神道

 
主技能:宗教儀礼/神道、神学/神道
副技能:呼吸法、瞑想、哲学/神道
背景技能:歴史(日本史)、文学(日本古典)、楽器演奏/雅楽器、美術/書道
推奨特徴:精霊共感(対象限定:「天津神」「国津神」の悪魔)*、聖職者、仲間(悪魔の)*、霊媒*、信仰による規律、汚れ恐怖症
 
流派技能:特殊攻撃/ビーム
 
呪術
レベルT:禊祓、振魂の修め、拍手祓い、初の座、遠当て、審神者、息長の法
レベルU:言霊祓い、霊縛、ひふみ祓詞
レベルV:中の座、苦手の法、雄詰
レベルW:奥の座、陰口の祓え、四方拝
レベルX:伊吹の祓え、天浮船、建御雷、布留部祓い
レベルY:十言神咒、神風
 
 
特殊ルール
・神道とケガレ:伝統的な神道では、死体や血液、病気、出産や葬送の儀礼などを「ケガレ」として、それらに触れることを非常に嫌います。
 「神道」には、人や土地などからケガレを除去するための呪術が8つ(《禊祓》《拍手祓い》、《言霊祓い》、《ひふみ祓詞》、《陰口の祓え》、《四方拝》、《伊吹の祓え》、《布留部祓い》)含まれています(これを便宜上、「祓系呪術」と呼びます)。神道の神官が何らかのケガレ(この場合、自分の血液なども含みます。つまり、刃のついた武器でダメージを受けると、自動的に「ケガレ」てしまうことになるのです)に触れると、これら「祓系呪術」の技能レベルが一時的に−4されてしまいます。この状態から脱するには《禊祓》を使用してください。この時の判定にペナルティは課されません。
 神道が何を「ケガレ」と見なすかは非常に難しい問題なので、細かい議論は避け、ここでは上に挙げたような、生物の生理に関するものだけを指すとします。
 
 
◇技能

 
特殊攻撃/ビーム(敏捷/易):呪術《遠当て》および《建御雷》を対象に命中させるための技能です。名称が気に入らなければ<特殊攻撃/神道>としてください。
 
 
◇呪術

 
禊祓 通常
 祝詞(のりと)をあげ、流れる水に身体を浸すなどして心身の潔斎を保ちます。
 《禊祓(みそぎはらえ)》の効果が持続している間、この呪術の対象者は「祓系呪術(「特殊ルール:神道とケガレ参照」)」のレベルに+1の修正を得ることができます。1週間以上、毎朝1時間ずつ禊すれば、修正は+2になります。
 この呪術の効果は、翌日の日の出、あるいは何らかのケガレに触れるまで続きます。そのあいだ、屍鬼や幽鬼などの不浄な存在は、《禊祓》の対象者に対して「嫌悪(『ベーシック』p.129)」を抱きます。行為者を超える「霊格」レベルを持つ悪魔には効果がありません。
 この呪術には桶二杯以上の清潔な水が必要です。略式には一掬いの水または一掴みの塩と2秒の時間があればじゅうぶんですが、この場合は上記の効果を得ることはできません。ケガレを祓うことだけが可能です。
持続:説明参照 消費:1 集中:1時間または2秒
 
振魂の修め 特殊
 特殊な呼吸法と動作により、大地の気を体内に汲み上げる修法です。特に修験の影響を受けた神道諸派に多く見られる技法で、その形態も流派によって様々なものがあります。
 屋外で1分かけてこれをおこなうことで、呪術によるものを含む自らの疲労を、神道の「修得段階」と同じ数のサイコロを振った点数だけ回復することができます(クリティカルなら2倍)。まったく疲労していない状態でこの呪術を使うと、生命力が「技能レベル×修得段階」分間、+1されたものとして扱います。
 山奥や深い森などといった(神道の考える)聖なる空間でこの呪術を使うと、上記の効果は2倍になります。逆に、都会や屋内、汚れた空間では<振魂の修め(ふりたまのおさめ)>を使うことはできません。
 この試みは1日(次の日の出を迎えるまで)に一回しか行なうことができません。また、術者にしか効果がありません。
持続:永久 消費:なし 集中:1分
 
