ヴァイオレット奇譚2 Chapter11◆「聖なる夜とヴァンパイア─【7】」 物を知らぬ第一世代へ。 心の脆弱な第二世代へ。 大いなる疑問に立ち尽くす第三世代へ。 望まれぬ終わりの第四世代へ。 血の途絶えた第五世代へ。 すべての兄弟へ。すべての同胞へ。 腹は、満たされただろうか。 我らはひととき、確かに幸せだっただろう。 そうであったと、言って欲しい。 君たちはまた飢える。幾度も幾度も飢えてしまう。腹は、永遠に満たされない。 それでも我らはひととき、幸せだっただろう。 そうであったと、言って欲しい。 全ては予定調和なのだとしても、やりきれなくて、眠れぬ夜がある。 全てが予定調和だと知っていても、私は後悔を繰り返す。 クレア。あの日私が投げかけた問いの、答えが欲しい。 Copyright (C) 2009 kazumi All Rights Reserved. |