T.物品の入手

 

 

 

 

 

U.機体のセッティング

 

TFを含むさまざまな機体は「機体+メインシステム(+TIP+オプション+各種の武装)」によって構成される。

デフォルトのルールでは、これらに「規格」のようなものは存在しない。すべての機体はあらゆるメインシステムを搭載することができ、あらゆる武装を装備することができる。

 

 

■機体の選択

 

まず、キャラクターの乗機となる機体を選択すること。予算やPCの立場によってプレイヤー自身が選ぶ場合もあれば、GMによって与えられることもある。

それぞれの機体に設定されたデータと、それが示す意味は以下の通り。

 

名称:その機体の名称、型番、愛称など。

形状:機体の大まかな形状と、その機体が取り得る移動タイプ。移動タイプによって重量によるペナルティ(後述)が変化することに注意。

サイズ:その機体の大きさ。命中判定においてこの値がそのまま修正値となる。一般的な人型のメカの場合、サイズ修正と全高の大まかな関係は以下の通り。

 

−2:4メートル以上6メートル未満

−1:6メートル以上9メートル未満

+0:9メートル以上13メートル未満

+1:13メートル以上17メートル未満

+2:17メートル以上24メートル未満

+3:24メートル以上33メートル未満

 

 これらはあくまで目安であり、最終的には機体をデザインする人間が決定すること。

 

機体重量:その機体の、武装とオプションを除く重量。推進剤や燃料、内蔵された固定武装なども含まれる。

パワー:その機体の持つ出力。格闘兵器によるダメージや重量によるペナルティ計算に使用する。主にマニュピレータの出力や耐久力を表すものだが、ゲーム上、あらゆる意味での推力も含まれる。

スピード:その機体の持つ運動能力のうち、最大速度や加速度、上昇性能といった面を表したもの。エンゲージの変更の際の判定に使用するほか、この値が相手に劣る場合、その差が命中目標値に加えられる。

機動性:その機体の持つ運動能力のうち、追従性や運動性、旋回半径などを表すもの。回避判定の目標値に影響する。

装甲値:装甲の強度。ダメージを受けたとき、相手の武器の貫通力から装甲値を引いたものが軽減判定の目標値となる。

耐久性:その機体の構造的な耐久力。軽減判定の際に振ることのできるダイスの数。

作業性:その機体の操縦性やマニュピレータの精度を表すもの。各種の細かな判定に修正値として使用するほか、格闘兵器による攻撃の際、回避目標値に影響する。高いほどよく、回避目標値への修正として用いる場合はそのまま、手先の判定の修正として使用する場合は正負を逆にして適用する。

バランス:その機体の構造上の安定性。高いほど制御を失いにくい。多くの機体において、「機動性」とは相反する傾向にある。

処理能力(処理):その機体を制御するのに必要な処理能力。

必要能力:その機体の性能を最大限に活かすために、操縦者に求められる能力。ここに記された能力値・技能に足りないレベル数だけ、その機体に乗って行うあらゆる判定の目標値が上昇する。特殊な能力を必要とする機体の場合、より大きなペナルティを受けたり、まったく操縦できなかったりする。

センサタイプ:その機体が持つセンサーの種類。多いほど欺瞞に強くなるが、基本ルールではあまり気にする必要はない。

センシング値:センサーの精度。左からそれぞれ、至近距離〜超遠距離の目標を認識するための判定の目標値。

電子防護:電子的な攻撃に対する防御能力。絶縁抵抗や電磁パルスシールドなど。

通信出力:機体に搭載されている通信機の出力。高いほど遠くへ、また妨害されることなく通信できる。

その他の修正:その機体を使用した判定への細かな修正や、特殊な能力。

ハードポイント:その機体がどの部位に、それぞれどれぐらいの大きさの武器を装備できるかを示す。ハードポイントには以下のタイプがある。

 

