品が表の市場に出回ることはまずないでしょう。噂では2レベル高い霊格の悪魔を呼び出せる「DDS−V」なるプログラムが存在するといいますが、定かではありません。
 
 
◇デジタル悪魔アナライズ
 
名称:悪魔識別システム(DAS)
複雑度:2〜
価格:2万
合法レベル:3
解説:マグネタイト・センサーによって読み取った対象の生体マグネタイト構成を解析し、悪魔の能力を識別するプログラムです。「サイズ・速度/距離表」を用いた目標までの距離による修正と、マグネタイト・センサーの精度による修正を加えた<コンピュータ操作>で判定してください。成功度に応じた情報が得られます。下記「悪魔識別表」を参照してください。ただし、このプログラムを用いた識別の成功度は最大で「プログラムの複雑度×2」に制限されます。
 悪魔の霊格レベルがCOMPの処理速度と等しい場合、解析にかかる時間は1秒です。霊格が処理速度を1レベル超えるたびに、この時間は10倍になります。DMの判断によって、秒数が過ぎるたびに主要な情報から表示されていくようにしてもいいでしょう。霊格が処理速度未満の場合は一瞬とみなします。
 一度完全に解析した悪魔のデータはCOMP内に保存され、次回以降は一瞬で表示されるようになります。
 
*悪魔識別表
成功度0:悪魔の種族と霊格レベルが分かります。また、明らかな強みや弱点(火に強い・弱いなど)がある場合はそれも分かります。
成功度1:悪魔の名前が分かります。また、HPを10の位まで四捨五入した値で示します。
成功度2:主な攻撃方法の分類(魔界魔法、白兵攻撃……)が分かります。またHPを除く7つの能力値のうち、もっとも高いものと低いものが何であるかが分かります。
成功度3:悪魔の神族が分かります。また、主な特徴(その悪魔の性質をよく表すと思われるもの)が3つまで分かります。
成功度4〜5:HPを除く7つの能力値のうちもっとも高いものと低いものについて、それぞれ何点であるかわかります。
成功度6〜7:悪魔のすべての能力値が分かります。
成功度8〜9:悪魔の持つすべての特徴が分かります。
成功度10〜11:悪魔の全データが分かります。
成功度12〜:悪魔の「真の名」が分かります。以後、この悪魔との交渉に+4の修正を得られます。
 
 
名称:デビダス20XX
複雑度:3
価格:100万
合法レベル:3
解説:無数の悪魔の情報が収められたデータベースで、DASと併用することにより悪魔の識別に+2のボーナスを得られます。悪魔の特徴を手動入力することによっても使うことができます。
 
 
名称:パンデモニウム
複雑度:3〜
価格:100万
合法レベル:2
解説:無数の悪魔の情報が収められたデータベース……という触れ込みですが、なぜかデータ量は極端に少なくなっています。
 このプログラムを用いた場合、さまざまな条件にかかわらず識別に要する時間は1D秒で、目標値はかならず12+複雑度となります。このことから、これは一種の悪魔召喚プログラムであり、魔界の学者にその都度お伺いを立てているのだという噂ですが……?
 
 
◇対悪魔・会話支援
 
名称:悪魔会話システム(DCS)
複雑度:1
価格:5万
合法レベル:3
解説:古来より積み重ねられてきた悪魔交渉のノウハウが組み込まれた、一種の会話支援プログラムです。このプログラムを通して会話している限り、シンクロを受けることはありません。
 
 
名称:DCSマブダチくん
複雑度:2
価格:20万
合法レベル:3
解説:DCSのバリエーションで、悪魔に対しより友好的な反応を示すソフトです。悪魔との交渉時、反応判定や交渉に用いる技能判定に+2のボーナスを得られます。ただしシンクロを完全に防ぐ効果はなく、抵抗判定に+2のボーナスを得られるだけです。
 
 
名称:レディ・キラーズ
複雑度:2
価格:30万
合法レベル:2
解説:DCSのバリエーションで、女性型悪魔との会話を支援してくれます。豊富なウィットや艶笑譚、相手の気まぐれに対して見せる包容力のある言葉などが組み込まれているのでしょう。女性型悪魔との交渉の際、反応判定や交渉に用いる技能判定に+3のボーナスを得られます。<性的誘惑>を試みる際にのみ、このボーナスは+4になります。やはりシンクロを完全に防ぐ効果はなく、抵抗判定に+2のボーナスを得られるだけです。
 男性型悪魔との交渉に限定した「ファム・ファタール」なるプログラムも存在しますが、こちらはずっと希少です。「レディ・キラーズ」「ファム・ファタール」の両方とも、その名称に反して使用者の性別を限定することはありません。
 
 
◇対悪魔戦装備
 
名称:エネミー・ソナー
複雑度:1
価格:2万
合法レベル:4
解説:周囲の霊的状況をモニターし、異常があれば使用者に警告を発します。得られる情報は「場の霊格が上がった」「近くに強い力を持つ悪魔がいる」程度で、具体的なことは分かりません。このプログラムを走らせていた場合、不意打ちや隠れた生物・悪魔に気付くかどうかの判定に、常に「マグネタイト・センサーの精度+1」のボーナスを得ることができます。
 
