Tail Summon Tales R 
1:Suddenly




ぺトナジャンカに向け、迷いの森を進んでいたヴェイグ達は、行く手を塞ぐバイラス達を退け、ようやく森の出口付近まで辿り着いていた。
「無事に抜けたようだな」
「もう、コワくないからね、アニー」
「・・・・・・」
「ペトナジャンカはこの先だな?」
マオのからかうような言葉にアニーが不機嫌そうにする一方、ヴェイグはユージーンに改めて目的地の道順を尋ねた。
「ああ、森を抜けるのに、ずいぶん手間取ってしまった」
「王の盾は、ずっと先に行ってしまったかもしれない・・・」
「例えそうだとしても、ペトナジャンカで、連中の足取りをつかめる可能性は高い」
「とにかく・・急ごう・・」
そう言って気の焦るヴェイグが森の出口へと歩き出そうとしたその時だった。
「ん?今なんか、聞こえたんですけど?」
首を傾げながらそう言ったマオの言葉に、最初に反応したのはアニーだった。
「ちょ、ちょっとマオ・・・いい加減にして」
「いや・・ほんと。人の声みたいな・・」
「・・どうやら、本当のようだな」
マオが言いかけた時、ユージーンがぴくりと反応しある方向に目を走らせた。
そしてその言葉にヴェイグも耳を澄ませてみると、確かに彼の耳にも人の声のようなものが微かに聞こえた。
「・・あっちか?」
「行ってみよう!」
そう言って走り出したマオの後を3人は追った。
そして辿り着いた先で4人が見たのは、2人の人物が倒れている姿だった。
1人は短い黒髪の少年、もう1人は長い黒髪の少女。
4人は慌てて駆け寄り、倒れている2人に声をかけた。
「おいっ、しっかりしろ」
「ん・・・」
声をかけていると先に気がついたのは、黒髪の男性の方だった。
「・・ここは・・・っ!クラレット!!」
最初はぼうっとしていたが、やがて意識がはっきりしたらしく、少年は慌てた様子で周りを見渡す。
そしてアニーに半身を抱き起こされている形になっている少女を見つけ、自分の身体を支えていたヴェイグの手を無意識に振りほどいて駆け寄った。
その行動の早さにヴェイグ達は一瞬唖然とした。
「クラレット!クラレット!!」
「ん・・ハヤ、ト・・?」
やがて少年の声に反応するように、少女もゆっくりと瞼を開けた。
そして完全に目を開いて少女が自分を見つめるその姿に、少年は深い安堵の息を吐いた。
「良かった・・・どこも怪我ないみたいだし」
「ここは・・・そういうハヤトこそ、大丈夫ですか?」
「ああ、俺は平気だよ」
「そうですか・・」
にっこり微笑でそう告げる少年に、少女は心底ほっとしたという様子を見せる。
「あの〜〜・・・」
そんな2人の様子に、声をかけるにかけられずにいた4人の中から、ようやくマオが少し遠慮がちに声をかけた。
「・・・はい?」
「君達、誰・・・?」
その質問は至極もっともなことだった。









「では、気がついたらここにいたと?」
「ああ。どうしてここにいるのか思い出せない。それに・・・」
「どうやら、私達・・・お互いの事以外の他のことは、すっかり忘れてしまっているようなのです・・」
「・・・これも記憶喪失か?」
「おそらくは・・・お互いの事以外というのは、かなり特殊なケースだがな・・」
「だ、大丈夫だって!」
少し困ったように自分達の事情を告げる2人に、ヴェイグとユージーンが冷静に話している中、自分も記憶喪失であるマオが2人を励まそうと明るく声をかけた。
その声に2人は反応する。
「僕もさ、記憶喪失なんだけど・・・結構楽しくやってるよ!」
「貴方、も・・・?」
「そうだよ!それに、何時か記憶がもどるかもしれないし!だから、きっと大丈夫だよ!」
そう言って必死に気遣い、明るく励ましてくれるマオに、目を丸くしていた2人だが、やがて顔を綻ばしながら口を開いた。
「そう・・ですね・・」
「君の言うとおりだ。悩んでいても仕方がない。だったら、自分から事態を良くするように動かないとな」
「そうそう」
2人の前向きな意見にマオも満足そうに笑った。