拍手祓い 特殊
 両手で拍手を打ち、その音によって邪気を祓います。
 術者を中心とした半径「呪術判定の成功度×修得段階」メートルの円内にいる、術者の「霊格」以下のレベルの屍鬼や幽鬼すべてに対し、消費エネルギー1点につき1Dのダメージを与え、さらに《拍手祓い(かしわでばらい)》の成功度をペナルティとした恐怖判定を行なわせることができます。悪魔は抵抗できません。これによって追い払われた悪魔は、その後24時間は術者やこの呪術の効果範囲となった場所に近づくことができません。
 この呪術の修得者が、<弓>に関する「武器の達人」または「銃の達人」を1レベルでも有していれば、弓弦を弾く音をもって邪気を祓う「鳴弦法(めいげんほう)」を行うことができます。判定方法や消費エネルギーなどは《拍手祓い》と同じですが、効果範囲は2倍になります。
持続:一瞬 消費:1〜2 集中:3秒 前提:《禊祓》
 
初の座 通常
 この呪術は生命力が基準となります。
 手を患部にかざすことで出血を止め、対象のヒットポイントを消費エネルギーと同じ点数だけ回復させます。術者は対象に触れられる位置にいなければなりません。
 《初の座(はつのざ)》は、負傷の原因となった戦闘や事故など一回につきそれぞれ一回しかおこなうことはできません。
持続:永久 消費:1〜3 準備:2秒
 
遠当て 射撃/意志力で抵抗
 念を込め気合いとともに掌を突き出すことで、練り上げた氣の弾を敵に当てる術です。対象が術者に気付いていなければ、この呪術は効果を発揮しません。
 《遠当て》のダメージは消費エネルギー1点ごとに1D−1で、抜撃13、正確+1、半致傷25、最大射程50です。この不可視の攻撃に対して能動防御を行なうには、この呪術の存在を知っているか、「危険察知」の判定に成功しなければなりません。その場合でも「よけ」のみが可能です。この呪術に対しては、通常の物理的な防護点はまったく機能しません。超能力や魔法によるもの、生来の防護点のみが有効です。
 目標は、術者の呪術判定の成功度をペナルティとした抵抗判定を知力で行なうことができます。抵抗に成功すれば、この呪術のダメージは半分になります。この呪術は、機械のような精神を持たない相手にはまったく効果をおよぼしません。
消費:1〜3 準備:エネルギー1点につき1秒
 
審神者 通常/知力で抵抗
 審神者(さにわ)とはもともと神の言葉を伝えるシャーマン、あるいはその聞き手を指す語ですが、ここではシンクロの危険性を避けながら悪魔との会話を可能にする技術をあらわすものとします。呪術的な束縛と誓言のもとに、つけいる隙を与えないように悪魔との交渉を進めてゆく方法と考えてください。
 この呪術の効果時間中は、悪魔は術者に対してシンクロを試みることができません。また、悪魔の側から会話を打ち切ったり術者に襲いかかったりすることもできません。
 さらに、《審神者》の影響を受けている悪魔との会話中にもう一度この呪術を使用することで、その悪魔の名前と種族、神族を聞き出すことができます。
持続:1分 消費:会話しようとする悪魔のコスト・維持は半分 準備:4秒
 
息長の法 通常
 正確に一定のリズムで呼吸を繰り返すことで、乱れた心身の調子を整えます。
 この呪術の修得の際には、生命力が基準となります。《息長の法(おきながのほう、おきなのほう)》の効果があるのは術者自身のみです。この呪術の効果を受けているキャラクターは、呪術や影響技能への抵抗や恐怖判定などのさい、意志力のかわりに呪術レベルで判定することができます。また、これによって、すでに失敗した判定を1度だけやりなおすことができます。
持続:1分 消費:2・維持も同じ 準備:4秒
 
言霊祓い 通常/意志力で抵抗
 咒(かじり)を口にしながら手刀で邪気を祓い、悪魔一体にダメージを与えます。ダメージは消費エネルギー1点につき1Dで、防護点は無効となります。抵抗に成功すると、《言霊祓い(ことだまばらい)》はまったく効果を発揮しません。
 対象となる悪魔が特定できているなら、非実体の悪魔や、あるいは人間などに憑依している悪魔に対しても有効です。
持続:一瞬 消費:1〜3 準備:3秒 前提:《拍手祓い》
 
