1.成功判定
『スパロボRPG』の判定はD100で行われ、目標値(GMに指示された能力値+修正)以下を出せば成功となる。
22、55などのゾロ目を「イベント」と呼ぶ。判定に成功し、かつゾロ目なら「イベント成功」である。失敗しているなら「イベント失敗」となる。これはいわゆる大成功/大失敗ではないが、何か変わった結果が起こったことを指す。詳しくはGMが決定すること。また、イベントを引き起こしたプレイヤーは精神コマンドカードを1枚引くことができる。
成功度判定:その行動においてどれだけ良い結果をおさめたかを示す「成功度」が必要な場合、先ほど振ったダイス2つの目を足し合わせ、能力値と合計する。
たいていの行為は成功判定と成功度判定のどちらかを使うことで処理できるが、ある行動の成否と成果の両方が同時に問われるような場合、このふたつの判定法を組み合わせること。成功判定に失敗した場合、つづく成功度判定を行うことはできるが、能力値は半分になったものとみなす。
対抗判定:ひとつの結果を2人以上のキャラクターが争うような場合、上記のやり方で求めた成功度を比べ合い、高い方の勝ちとなる。同点なら引き分けだが、引き分けのまま勝負が終わるか、
2.戦闘(ユニット)
イニシアティブ
戦闘に参加する各集団の代表者が【軍事】で対抗判定を行い、高いものから順に行動することができる。このとき、ある集団が行動できる局面を、その集団の名称を添えて「○○フェイズ」と呼ぶ。なお、特にPCたちが属する集団のフェイズを「プレイヤーフェイズ(PP)」、それ以外の集団のフェイズを「エネミーフェイズ(EP)」と呼ぶことがある。
先攻・後攻がさほど問題にならないような状況ならば、イニシアティブ判定は行わず、原作どおりにプレイヤーフェイズ→エネミーフェイズの順番で戦闘を処理してもよい。
移動
各ユニットは、ユニットごとに定められた「移動力」と同じマス数を移動できる。
P属性を持つ武器(P武器)による攻撃のみ、移動後の攻撃が可能である。〈ヒット&アウェイ〉を持っていれば、P武器であるかそうでないかに関わらず攻撃後に移動することができる。
命中判定
攻撃に使用する武器とその対象を選択したら、その攻撃が命中したかどうかの判定を行う。
命中判定の目標値は「【射撃】or【格闘】+武器の「命中修正」)−(対象の【回避】+「運動性」)+50」で、ここに使用した武器ごとに異なる修正が加えられる。
・格闘武器による攻撃の場合:相手のサイズが自分より1段階大きいごとに命中率+10%。より小さいユニットに攻撃する場合は修正なし。
・射撃武器による攻撃の場合:相手のサイズがSなら−10%、SSなら−20%……、Lなら+10%、LLなら+20%……。また、「距離修正」として−5×(目標までのマス数−1)%。
防御側の行動
攻撃された側は、それに対し「反撃」か「回避」か「防御」の行動を選択する。
「反撃」を選択していれば、任意の武器による反撃を1回行うことができる。「回避」なら、先ほどの命中判定の目標値を半分(端数切り捨て)にすることができる。「防御」なら自身の【防御】を2倍に計算する。
ダメージ判定
攻撃が命中した場合、武器ごとに定められた式を用いてダメージを算出する。クリティカル値以上の出目が出たサイコロは振り足し。
防御と反撃
攻撃された側は、ダメージを減らすために防御行動を行う(行わなくてもよい)。目標値は【防御】で、この判定に成功したら装甲が本来の1.5倍となる。
攻撃されたときの行動として「反撃」を選んでいたなら、防御側は反撃を行う。任意の武器を選択し、通常の攻撃とまったく同じように命中判定を行うことができるが、相手はそれに対し「反撃」「回避」「防御」の行動を選択することはできない。(目標値を2倍しない)通常の防御行動のみが可能である。
その他の行動
捕縛:手や腕に相当するマニュピレータを持つユニットの場合、他のユニットの本体や武器に「組みつく」ことができる。これは射程1の格闘武器として扱うが、命中判定は【技量】で行う。相手は通常どおりに「反撃」や「回避」が行えるが、「防御」することはできない。
この攻撃が命中し、あるユニットが他のユニットに組みつかれた状態を「捕縛」と呼ぶ。ユニット本体に組みついた場合、組みつかれた側は、組みついた側に対しては「捕縛」を振りほどく以外の行動を取ることができない(その他のユニットなどに攻撃を仕掛けるのは自由)。武器に組みついた場合、振りほどかれるまでその武器が使用不能になる。いずれの場合でも、組みついた側・組みつかれた側双方の移動力と回避率は半減(端数切り捨て)したものとして扱う。
「捕縛」を振りほどくには、組みつかれた側が組みついた側に【技量】の対抗判定で勝つ必要がある。このとき、互いの成功度にはユニットの「パワー」が加算される。この「振りほどく」行動はターンの最後に行われるが、攻撃または移動1回ぶんを消費してこの「振りほどく」行動を取ることもできる。
撃墜と修理