手:腕(またはそれに相当するマニュピレータ)と指を持つ機体のみが有するハードポイント。手持ちの兵器を装備することができる。両手を使って武器を装備した場合、単純に両手のハードポイントを足し合わせる。武器によっては、例えば肩に装備した武器を手で支えることにより、手・肩双方のハードポイントを足すことができるものなども存在する。

その他の部位:腕や肩など、手以外の部位に配置されたハードポイント。固定用の兵器を装備することができる。「腕部」「腰部」など、そのハードポイントの位置する部位で表記される。

可動式:「その他の部位」のバリエーション。使用時以外は背中などの邪魔になりにくい場所に兵器を置いておくことにより、ハードポイントを超えるサイズの兵器を装備した場合のペナルティを減らすことができる。使用/非使用状態を切り替えるためには、準行動または正行動が必要。ハードポイント数は(4/6)のように表記され、左が使用状態でのハードポイント、右が非使用状態のハードポイントとなる。

ウェポンラック:主に手持ち兵器を装備しておくための箇所。準行動で手に取り、使用状態にすることができる。データ上はウェポンラックの箇所と合わせて「肩部ラック」などと表記される。

カーゴベイ:主に兵器以外の物品を装備する箇所。兵器も収めることができるが、すぐに使用できなかったり、本来の性能を発揮できなかったりする。データ上はカーゴベイの箇所と合わせて「胸部ベイ」というように表記される。

ミッションパック:ミッションパックとはいくつかの兵器やオプションがセットになった、特殊なオプションのこと。機体によっては専用のミッションパックが用意されている場合がある。

 

このうち「手」「ミッションパック」以外のハードポイントには、あらゆる兵器を装備できるものと特定のタイプの兵器のみ装備できるもの、ある兵器専用のものの3種類がある。また、これらのハードポイントには機体に内蔵されているものもあり、この「内蔵ハードポイント」に兵器などを装備した場合、外装のものより整備性が低下する反面、初めて遭遇する相手に兵器の存在を悟られない、というメリットがある。

 

 

■メインシステムの選択

 

次に、機体に搭載する「メインシステム」を選択する。メインシステムとはコンピュータとそれを動かすOS、各種のプログラムをまとめたような概念であり、これなくして機体を動かすことはできない。

 

処理能力(処理):そのメインシステムが提供する処理能力。機体や各種の兵器などに定められた処理能力の合計がこの値を超えてはならない。

イニシアティブ(IV):イニシアティブ値への修正。

砲撃修正(砲撃):直接砲撃および間接砲撃による命中判定への修正。兵器のそれと同様に、低いほどよい。

格闘修正(格闘):格闘攻撃による命中判定への修正。低いほどよい。

回避修正(回避):回避判定への修正。

作業修正(作業):機体の「作業性」と同じく、さまざまな作業への修正。格闘攻撃の回避目標値にも関わる。

バランス修正(バラ):機体の「バランス」と同じく、その機体が制御を失うかどうかの判定への修正。

センシング値(セン):相手を発見・同定・識別するための判定に関する修正。低いほどよい。機体の「センシング値」に加えられる。

電子攻撃(電攻):電子攻撃に関する修正。

電子防御(電防):電子防御に関する修正。

TIPスロット数(TS):TIPの最大同時使用数。もちろん処理能力が足りていなければ使えない。

 

 

■TIPの選択

 

TIPとはある行動をサポートしたり戦闘行動の幅を広げたりする働きを持つ、プログラムや電子装置、チップなどの類である。

その使用にはそれぞれのTIPごとに定められた処理能力を必要とする。また、メインシステムに定められた「TIPスロット数」を超える数のTIPを同時に使用することはできない。

TIPの形態は世界観によって異なるが、デフォルトの設定では100円ライター大のメモリースティックに収められているものとする。いずれの場合にせよ、TIPをひとつ切り替えるには準行動が必要となる。

 

 

■オプションの選択

 

オプションとは、追加装甲やプロペラントタンクなど、機体の能力を高める各種の追加装備を指す。その多くがハードポイントを消費し、余分な重量によってバランスを崩すために制御能力をも必要とする。基本的に「その他の部位」のハードポイントに装備すること。また、オプションによっては装備するべき箇所を指定されている場合もある。