霊縛 通常/意志力で抵抗
 裂帛の気合を発し、対象の行動を縛ります。この呪術を使用するには、呪術レベルに関わらず相手に聞こえるだけの声を出さなければなりません。
 抵抗に失敗した場合、対象は一時的に精神的な朦朧状態に陥ります。4差以上で失敗すると、「失敗度」分間「麻痺(無力化される効果(『ベーシック』p.406))」します。
 この呪術は精神を持たない相手にはまったく効果をおよぼしません。
持続:一瞬 消費:3 前提:《遠当て》
 
ひふみ祓詞 通常(至難)
 47あるいは48の音を組み合わせた祓詞です。組み合わせ方やその効果にはさまざまなバリエーションがありますが、ここでは乱れた心を正常に戻す呪術として扱います。
 呪術判定に成功することで、精神的な不調を回復させることができます(自然な眠気、怪我による気絶などは「精神的な不調」とはみなしません)。その不調が呪術や「特殊効果」によって引き起こされたものである場合、そうした効果をもたらした者の呪術レベルや意志力との即決勝負に勝たなければなりません。
持続:一瞬 消費:3 準備:3秒  
 
中の座(至難) 通常
 この呪術は生命力が基準となります。
 患部にふっと息を吹きかけることで血のケガレを吹き払い、消費エネルギーの2倍のヒットポイントを回復させます。術者は対象に隣接していなければなりません。
 《中の座(なかのざ)》は、負傷の原因となった戦闘や事故など一回につき、それぞれ一回しかおこなうことはできません。
持続:永久 消費:1〜4 準備:2秒
 
苦手の法 通常
 手の平で患部をさすることで肉体の不調を癒すという、古神道に伝わる呪術です。神道系の新宗教に「手かざし」として取り入れられていることが多いようです。
 この呪術によって、一種類の病気や使えなくなった部位一箇所を治すことができます。病気を癒す場合、病気の程度によって呪術判定にペナルティが加えられます。簡単な風邪程度ならばペナルティはありませんが、通常の手段では不治かつ致命的な病気の場合、−15ほどになります。病がなんらかの呪術や「特殊効果」などによるものである場合、ペナルティはそれらの成功度になります。エネルギー消費は呪術判定へのペナルティを2倍にし、そこに1を足した値です。
 身体部位を癒す場合のペナルティは一律で−6で、消費エネルギーはその部位に蓄積したダメージに1を足した値になります(判定に成功した時点で、その部位のダメージはすべて回復します)。この呪術で失われた四肢や器官を再生することはできません。
 上記のように、この呪術の判定には大きなペナルティがかかるため、実際には儀式魔法(『キャラクター』p.234)として使用されることが多いようです。
持続:永久 消費:説明参照 準備:30秒
 
雄詰 範囲/意志力で抵抗
 気合いの声を発しつつ二指を伸ばした手を振り下ろすことで、範囲内の敵すべてに霊的な衝撃を与えます。
 《雄詰(おころび)》への抵抗に失敗した者は1D点の疲労ダメージを受けます。基本消費を2倍にすれば、ダメージも2倍です。抵抗に成功するとダメージは半分になります。
 この呪術はもちろん、疲労点(FP)を持たない相手には効果がありません。
持続:永久 消費:基本消費2・消費2倍でダメージも2倍
 
奥の座(至難) 範囲
 この呪術は生命力が基準となります。
 術者の全身を通して神力を放射し、範囲内に存在する者すべてを癒します。回復させることのできるヒットポイントは、呪術レベルによる修正を加える前の消費エネルギーと同じ点数となります。
 同じキャラクターが《奧の座(おくのざ)》の効果を受けることができるのは1日に1回までです。
持続:永久 消費:基本消費1 準備:2秒
 
陰口の祓え 通常・防御
 「しかしくま、つるせみの、いともれとおる、ありしふゑ、つみひとの、のろいとく」の秘言(ひめうた)を唱えることで、人や物にかけられた呪いを解く呪術です。
 対象にかかっている呪術のレベルや意志力(「特殊効果」の場合)との即決勝負に勝つことで、その効果を取り除くことができます。
 また《陰口の祓え(かげぐちのはらえ)》は、抵抗判定の存在する呪術や魔界魔法、「呪い」の増強を施された「特殊攻撃」「特殊効果」に対する防御呪文として使用することもできます。そうした試みとの即決勝負に勝つことで、それらの効果はすべて攻撃者に跳ね返ってゆくことになります。
持続:永久 消費:6 準備:8秒、防御呪文として使用する場合は一瞬
 