そして突然何かを思いついたかのようにヴェイグ達に向き直った。
「ねえねえ皆!この2人も、一緒に連れて行ってあげられないかな?」
「マオ?!」
突然のマオの意見に当然3人は目を丸くして驚いた。
「だってさ・・僕、人事とは思えないんだ。記憶喪失なら、頼る人もいないだろうし・・・それなら、同じ立場として、この人達に色々してあげたいよ・・」
マオの言いたいことは3人には良く解った。
同じ記憶喪失としてこの2人に共感を覚えているということが。
しかし事態はそう簡単なことではない。
「・・だが、マオ。我々は王の盾を追っている。当然、危険もついてくるのだぞ」
「それはそうだけど・・・」
「それなら大丈夫です。ね、ハヤト」
「そうだな・・」
ユージーンに諭されて反論できないでいたマオだが、その加勢の声は意外なところから来た。
「あなた達・・?」
「俺達、記憶喪失とはいっても、戦い方はちゃんと憶えてるみたいだよ」
「これでも、それなりの腕のはずですよ、私達」
「それに、俺達としても記憶の手がかりを探すために、色々な所を見て回りたいと思ってる・・」
「それなら、皆さんの旅に同行させていただくのは、とても有難いことです」
「・・・・こう言ってるけど?」
2人のにこやかな言葉を聞き、マオは勝ち誇ったような笑顔を浮かべてそう言った。
そして2人の言葉とマオの満面の笑顔を見て、ヴェイグ達は仕方がないといった溜息をついた。
「・・・解った。では2人にも旅に同行してもらうことにしよう」
「やったね!」
「ありがとうございます」
「で、2人の名前は?」
「俺はハヤト・・・で、こっちが」
「クラレット・・と、申します。どうぞよろしくお願いします」
こうしてヴェイグ達の旅に新たな仲間2人が加わったのだった。








迷いの森を抜けてペトナジャンカに続く道を行く途中で、ハヤトとクラレットは4人から離れ、4人には聞こえないように小さな声で話をしていた。
「・・・なんというか、多少罪悪感がありますね」
「仕方がないよ・・・この世界の常識が解らない以上、ああいう事にでもしておかないと・・・」
「・・まさか、別の世界から来た人間、なんて言えませんしね・・・・・」
クラレットの言葉に2人は揃って苦笑した。
「しかし、またどうしてこんな事になったのでしょう?」
「・・何でかは解らないけど・・絶対またエルゴ達が関わってると思う」
「やはり、ですか・・・」
「とりあえず、なんとか話が出来ないかやってみる・・・」
「すいません・・・」
ハヤトが何気なく言った言葉に反応して、何故かクッレットが申し訳なさそうな表情をした。
「・・なんで謝るんだ?」
「・・・私は、貴方を護る護界召喚師の1人です。・・・なのに、こんな時、何も出来ないなんて・・」
「良いんだよ・・・」
本当に申し訳なさそうにそう言うクラレットに、目を丸くして驚いていたハヤトは、優しく微笑みながらそう言った。
「・・ハヤト?」
「クラレット達が俺を護ろうとしてくれてるのは嬉しい。けど、クラレット達は俺の部下とか、そういうんじゃないだろ」
「・・・・・・・」
「俺にとっては大事な仲間だよ。だから、どちらか一方じゃなくて、お互いに助け合えばいいんだ」
「ハヤト・・・」
「これは俺じゃなきゃ出来ないことだから、俺がする。けど・・俺に出来なくて、クラレットに出来ることなら・・・その時は頼めるかな?」
「・・勿論です」
ハヤトが少し照れたように告げたその言葉に、クラレットは心底嬉しそうに返事をした。
その笑顔を見てハヤトも顔を綻ばせる。
「2人で帰ろう。絶対に」
「はい・・・」
「・・まあ、当面の心配としては・・・・・キール達が暴走してきゃ良いけど・・・」
「・・・確かに、それだけが本当に心配です」
そう考え出した瞬間、2人は一瞬のうちに今は遠い自分達の住んでいる街の安否が気になりだした。
そして2人揃って冷汗を流しながらポツリと呟いた。
「・・・なるべく、早く帰れるように頑張ろう」
「・・・そうですね」