ダメージによってHPが0になったら、そのユニットは行動不能になる。機体がどのような状態になったのかは、機体の性質や地形、相手の武器といった状況などからGMが判断すること。GMが指示しない限りパイロットに危害が及ぶことはないが、撃墜されたキャラクターはそのシーンから強制的に退場となり、GMの許可があるまで再登場することはできない。
撃墜されたユニットは、そのUP総計の1割を支払うことで修理することができる。物資や人員が足りない、時間がないなどの理由で修理が不可能であると判断した場合、GMはユニットの修理を却下してもかまわない。
3.戦闘(キャラクター)
キャラクター同士で戦闘が起こった場合、通常はマップを使わずキャラクター間の距離などは抽象的に処理するが、もちろんマップの上でユニット戦闘と同じように遊んでもよい。基本的な手順はユニット戦闘と同じだが、キャラクター戦闘の場合、判定に使用する数値は以下の通り。
移動力:【運動】/4(端数切り捨て)
命中判定:射撃武器なら【戦闘】、白兵武器や素手なら【白兵】で行う。また、相手が【戦闘】によって攻撃を仕掛けてきているなら【戦闘】が、【白兵】なら【白兵】が、そのどちらに対しても【運動】が、それぞれ【回避】の代わりになる。
ダメージ:攻撃手段によってさまざま。なお、キャラクター戦闘では振るサイコロの数は常に1個である。
防御判定は【頑健】で行う。装甲値は【頑健】の5分の1(端数切り捨て)。
攻撃手段
キャラクターの持つ攻撃手段は、もちろん手にする武器によってさまざまである。以下に代表的な攻撃手段を示すが、GMはこれに調整を加えたさまざまな武器を登場させてよい。
・素手(格闘P):自らの肉体を使った攻撃。射程1、命中修正+20、ダメージ+【白兵】/5(端数切り捨て)
・小型白兵武器(格闘P):ナイフ、特殊警棒、スパナなど。射程1、命中修正+15、ダメージ+【白兵】/5(端数切り捨て)+5
・大型白兵武器(格闘P):刀、槍、バス停など。射程1、命中修正+10、ダメージ+【白兵】/5(端数切り捨て)+10
・ハンドガン(射撃P):射程1〜3、命中修正+5、ダメージ+5
・ショットガン(射撃P):射程1〜4、命中修正+20、ダメージ+10
・アサルトライフル(射撃P):射程1〜5、命中修正+10、ダメージ+10
・スナイパーライフル(射撃、特殊効果「スナイプ」):射程2〜8、命中修正+10、ダメージ+15
防御手段
キャラクターの身を守る防具としては、以下のようなものがある。キャラクター自身が持つ装甲値である「【頑健】/5」点と合計すること。
・厚手の服:冬服や制服など。装甲値1
・頑丈な服:パイロットスーツや宇宙服など。装甲値3
・防護服:民間人も買うことができるような防弾ベストなど。装甲値6
・防護服U:軍用の防弾ベストやジャケットなど。薄い衣服の下に隠すことはできない。装甲値8
・防護服V:ボディアーマーとヘルメット。普通、これを着て機動兵器を操縦することはできない。装甲値10
・ジュラルミン・シールド:「防御」に成功したときの装甲値を+10する。
ダメージの効果
ダメージによってHPが0となったキャラクターは意識を失う。GMが許可するまで、シーンに登場することはできない。
このゲームでは、GMの演出するイベント以外でキャラクターが死亡することはない。ダメージからの回復に関しては、すべてGMに一任される。GMが「全治3ヶ月の重傷だ」と言えばその間病院で安静にしていなければならないし、「不意を打たれて気絶はしたものの、身体に異常はない」と言えば、次のシーンから復帰することも可能である。
シーン制
このゲームはひとつの場面を表す「シーン」という時間単位に従って進行する。他のゲームでいう「シーンプレイヤー」のようなものは存在しないが、特にあるPCに焦点を当てたシーンにしたいとGMが考えた場合、そのPCをシーンの主役に指定してもよい。シーンの主役は他のPCのシーンへの登場・退場を要請・却下することができるほか、そのシーンを終わらせる権利を持つ。
シーン精神コマンド:各シーンの開始時、GMはそのシーンを象徴・暗示するような精神コマンドを「シーン精神コマンド」として提示する。このコマンドは、シーンの終了時、もっとも良いロールプレイをしたプレイヤーに与えられる。
シーンからの退場:シーンに登場しているPCは、GMの許可を取った上で任意にそのシーンから退場することができる。PCが自由に行動できないようなシチュエーションに置かれている(捕らわれている、追われているなど)場合、必要な判定を課すこと。GMが許可しない限り、一度退場したPCが再びそのシーンに登場することはできない。
シーンへの登場:同様に、シーンに登場していないPCは任意のタイミングであるシーンに登場することができる。戦闘シーンに登場する場合、GMが許可する限りマップ上の任意のマスから登場することができる(基本的にはマップの端から登場することになる)。またこのとき、該当する特殊技能を持っていないPCでも一度だけ[援護防御]が可能である。