四方拝 範囲
 結界を四方に張りめぐらせ、内部に清められた空間を作り出します。
 神道に関わりの深いもの、術者の認めたものを除き、あらゆる悪魔はこの結界によって通行を妨げられます。結界を越えて魔法をかけたり、物を投げ入れたりすることもできません。無理に通ろうとする悪魔は、毎ターン術者の「修得段階」と同じ数のサイコロを振ったダメージを、2秒にわたって受けることになります。このダメージに物理的な防護点は通用しません。
 《四方拝(しほうはい)》によるこの結界は、悪魔が通過に成功するか内側から汚される(「特殊ルール:神道とケガレ」参照)ことで破られます。
 注連縄と数本の榊の枝があれば持続時間は倍になり、悪魔の受けるダメージはさらに+1Dされます。
 また、この呪術の修得者が<弓>に関する「武器の達人」または「銃の達人」を1レベルでも有していれば、弓を四方に放ち空間を清める「四隅固め(しすみがため)」を行うことができます。判定方法や消費エネルギーなどは《四方拝》と同じですが、効果範囲は2倍になり、ダメージにはさらに「武器の達人」または「銃の達人」のレベルと同じ数のサイコロが加算されます。
 上記ふたつの効果は重複します。
持続:12時間 消費:基本消費3・維持は半分 準備:10分
 
伊吹の祓え 範囲/呪術レベル(など)で抵抗
 イザナギが狭霧を吹き払った神話にちなみ、清冽な息吹をもって邪気を吹き払います。
 即決勝負に勝つことで、その効果範囲内にはたらくあらゆる魔法的な効果すべてを、ただちに解除することができます。呪術を祓う場合はその呪術のレベル、憑依している悪魔を祓うなら悪魔の意志力、魔界魔法や抵抗判定の存在する「特殊攻撃」「特殊効果」なら攻撃者の意志力と、それぞれ即決勝負を行ってください。
 《伊吹の祓え(いぶきのはらえ)》によって、半永久的な効果をもたらす魔法を解除することはできません。
持続:一瞬 消費:基本消費2(最低8) 準備:2秒
 
天浮船 特殊
 高天原より、空を駆ける光の船を召喚します。ゲーム的には、判定に成功した次のターンの最初に、術者に隣接する位置に出現するものとみなします。
 船は術者の意のままに移動します。この船は術者の他に「修得段階」と同じ人数を乗せることができ、秒速「修得段階の自乗」メートルで移動します。回避などで判定が必要な場合、<操縦>技能は16レベルとして扱います。
 天浮船(あめのうきふね) は霊的な存在であり、ふさわしい手段でなければ飛行中の船およびその乗員の姿を見ることはできません。もし攻撃を受けた場合、それらはすべて乗員に命中します。防御判定は通常どおり行うことができます。
持続:1時間 消費:9・維持は半分 準備:1分
 
建御雷 射撃
 建御雷(たけみかづち)の神威を借り、剣より破邪の雷を解き放ちます。ダメージ半減距離は50、最大射程100、正確さ3です。この攻撃に対し、霊格を持たない金属鎧の防護点は1しか効果がありません。1以上の霊格を持つ金属鎧の場合、防護点は5分の1(最低1)として扱います。この呪術によってダメージを受けた場合、実際に受けたダメージ3点ごとに−1をペナルティとして生命力判定を行わなければなりません。失敗すると朦朧状態になります。
 この呪術には、必ず刃渡り15cm以上の刀剣(大型ナイフ以上)が必要です。刃は付いていなくてもかまいません。
消費:1秒につき2、〜6(3秒)まで エネルギー2点につき1D+2の焼きダメージ 準備:1〜3秒
 
