ドリーム小説
四宝神刀 四




その日の早朝、浦原商店に悲鳴が上がった。
「ぅああぁああーー!店長!てんちょーーー!!」
掃除中であった証拠の箒を持ったまま、店先から一目散に悲鳴を上げてジン太が駆け込んできた。
そして浦原の目の前まで来ると、息を切らしながら震える手でただ店先を指差していた。
「・・どうしたんっスか?ジン太」
「き・・きききききき」
「・・・き?」
あまりにも怯えた様子のジン太の姿に、自然に浦原の目は店先へと向かう。
「来たんだよ!あの人がぁ!!」
「おっはよー喜助ぇ」
ようやくジン太が声を絞り出せたまさにその時、浦原の耳に聞きなれた声が聞こえてきた。
そしてその声を聞いた瞬間、当初から怯えきっていたジン太はそのまま気絶してしまい、その人物の姿を見た瞬間、浦原も顔を引き攣らせていた。
「・・・様」
別に普段ならそこまで恐れることはないのだが、何故か今回彼女の纏っている不機嫌なオーラでさすがの浦原も萎縮してしまっていた。
「元気そうね〜〜喜助ぇ」
「え、ええ・・・おかげさまで。・・・ところで、今日は一体なんの御用で?」
「ふふふっ・・・」
恐る恐る尋ねてみると、返ってきたの笑い声がやはりとても恐ろしかった。
「・・・あんた、私に言ってなかったでしょ?」
「な・・何をっスか?」
「一護の父親が、死神だってこと」
それを聞いた瞬間、浦原の頭に何か固いものでも当たったような衝撃が起こった。
確かににはそのことは一言も話してなかった。
彼女が最初にルキアをここに連れてきて、自分に義骸等の手配をするよう指示を出した時、彼は一護や黒崎家の名前をしっかり聞いていた。
そしてそれが一心の家族だということは予測はたっていた。
しかし喜助は意図的に黙っていたのではなく、なら既に気がついているだろうと思っていたからだ。
幾ら自分が作った義骸とはいえ、なら良く見れば勘付かないはずがないと思っていたから、言う必要もないと思っていたからだ。
だからまさか今まで気づいていなかったとは思っていなかったのだ。
しかしその言い訳をしたところで、今度は何時こっちで知り合ってたという話になり、どうしてその時にきちんと話しておかなかったということになるので、どう言い訳しても無理だと悟っている浦原は何も弁明する気も失せていた。
「す、すいませんでした」
よって素直に謝っておくのが1番だと判断した。
「・・まあ、良いわ。あんたにはルキアの件で協力してもらったし、今回はこれくらいにしておいてあげる」
「ありがとうございます」
「同罪の夜一にも多少説教したしねぇ」
それを聞いた瞬間、世界広しといえど夜一さんが大人しく説教聞くのはこの人だけだろうなと浦原は思った。
「まあ・・でも、それなりには償ってもらわないといけないし・・・」
「な、何をすればいいんでしょうか?」
一難去ったと思った矢先に出たの無情の言葉に、浦原は緊張で喉を鳴らした。
「・・とりあえず、記換神機のスペア燃料・・・1番ランクの高いやつ5本と・・」
「あの・・・様・・・・・あれ結構高いんっスけど・・・」
「きーすーけー?」
「はい、すいません。ただで結構です・・・」
「よろしい!で、後は・・・この店にある駄菓子も幾つかただにしてね」
「・・まあ、もう別に良いっスけど・・・・・駄菓子なんて持っててどうするんっスか?」
あまりが駄菓子などを自分に要求したことがないので少し喜助は不思議に思っていた。
するとは心底機嫌の良い顔で笑って見せた。
「ピクニック行くのよ!」
そう言ったの雰囲気はここに来た当初とは違い本当に晴れ晴れとしていた。













6月の良く晴れたその日。
黒崎家は毎年恒例のピクニックに出かけていた。
といっても、毎年行くところも決まって同じなのだが。
「ふわーー!やっぱりここの坂、キツイね〜〜・・・」
「そっか?アタシは別に」
「がんばれ遊子!負けるな遊子!父さんがついてるぞ!!」
長い坂道に既に疲れてきている遊子に対し、まさに見たまま元気が有り余っている様子の一心がハイテンションで激励する。
その光景を後ろから着いて行っている数名は各々の反応で眺めていた。
「いや〜〜、楽しい旦那さんね〜」
「そうだね〜」
