エポキシ樹脂について ;その分子構造

1) ビスフェノールA型エポキシ


特徴 は @ 反応性エポキシ環(3員環)、A可とう性・耐薬品性エーテル結合(-O-)、B 強靭性・剛性・高温物性(6員環のベンゼン環)、C接着性 OH基 です。 これによって 硬化収縮が少なく、強靭で耐熱性に優れ、耐薬品性も良好であること。

BAエポキシの合成は ビスフェノールA と エピクロルヒドリン の反応によります。

2) ビスフェノールF型エポキシ
BA型エポキシ樹脂より低粘度、硬化物性はほぼ同等であるが耐熱性が 若干低く、耐薬品性が若干良い。

3) ビスフェノールAD型エポキシ
BA型より低粘度で非結晶性

4) フェノールノボラック型エポキシ
フェノール と ホルムアルデヒドから フェノールノボラックを合成し、これにエピクロルヒドリン と反応させて得る。

5) クレゾールノボラック型エポキシ

フェノールの代わりにo−クレゾール,重合度が増大するほど高官能になり、 耐熱性が向上する。


硬化剤


1) アミン系硬化剤  ;  反応速度は脂肪族アミン>脂環族アミン>芳香族アミンの順に速い
2) 酸無水物系硬化剤
配合物の粘度が低い、作業性の向上、低コスト化・硬化物のクラック防止に有効
エポキシ樹脂との反応はアミン類に比べて遅い、100℃以上の高温長時間の 効果条件を必要
酸無水物系硬化剤は吸湿性があり、吸湿すると遊離酸を生じて硬化不良を起こす。
3) 潜在性硬化剤
高融点活性水素化合物  : ジシアンジアミド、有機酸ジヒドラジド
第三アミン・イミダゾール塩など  : アニオン機構によりエポキシ基を自己重合
ルイス酸・ブレンステッド酸の塩  :  カチオン機構によりエポキシ樹脂を重合

エポキシ樹脂硬化物の物性


硬化物の機械的性質や接着強さはガラス転移温度(Tg)を中心とした変化を示す。