布留部祓い(至難) 通常
 物部氏に伝わる「十種大祓(とくさのおおはらえ)」の一節を奏上し、死のケガレを祓う呪術です。
 「蘇生(『キャンペーン』p.402-3)」を試みる際、<医師>や<応急処置>の代わりに使用することができます。この呪術の判定の際には、これらの技能にかかるものと同じ修正があります。また、同じ対象にこの呪術を試みるたびに−2ずつペナルティが加算されてきます。
 「十種大祓」とは、剣や鏡などを十種の神宝に見立てて生命力の更新を願う神事です。これらの神宝を揃えることができれば、すでに死亡してしまった者すら甦らせることが可能です。《布留部祓い(ふるべはらい)》を「儀式魔法」として使用してください。
 この方法で甦らせることができるのは、ある程度肉体が残っているキャラクターに限られます。四肢が欠けていたり、多少腐敗していたりしてもかまいません。呪術が成功した時点で、対象はHP1の状態で復活します。
消費:4 準備:1分
 
十言神咒(至難) 特殊
 日本神道における至尊の言霊「アマテラスオホミカミ」を唱えることにより、日輪の力を地上に招来します。太陽より降り注いだまばゆい光は、術者の味方、および神道や天津神に関わりの深いものを除いたすべての敵を包み込み、術者の「神道」の修得段階×6Dの焼きダメージを与えます。
 《十言神咒(とことのかじり)》は日中、屋外でしか使用することはできません。また、この呪術の効果範囲は特に定まっていません。術者が認識できる周囲の敵すべてへの攻撃が可能です。
消費:12 準備:5秒
 
神風(至難) 範囲/生命力で抵抗
 周囲を突然の暴風雨が襲い、神道や日本の神と関わりの深いものを除いたあらゆる物を破壊します。
 範囲内のキャラクターは消費エネルギーと同じ個数のサイコロの「跳ね飛ばし」ダメージと、さらにその半分の実ダメージを受けます。
 「跳ね飛ば」される方向はだいたい術者の任意です(上方に「跳ね飛ば」した場合、そのターンの最後には最高地点に到達しています……ゲーム的には、キャラクターを含めたあらゆる物体は1ターンに5メートルの速度で落下してくるものとします)。
 この呪術への抵抗は生命力でおこない、成功すればまったく影響を受けません。以降のターンも《突風》の範囲内にとどまるなら、ふたたび抵抗判定をおこなってください。なんらかの飛行能力を有しているなら、敏捷力や<飛行>技能で抵抗判定をおこなうことも可能です。
 この呪術が持続している間、効果範囲を移動させることはできません。また、この呪術を屋内で使用することはできません。
 《神風(かみかぜ)》の風速は、秒速で「修得段階×消費エネルギー」メートルに達します。この風は実際にはさらに広範囲に達し、人や建物に被害を及ぼすでしょう。
持続:1分 消費:基本消費1(最低15)・維持は半分 準備:6秒
 
 
 
神道について

 
 『基本ルール』では「神通力」、『誕生篇』では「修験道」と名前が変わり、『覚醒篇』で再び「神通力」へと名称が変更されたといういわくつきのカルトマジックです。
 この変遷には、神道というものの捉え所のなさも理由の一つとしてあるのではないでしょうか。宗教間の区別に無頓着な日本人の性質をそのまま表すかのように、神道は非常に習合色の強い宗教です。明治以降こそ国家神道という形で制度上の枠組みが作られましたが、それまで素朴な自然崇拝から発した神道は、仏教や儒教など外来の宗教と複雑に混ざり合う形で信仰されてきたのです。
 データとしては、『覚醒篇』までの性格を引き継ぎ、やはり回復系の能力が多くなっています。「祓う」ことを得意とする神道らしく攻撃系の呪術も充実しており、各修得段階で強力な呪術が登場してきます。反面、他のカルトマジックに比べると、ちょっと便利に使えるような能力がやや弱いでしょうか。
 このあたり、いわゆる「僧侶の使う魔法」のイメージに近いものがあるかと思います。ファンタジーRPGに慣れたプレイヤーなどには、手始めとして「神道」を選択するのも悪くないでしょう。
 ちなみに修験道とは、山岳に修行の場を求め、その果てに神通を得ることを目的とした宗教を指します。通常は仏教(密教)の一派とされますが、日本人の心性に今でも息づく山への信仰を重視する点など、神道に近いところがあるといえるでしょう。「ガープス女神転生」では、修験道は「神道」と「マントラ」を合わせ、少々のオリジナル要素を加えたものになっています。神道の中でも特に修験の要素が強い流派を再現する際など、そちらも参考にしてください。
 

 
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