「ふふっ、ありがとうございます」
「・・・おふくろ、それなんか違う。・・・っていうか、そもそもなんでいるんだ?お前等」
少しずれた事を口にしている母親に突っ込みつつ、何故か一緒についてきている2名に目を向けていた。
すなわち、と織姫に。
「決まってるでしょ。誘われたのよ!」
「誰に?!」
「私よ」
「おふくろ?!!」
「そして私が織姫達を誘った!!」
「うん!そうなの!!」
「更にお前もそこで勝手なことをするな!・・・っていうか、『達』ってなんだよ?!」
一護が激しく突っ込みを入れつつ、の告げた言葉の一部が気になり尋ねたが、その答えは彼等の横を転がって言った人物によって答えられないままになった。
「あ、あなた・・・?!」
「大暴落――!!父さん大暴落につき本日の東証は大荒れの模様ーーー!!」
「上場からやり直せィ!!」
慌てる真咲に対し、一心は何やら冗談めいたことを言いながら転がっていき、蹴り飛ばして転がした夏梨に至っては特に気にしていないようだった。
むしろその冗談に付き合っている様子もある。
「・・・結構余裕みたいね」
「あーー・・・」
転がりつつも冗談じみた事を言う一心には笑いながらそう言い、一護は呆れ果てて頭を押さえこんでいた。
「本当に楽しいお父さんだよね〜〜」
「・・こっちは情けなくなってくるがな」
心の底からそう思って言っているであろう織姫に対し、一護は逆にますます情けなくなって来ていた。
「ふぅ・・それにしても、今日は暑いね〜」
「ん・・ああ、そうだな」
「本当よね〜・・・・・あの日と同じ6月17日だなんて、思えないくらい・・・」
「ん?なんか言ったか?」
何やらぽつりと呟いたに、一護が不思議そうに尋ねた。
しかしは至って平静のままにっこり笑うと何時もと変わらぬ様子で告げた。
「別に、何も言ってないわよ」
「・・・そうか?」
「そうよ」
「あーーー!」
それでもやはり少しおかしいと思った一護が再度尋ねようとした瞬間、織姫から上がった歓喜の声でそれは打ち消された。
「たつきちゃん!朽木さん!お待たせ〜〜」
「・・・・・・」
その代わり、先程が口にしていた『達』の答えがこれであると、一護はここに来てようやく知る事になったのだった。











道中色々と突っ込み等をしてくる一護を適当に全員であしらい、目的地に到着して早々お弁当を食べ終えてから暫くしての自由時間に、は一同から離れて1人林の中を歩いていた。
「いや〜〜、さっすが真咲の料理。美味しかったわ〜」
お弁当をお腹いっぱい食べてご満悦といった様子のだったが、暫くするとぴたりと足を止めて笑っている顔とはうらはらに緊張感のある空気を身に纏っていた。
「そこにいるんでしょ?出てきたら?」
彼女1人しかいないはずのその場所で確信を持った様子でそう告げた。
辺りはかんぜんに静まり返ってどう考えても彼女1人しかいないはずであるがは待ち続けた。
そして暫くして彼女の呼びかけの通り、の後ろにある人物が姿を現していた。
灰色の髪に薄墨色の瞳をした20歳前後の男性の姿をしたその人物は、極めて無表情な状態での後ろに静かに立っていた。
その気配を感じ取った瞬間、はにっこりと笑って振り返った。
「おっひさしぶり♪」
「・・・久しぶりだな」
至って友好的なに対し、その人物は溜息をつきながら挨拶をした。
「ちょ・・・なによ?その素っ気無い態度は?!」
「・・・お前の様子見てたら溜息の1つもつきたくなる。・・・・・というか、その喋り方なんだ?」
「可愛い?」
「俺はまあ、あまり気にしないが・・・あいつらは絶対に気持ち悪いとか言うぞ」
「失礼な・・・ってい言いたい所だけど・・・確かにいうかもねぇ。特に赤い方とか」
この場にいない人物達を思い浮かべてこくこくと頷きながらはそう言った。
そんなの様子を口調は変わっているが、中身はやはり変わっていないと思いつつ、その人物はまた軽く溜息をついて口を開いた。
「・・・随分、気に入っているようだな。あの家族・・」
「ん?まあね・・・」
「特にあの母親と息子か・・・・・というよりも、あの母親・・・」
「ああ、気がついた?」
彼の言葉には少し自嘲的な笑みを零した。