はあっと2人同時に溜息をついた瞬間、前方からマオの元気な声が聞こえてきた。
「ハヤトー!クラレットー!何してるのさ、置いてくよーー」
「あ、はい!すぐ行きます!」
マオの呼び声を聞き、こちらを振り返る4人の元に、ハヤトとクラレットは早足で向かったのだった。












ペトナジャンカに到着した一行はその街の様子に妙な違和感を感じていた。
「以前に来た時は、もっとにぎやかな街だったような・・・」
「嫌な予感がする・・・」
アニーが怪訝そうに言った言葉に続くように、ユージーンが不安を思わせる事を口にした。
「やっぱり・・・王の盾?」
「その王の盾っていうのが、ヴェイグの幼馴染のクレアさんや、ヒューマの女の人達を攫ってるんだっけ?」
「ああ・・・」
ペトナジャンカまでの道中で、ヴェイグ達の旅の目的等を聞いたハヤトが確認するように言うと、ヴェイグはとても悔しそうな表情をした。
「・・・気をつけて進もう」
静かな空気の流れるその場所で、ユージーンがそう告げた言葉に、全員はただ黙って頷いた。
そして暫く街を歩いて回ったが、回った限りの場所では人は誰もいなかった。
「やっぱり・・・静か過ぎる・・・」
アニーが思わず漏らしたその言葉に、その場にいた全員が心の中で同意した。
普通に考えて、街に人がまったく見あたらないというのはおかしい。
例え、見当たらなかったとしても、何らかの声、音はするはずである。
そんな事を全員が考えていると、突然マオが声を上げ、フォルスキューブを出して見せた。
そのフォルスキューブは、明らかに強い反応を示し、能力者が近くにいるということを知らせていた。
「やはり王の盾か!?」
「あっちだよ!!」
そう言ってマオが指を指したのは街の奥、この街のシンボルとも言える工場のある場所だった。
確かにあそこはまだ探して回ってはいない。
「行ってみよう!」
フォルスキューブの反応にますます不安を煽られながらも、一同は街の奥へと急いだ。
そしてようやく到着した先で一同が目にしたのは、巨大な蔦が絡みついた工場の姿だった。
驚いて一瞬呆然としていた一同だが、ハヤトとクラレット以外はすぐにその原因が解ったようだった。
「フォルスが暴走している!」
先程よりも更に強いフォルス反応に、一同はただ目を見張った。
「樹のフォルスだ!」
「そんなのがあるのか?」
「以前、見たことがある。植物を自由に操ることの出来るフォルスだ!」
ユージーンの説明にそれを見たことのない者達は目の前の光景に納得した。
だからフォルスが暴走した結果、このような惨状になっているのかと。
そして状況を探ろうと一同が近くにいた街の住人に話を聞こうとした時、中から1人の男性が慌てた様子で姿を見せた。
「た、助けてくれぇー!!」
「工場長!!」
「大丈夫ですか!?」
「ティトレイが!セレーナを、あの連中に、工場が森に・・・!」
心配してかけられた声にも返事はせず、完全に混乱してしまっている様子の工場長は、ただ焦ったように言葉の単語を並べて話していた。
暫くしてそれに痺れを切らしたかのように、アニーが小さな雨雲を工場長の頭上に作り、雨を降らせて頭を冷やさせた。
「・・・あっ」
「・・アニー」
「まるで、リプレみたい・・」
他の全員に聞こえないようにハヤトとクラレットはぼそりと呟いた。
しかし後で思い直してみて、暴力(?)に訴えないだけこちらの方がまだましかと思った。
そしてなんとか落ち着いたらしい工場長が、ようやくまともに事情を説明し始めた。
「兵隊を連れてきた妙な二人組みがいてな・・・で、そいつらがセレーナを連れて行こうとしたのさ。ヒューマの中で一番キレイな娘だとか言って・・・」
「やっぱりサレたちみたいだね」
ここに来てようやく確信が持てたというように、一同は自然に頷いていた。
その後も事情の説明を続ける工場長の話を聞き、フォルスが暴走したことも、それによって確信が得られた。
「で、サレたちはどこ?」
「ここだよ、ぼうや」
マオが尋ねたその時、工場の中からまさにその当人達が姿を現した。