 

 

■武装の選択

 

機体の持つハードポイントに各種の兵器を装備する。

武装には大きく分けて手持ちのものと固定のものがあり、前者は手(もしくはそれに類するマニュピレータなど)のハードポイント、後者はその他の部位のハードポイントに装備する。なお、機体に設定されたハードポイントを超えるサイズの武器を装備することもできるが、サイズがハードポイントを超えた値と同じだけ、「機動性」と「バランス」に不利な修正を受けることになる。

 

○兵器の処理能力:兵器に設定された「処理能力」は、その兵器を管制するためにメインシステムに要求される処理能力である。つまり、メインシステムにはその機体が装備している兵器を扱うためのセッティングがあらかじめ施されているとみなすのである(メインシステムがどの兵器を「知っている」かの判断はGMに任される。通常は煩雑さを避けるため、開発元や勢力陣営が共通する兵器はすべて扱えることにしておけばいいだろう)。処理能力の限界を超える兵器や戦場で拾った武器を扱うことも可能だが、その場合はメインシステムによる命中判定へのボーナスを受けることができなくなる。

まったく未知の兵器を手にした場合でも、処理能力さえ足りていれば、<電子機器/FCS>またはその兵器を扱うための技能判定(【精神】基準)に成功することで、応急処置的にその兵器をメインシステムの管制下に置くことも可能である。この作業には1時間かかり、本来の半分(端数切り捨て)のボーナスを得ることができる。

その兵器を管制するためのプログラムなどを受け取るなり自分で開発するなりすれば、もちろん以後の判定にペナルティはない。戦闘中にプログラムをインストールするには、兵器の処理能力の半分(端数切り捨て)のラウンドが必要となる。

 

○エネルギー兵器とエネルギーユニット:兵器のデータの「弾数」の欄に「E3」などと表記されているのは、射撃に「エネルギーユニット(以下EU)」と呼ばれるバッテリーやジェネレータを必要とする「エネルギー兵器」である。

ある兵器を使用するのに必要なEUの数は、武器データの「E○」の○部分に表記されたものと同じだが、EUが足りない場合でも射撃そのものは可能である。これは「過負荷射撃」と呼ばれ、一時的にEUの数を2倍に計算することができる(もちろん、それでも足りなければ射撃は不可能)。ただし、本来足りていなかったEUの数、つまり「その兵器に必要なEUの数−機体に装備されているEUの数」と同じラウンドだけ、EUすべてが使用不能になってしまう。このとき、機体に装備されたすべてのEUが同時にダウンしてしまうのを防ぐため、「光学兵器用にE3、格闘兵器用にE2」などといったようにEUを分けて装備することも可能である。ただしこの場合、ひとつの用途にすべてのEUを同時に使用することは不可能となる。

EUには、ハードポイントと同様、すべての兵装にエネルギーを供給できるもの、1タイプの兵器のみに適合するもの、ひとつの兵装専用のものの3種類が存在する。

 

 

■重量によるペナルティ

機体・オプション・武装の総重量がある一定の値を超えると、機動性とスピードが低下してゆく。機体の総重量が以下に示す「許容重量×パワー」を超えた時点で1点、さらに「超過重量×パワー」を超えるごとに1点ずつ、機動性かスピードのどちらかを減らしていくこと。どちらから減らしてもいいが、はじめに機動性を減らしたら次はスピード、そのつぎは機動性……と交互に低下させなければならない。

 

移動タイプ

許容重量

超過重量

固定翼

×3.0

×0.5

回転翼

×3.5

×0.5

二脚・ホバー

×4.0

×0.5

二脚逆関節・二輪

×4.5

×0.5

四脚〜・四輪

×5.0

×1.0

六輪〜・半装軌

×6.0

×1.0

履帯

×6.0

×1.5

 

世界観によってはその他の移動タイプが追加されることもある。