-Travel at time-
スタート前小話
料理対決編
アシャ「・・・・・なあ、今更だが・・・これどういう状況だ?」
ラシュヌ「どうもこうもないと思いますが・・・」
ラグナ「いや・・・アシャの気持ちは凄く解るぞ・・・」
ミスラ「・・・・なにごちゃごちゃ言ってるの?アシャ、水」
サエーナ「こっちは火〜。中火でね」
アシャ「・・・はい、はい」
ラシュヌ「なんだかんだで出してあげてるじゃないですか」
アシャ「仕方ないだろ・・・だけどやっぱり言いたくなるんだよ」
ラグナ「確かに、自分の部屋に小さいとはいえ調理台2台でそこであの2人が料理勝負してるとなると・・・」
ラシュヌ「良いじゃないですか。殿下の部屋大きいんですから」
アシャ「・・・良くない。っていうか、これ絶対音素と俺の眼(力)の無駄遣いだろ・・・」
ラグナ「確かに・・・」
ラシュヌ「しかしさすが殿下の『音素の祝福』ですね。第二音素を調理台の形に収束結合させて具象化。さらに各々で必要なところで第四と第五の音素を具象化させて2人の望むように火と水を出すとは・・・」
アシャ「・・・たんに便利なアイテム扱いされてる気もするけどな・・・」
ラグナ「・・・世界唯一の貴重な代物がな・・・」
アシャ「だいたい・・・なんであの2人はいきなり料理対決なんて始めたんだよ・・・?」
ラグナ「さあ・・・?」
ラシュヌ「良いんじゃないですか?面白くて」
アシャ「・・・お前ならそういうと思ったぜ」
で、なんだかんだいっているうちに2人の料理が完成した・・・
アシャ「で、なんで俺が審査役なんだ?」
ラシュヌ「そりゃあ、王族や貴族の方々は普段から良いものを召し上げっているために舌が肥えていると言われますから」
アシャ「それ偏見だと思うが・・この際納得してやるとしても・・・だったらラグナもするべきじゃないのか?」
サエーナ「だってラグナにまともな判断できると思えないし」
ミスラ「・・そうね。あれだけ壊滅的な料理作れる人間の審査が正しいとは思えないわ」
ラシュヌ「・・・とういことです」
アシャ「・・めちゃくちゃ言われてるぞ、お前」
ラシュヌ「・・・味覚はまともだけど・・・作る料理が壊滅的なことは事実だから・・・何も言い返せない・・・(泣)」
アシャ「・・・・・・(同情)」
ラシュヌ「じゃ、殿下。潔くいってください」
アシャ「・・・・・・・・」
ミスラ「・・・・・・・・」
サエーナ「・・・・・・・・」
アシャ「・・・・・・・(ぱくっ)」
ラグナ「(いった・・・)」
ラシュヌ「(いきましたね・・・)」
ラグナ「(ここからが大変だな・・・)」
ラシュヌ「(ええ・・・どちらかを選ばなければいけませんからね)」
ラグナ「どっちを選んでも後が大変だろうからな・・・」
ラシュヌ「(ですね・・・それにしても2人とも見事に殿下の嫌いなにんじんを避けた料理を選んでますね)」
ラグナ「(ああ・・・にんじんが入ってたらアシャは手もつけないだろうからな・・・)」
ミスラ「・・アシャ・・・」
サエーナ「どっち?」
アシャ「・・・・・・両方・・・可もなく不可もなく・・」
ミスラ「・・・・・・・」
サエーナ「・・・・・・・」
ラグナ「わーー!まて、まておちつけ2人共!」
サエーナ「なんか・・・ねえ・・・」
ミスラ「ええ・・・どちらが選ばれたよりも腹が立つ」
アシャ「仕方ないだろ!感じたまま事実を言ってるんだから」
ラグナ「アシャも〜・・・火に油を注ぐような事を言うなよ」
ラシュヌ「ふむ・・人選ミスだったかもしれませんね・・・」
ラグナ「お前は無責任だな・・・」
シャス「殿下ー!お待たせしましたー」
ラグナ「シャス・・・お前どこ言ってたんだ?」
ラシュヌ「そういえば、ずっといませんでしたね」
ミスラ「それに・・・その台車は何?」
サエーナ「・・・・・・見事にこっち無視してるね」
ラシュヌ「というより出てきたそれは・・・ケーキですか?」