その後ろには1人の女性がいた。
「サレ、トーマ!!」
「ウソは困りますよ、工場長。あなたの大事な娘さんを連れていかない代わりに、セレーナさんを引き渡すという約束をしたじゃないですか?」
サレのその言葉に反応し、焦る工場長を一同は見たが、サレが次に口にした人を小馬鹿にした言葉に、すぐさま一同はそちらに向き直ることになる。
「なぜなら、あなたの娘さんは美しくないから」
その言葉に、ハヤトとクラレットは心底人をからかい、馬鹿にしている人物だということが解った。
そしてこういう人物は始末が悪いということも良く知っていた。
2人がそんな事を思っている中、ヴェイグがサレとトーマに向けて声を荒げた。
「貴様ら、クレアはどこだ!!」
「見ての通りだ。ここにはいない」
「どこへやったんだ!?クレア・・・クレアを返せ」
「無駄ですよ・・・ヴェイグさん」
「・・クラレット?」
必死にクレアの居場所を聞き出そうとするヴェイグに、後ろの方からクラレットが声をかけ、それを不思議そうに全員が見つめた。
「・・・こういう相手には何を尋ねても無駄です。全部、馬鹿にされて返されるだけです」
「おや、随分と言ってくれるお嬢さんだね。・・・それにしても、へえ」
クラレットの言葉にそう返しながらも、特に気にした様子もないサレは、次にまるで品定めするかのようにクラレットを見た。
「・・・なんですか?」
「君もなかなか綺麗だね」
サレのその言葉の意図を悟り、クラレット自身はきっと彼を睨みつけ、そして同じようにその言葉を察したハヤトがクラレットの前に立った。
「・・・クラレットは連れて行かせない」
「威勢だけはいいようだけど。君の意見は関係ないよ」
「っ!危ない!」
目の前に立ちふさがるハヤトに向かってサレがフォルスは使おうとしたことを察したマオが声を上げた。
しかしマオが声を上げるほぼ同時に、フォルスが発動したため、全員間に合わない、そう思っていた。
「・・・召喚」
マオが声をあげ、サレがフォルスを発動する、そのほぼ同時にハヤトはぼそりと何事かを呟いた。
そしてサレのフォルスが直撃したと誰もが思ってハヤトを見たが、それとは違う事実に全員が目を大きく見開く。
ハヤトの目の前には、何時の間にか彼の身の丈以上ある大きな盾が、サレのフォルスから彼とクラレットを守るように現れていた。
ありえない事態に暫し呆然とする一同。
「・・ハヤトも、フォルス能力者?」
驚きながらぽつりと呟いたマオの言葉に、ハヤトは少し困ったような笑顔を浮かべていた。
「そういう・・わけじゃない・・・と思うんだけどな」
「じゃあ、今の盾・・何?どこからだしたの・・?」
「・・・えっと・・さあ?」
どう答えるべきかと思ってハヤトはとりあえずとぼけて見せた。
それでもやはり少しの間不信がられはしたが、特殊な記憶喪失という事にしておいたことが功を奏したのか、一先ずこの場は置かれることとなった。
「・・・妙な事をするね。君」
「それはどうも・・」
「まあ、いいや。そっちの子は諦めるとするよ。今回は、こっちの彼女だけで良いだろ」
そのまるで人を物のように言う言葉に、一同はまたサレを睨みつけていた。
「これ以上、おしゃべりしてるヒマはないしね」
「待て!!おまえたちの目的は何だ!?これは女王陛下のご存念なのか?」
ユージーンがサレとトーマと問いただそうと声を荒げた時、いきなり目の前に風の壁のようなものが現れ、一同が進むのを防いだ。
その間にその場を去ろうとしたサレとトーマの後ろにいた女性が、声を出して一同に嘆願してきた。
「お願いです!私にかまわず、弟を・・ティトレイと止めてください!!このままだと、街の人たちがティトレイのあの変な力に巻き込まれてしまいます!」
「ボクからもお願いするよ。この美しいお姉さんを悲しませないようにね」
女性の後に続けられたサレの言葉は、やはり人の怒りを煽るような感じのものだったが、確かにこのままあちらの状態も放ってはおけないと一同は思った。