 
名称:マイティクイット
複雑度:2
価格:100万
合法レベル:2
解説:悪魔召喚プログラムとは逆に、COMPによって現世に召喚されている悪魔一体を強制的に送還します。このプログラムを使用するには、対象となる悪魔について完全なデータを得て(成功度10以上でアナライズに成功しているか、他の手段によって得た情報をあらかじめ入力している)いなくてはなりません。かかる時間は、攻撃者のCOMPによってその悪魔を召喚するときとまったく同じです。
 判定には<コンピュータ操作>を使用し、「サイズ・速度/距離表」を用いた目標までの距離による修正と、目標とする悪魔の霊格をペナルティとした判定に成功すれば、目標を即座に魔界へと退去させることができます。目標は抵抗できません。
 特定の悪魔や種族・神族に特化したバージョンも存在するといいます(おそらく敵対者によって作成されたものでしょう)が、それらが市場に出回ることはまずありません。
 
 
名称:エレメンタル・ボルト
複雑度:2
価格:40万
合法レベル:2
解説:COMP内に蓄えられたマグネタイトに擬似的な属性を与え、エレメンタル・ボルト・モジュールから撃ち出します。付加させる属性ごとに、プログラムは別々のものとして扱います。
 これらの攻撃はエネルギー体として扱います――つまり、判定はすべて<特殊攻撃/エネルギー>で行います。ただしGUMPを使っている場合のみ、<銃器/ピストル>−2による判定が可能です。
 射撃武器としての基本的なデータは、ダメージ半減距離10、最大射程50、正確さ1、反動1、扱いやすさ−4で、ここにCOMPの形状による修正が加わります。HHCの場合は正確さが0になり、扱いやすさもさらに1点低下します。ATの場合は扱いやすさが2点増加し、−2になります。GUMPの場合、正確さが1点上昇します。
 以下は属性ごとに与えられたプログラムの通称と、その効果です。攻撃の霊格が必要な場合、レベルはコンピュータの処理速度と等しくなります。
 
バーニンガー:マグネタイト1点あたり1D+1の「焼き」ダメージ。
フローズナー:マグネタイト1点あたり1Dの「氷結」ダメージ。
エレキンガー:マグネタイト1点あたり1Dの「叩き」ダメージ。追加効果としてサージ効果+ダメージの貫通如何に関わらず、生命力−4(+命中箇所の防護点の半分)判定。これに失敗した場合、朦朧状態になる。毎ターン、同様のペナルティ(防護点のボーナスは加算されない)を受けた生命力判定で回復。
ホーリーライツ:マグネタイト1点あたり1D−2の「叩き」ダメージ。防護点無効。「邪悪な」悪魔に対してのみ有効。
ダークサイダー:マグネタイト1点あたり1D−2の「叩き」ダメージ。防護点無効。「神聖な」悪魔に対してのみ有効。
 
 
名称:エレメンタル・ブレード
複雑度:2
価格:40万
合法レベル:2
解説:COMP内に蓄えられたマグネタイトに擬似的な属性を与え、エレメンタル・ブレード・モジュールによってエネルギーの剣に成形します。付加させる属性ごとに、プログラムは別々のものとして扱います。
 この剣は白兵武器として扱い、攻撃範囲は1です。マグネタイトを2倍消費することで範囲は2になります。ダメージやプログラムの種類は上記「エレメンタル・ボルト」と同じですが、エレメンタル・ボルト1発ぶんのマグネタイトで1分間の使用が可能です。
 この武器は<格闘>で扱います。ただし、COMPの形状によって扱う技能を変えたり、判定に若干の修正が加えられたりしてもいいでしょう。この武器を受けたり止めたりすることはできません。
 
 
◇戦闘補助
 
名称:エマージェンシー・アラーム
複雑度:1
価格:2万
合法レベル:2
解説:このプログラムの使用には追加モジュール「メタボリズム・チェッカー」が必要になります。使用者の精神状態を監視し、異常が見られた場合、強烈な音と光によって使用者の覚醒を促します。これにより、さまざまな精神異常や朦朧、気絶といった状態に陥らないかどうかの、またはそうした状態から回復するための判定に+1のボーナスを得ることができます。
 戦闘用のプログラムであるため合法レベルは低いですが、軍関係者やATの使い手であれば、比較的簡単に手に入ります。
 
 
名称:キャプス・ロック
複雑度:1
価格:20万
合法レベル:2
解説:「スマートガン」システム(『ベーシック』p.268)を施した銃器とCOMPをつなぐことでヘッドアップ・ディスプレイに照準線や目標までの距離などを表示し、射撃をサポートします。この機能は残念ながらまだ試作段階で、銃器をスマートガンに改造するには通常の10倍(50万円)の費用がかかります。
 このプログラムを走らせていると、スマートガンとしてのさまざまな特典に加え、射撃(プログラム「エレメンタル・ボルト」も含む)の判定に+1のボーナスを得ることができます。複雑度2の高級型の場合、ボーナスは+2です。ヘッドアップ・ディスプレイを使っていなければ、このボーナスを得ることはできません。
 
 
◇情報収集・解析プログラム
 
名称:サイコメトリー
複雑度:3
価格:150万
合法レベル:3
解説:ある物体や空間に残った霊的な情報を解析することで、特徴の「サイコメトリー」と同じような情報を得ることができます。知力10と見なして判定してください。