ミスラ「しかも・・あの短時間に切り分けて茶器まで完全に整えたわよ・・・」
ラシュヌ「見事な使用人っぷりですね」
ラグナ「複雑だ・・・」
サエーナ「そういえばあのケーキ誰が作ったの?やっぱりお城のコック?」
シャス「何言ってるんだ?俺に決まってるだろ」
サエーナ「・・・えっ?」
ミスラ「・・・なんですって?」
ラシュヌ「・・・・・食べて大丈夫なんですか?」
シャス「・・おい、ラシュヌ。どういう意味だよ?」
ラシュヌ「だって貴方はラグナの弟じゃないですか。だったら美味しくないと思うのが普通で・・・」
アシャ「うん。やっぱりシャスの作るケーキは最高だな」
ラシュヌ「・・・・・・・」
サエーナ「・・うそ」
ミスラ「・・・信じられないわ。私達の作ったものは可もなく不可もなくなんていったアシャが・・・」
サエーナ「嘘でしょ!絶対嘘でしょ!なんでラグナの弟のシャスの料理を美味しいなんていえるの?」
ラグナ「・・・・・・・・(泣)」
アシャ「何で嘘つかなきゃいけないんだよ。シャスの作る料理はすっげー美味いぞ。特にケーキは城のコック顔負けだな」
サエーナ「うそぉ・・・」
ラシュヌ「・・・そういえばそのケーキ。生地がオレンジ色のようですが・・・」
シャス「当たり前だろ。キャロットケーキなんだから」
サエーナ「・・キャロッ・・」
ミスラ「それって・・ようするに・・・にんじんケーキ・・・」
サエーナ「なんで?殿下は確かにんじん嫌いなはずじゃ・・・」
アシャ「確かに大っ嫌いだ。だけど、シャスはにんじん嫌いな俺でも食べれるように色々と工夫してくれてるからな。これ以外でもシャスの作ったものならにんじんは言ってても食えるし」
シャス「カレーだと溶けるくらい刻むのは基本だな」
ラグナ「・・・ちなみにアッシュ陛下やルーク王妃様、ラピス姫まで絶賛らしい」
ミスラ「・・・・・・・・・」
ラシュヌ「ふむ。ちょっと失礼して一口貰っていいですか?」
アシャ「別にいいけど・・・」
ラシュヌ「では・・・・・ふむ・・これは確かに絶品ですね。一流のシェフでもここまでできるかどうか・・・」
サエーナ「何度も言うようだけど・・うそぉ〜・・・なんでラグナの弟でナタリア夫人の息子のシャスの料理がそんなに美味しいの・・・」
シャス「・・・・・命がけだったからな」
ミスラ「シャス・・・?」
ラグナ「・・・・・・・・」
シャス「お袋がさ、たまに自分で料理したがることがあったんだよ・・・。でもあの壊滅的な料理で兄貴と違って無理にでも食べさそうとするだろ・・・」
ミスラ「・・・・・・哀れね」
シャス「屋敷のコックもお袋に逆らえるわけないだろ。だから俺が先回りして作ってお袋が作る必要がないように毎回しとくしかなかったんだよ・・・」
ラグナ「・・そうしてたら、必然的に料理の腕が上がっていったんだよな・・・そして何時の間にかプロ級に・・・」
アシャ「おかげで俺は美味いもの食わせてもらってて良いけどな」
シャス「殿下にそう言っていただけると救われます・・・寧ろ至福です!!」
ラシュヌ「いや、いや・・・これは意外な事実ですねぇ。そして良い所シャスに持っていかれましたね・・・2人共」
ミスラ「・・・・・さっきの可もなく不可もなく発言よりも・・・」
サエーナ「・・・シャスに負けた事のう方が・・なんか・・・」
ラシュヌ「よりにもよって料理で、ですからね・・・」
サエーナ「・・・ラグナの弟のシャスに・・・」
ミスラ「・・・ナタリアさんの息子のシャスに・・・」
アシャ「・・ある意味女のプライドぼろぼろだろうな・・・」
ラシュヌ「というよりも人間としての、ですね。しかもシャスというよりも、主にラグナとナタリア夫人のせいで、ですね・・・」
シャス「・・前半は微妙にどういう意味だよ?ラシュヌ」
ラグナ「・・・すいません」←もう謝るしかない人
フシャスラ=ワルヤ=ガルディオス
(実は)パーティ1の料理上手(プロ顔負け)
得意料理はケーキ類