そしてそのままその場を去っていく3人を、ヴェイグが追いかけようとしたが、女性の嘆願であるフォルスの暴走を止めることを優先したユージーンが止めに入る。
最初は納得がいかない様子だったヴェイグだったが、ユージーンとマオの言葉に諭され、ヴェイグも複雑ながらもフォルスの暴走とを止めることを優先した。
そして一同はツタに埋もれた製鉄工場の中へと足を踏み入れていった。













ハヤトとクラレットがヴェイグ達と一緒に旅をすることに決まったその頃、彼等の居住地であるリィンバウムの聖王国は西の果ての街・サイジェントではまさに彼等の危惧していたことが起こっていた。
「ハヤトとクラレットが突然消えた?!」
所用(マーン三兄弟を脅して今晩のおかず(肉)ゲット)でフラットを留守にしていた、ソル、カシスと、その2人があまり無茶をしないように引率としてついていったキールは、戻ってきてすぐに告げられたこの事実に、当然3人は物凄い勢いで反応した。
その様子を見て瞬時に、フラットの多くのメンバーが「やっぱり言いたくなかったけど、言わなきゃいけなかったよな」と、この3人の脅威を知るがゆえに思っていた。
「兄上!まさか、これって・・・」
「・・まちがいなく、エルゴ達が関わってるだろうな」
「でも、なんでハヤトとクラレット姉様だけ?」
以前20年前の某島に飛ばされた時は、誓約者であるハヤトと、彼を護る護界召喚師である四兄弟は全員一緒だった。
しかし今回はハヤトとクラレットの2人だけ。
それが何故なかのは解らないが、その事実を知ったこの3人が、心配と不満で暴走しないわけがないのだ。
特にキールは普段は(なんとか)まともだが、ハヤトとクラレットに何かあると、普段から多少暴走気味のソルやカシスよりも暴走が激しくなる。
しかも厄介なのは、1度暴走するとそれがなんら問題でもない時まで継続するということだ。
少なくとも数ヶ月単位は続いてしまう。
そのため前回からようやく落ち着いてきたところだったのにと、フラットの中で彼の暴走を脅威に思っているメンバーは心の中で涙を流していた。
もっとも思っていない者の方が少ない。
それこそ脅威に感じていないのは、何も解っていないモナティと、その暴走を平然と止められるフラットの家事全般を取り仕切る、フラットの真のボスともいえるリプレぐらいなのだ。
そして彼等の予想の通り、キールを含むセルボルト四兄弟(1名不在につき除外)の暴走は既に始まっていた。
「・・・エルゴ達、ふざけるのもいい加減にしろよ!」
「ソル兄様の言う通りよ!もし、クラレット姉様とハヤトに何かあったらどうするのよ・・!」
「・・もし、2人に何かあったら・・・・・2人が飛ばされた世界滅ぼしてやろうか」
「あ、キール兄上!俺もそれ賛成!」
「・・・というか私は、今すぐゲルニカ辺り召喚してどこでもいいから一発お見舞いして怒りを発散させたい気分よ」
「ああ、その気持ちも良く解る・・・」
やはりかなり危ない事を言い始めた兄妹達に、それを引き攣った顔で恐怖を感じながらただ見ているしかないメンバー達はただ切実に願った。
『頼むリプレ!早く帰ってきてくれ!!』
ハヤトとクラレットがいない以上、この2人の暴走を止められる唯一の人物である彼女は、現在お子様組を連れて買い物に出かけている真っ最中だった。








あとがき

やってしまったなお話です・・;
なんというか破綻してるというか・・・めちゃくちゃというか・・・;
石は投げないでください、石は投げないでくさい!
ハヤトとクラレットの性格がかなり違いますね・・・
っていうか、サモンナイトチームは皆キャラ壊れ・・・(特にキール、ソル、カシス)
彼等が出てくると思いっきりシリアス(?)ぶち壊しです;
記憶喪失って言うのもかなり無理やりなこじつけです;
私的にクラレットは美人だと思います。
それではこんな破綻したお話でよければ今後もお付き合いください(えっ;)





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