「・・・気づくだろ。しかし・・そうか、それほどの人物がまだ・・」
「現世もまだまだ捨てたもんじゃないわよね。・・・っていうか、尸魂界より遥かにまし?」
「・・・お前」
「はい、はい・・言いたいことは解ってますってば」
のあまりの発言を彼が嗜めようとすると、は手を打ち鳴らしながそう言ってそれを阻んだ。
「まったく・・・本当に変わらないな・・・」
「あんたもね。あの中で私と1番近い感性なのってあんただろーし」
「・・否定したいところだが・・・俺もお前同様に何年も帰らずこっちにいるからな・・」
「でしょ」
「まあ・・・もっとも帰った時、お前の方が俺よりも酷くあいつ等から説教が来るだろうがな・・」
「え〜〜なんでそうなるわけ?」
「俺はこれでも定期的に連絡は入れているからな。・・・お前、多分それさえもしてないだろ?」
「うっ・・・・・」
彼の言葉に図星をつかれは言葉が出なくなってしまった。
彼の言った通り連絡など一切入れていないには、現在帰って思いっきり色々言われている自分の姿が目に浮かんでいる。
片方はまだましだが、片方はかなりしつこいということまで容易に予想でき、その嫌な予想に遠い目をしながらぼそりと呟いた。
「・・・・・永遠に帰らないでおこうかなぁ・・・」
「・・・おい」
さすがにそれはもっとまずいだろうと彼の短い突込みが入った。
そしてそれを聞き取ったは最早開き直った様子だった。
「はい、は〜い。解りました。帰る。その内帰りますってっば・・・」
適当に言うその言葉が、かなり先になるだろうということは簡単に予想できたが、彼自身もすぐに帰る気など全くなかったためそこはあえて突っ込まなかった。
お互いまだ暫くの間の現世での放浪生活を楽しみたいのだ。
は今は少し定住気味のようだが。
「あれ?もう行くの?」
突然くるりと後ろを向いた彼にがきょとんとして声をかける。
「ああ・・・人もきたようだしな」
「・・あっ、ほんとだ」
彼の言葉と共に近づいてくる良く知った霊圧を感じてがそちらの方向を見る。
「じゃあ、またな・・」
「うん。またね」
そう言って2人が分かれの挨拶を交わすと、彼の姿はまるで今までそこに居なかったかのように、霞の如く消え去っていた。
「ふぅ・・さてっと」
彼が去ったのを確認して、再び霊圧の近づいてくる方向を振り向けば、今度はこちらに向かって歩いてくるその見知った姿も確認することが出来た。
「あ、さんいたー」
「こんな何もないとこに1人で何してんだよ?」
「ちょっとね」
一護の言葉に何故かとても機嫌がよさそうににっこりと微笑むの姿に全員が自然に首を傾げた。
「あ、そうそう。ルキア、これ渡しとくわ」
「これはっ!」
思い出したかのようにが取り出した物にルキアは目を丸くして驚いた。
「記換神機のスペア燃料の1番高いやつ。計5本」
「お前っ・・・これは物凄く高いのだぞ!一体、どうして」
「喜助からただで分捕った」
「・・・・・・・」
「ちなみに駄菓子も」
「あれもかよ?!」
「ボス、ナイスでっす!!」
の発言にルキアが耳を疑って呆然とし、更に次の台詞に一護も驚いて突っ込みを入れると、それとほぼ同時に一護の反応とは全く逆の反応を見せたぬいぐるみがルキアの鞄から顔を覗かせた。
「あら〜〜、コンはそう言ってくれるのね。ありがと」
「当然っスよ!あいつら俺の事廃棄処分にしようとしましたからね!ざまーみろです!!」
のしでかしたことにかなり上機嫌になって賛同しているコンだったが、そのぬいぐるみの身体を一護に思いっきり鷲掴みにされて一護と近距離で顔を見合わせることになる。
「なんでテメーまで付いてきてるんだよ?!っていうか、『ボス』ってなんだ?!」
「そんなの決まってるだろーが!俺はネエさんに命を救われ、ボスにこのパーフェクトボディを貰ったんだ!その2人を『ネエさん』、『ボス』と呼んで慕うのは当然だろうが!!」
「その呼び方もどうかと思うけど・・・はっきり言って、さんがぬいぐるみ持ってきた時は驚いたわ」
「ああ・・・まさか私も改造魂魄がぬいぐるみに入るなどとは思いもよらなかった・・・」
遠い目をしながらそう言い合うルキアとたつきの言葉に賛同するように一護も自然と首を縦に振っていた。



先日、ルキアが浦原商店で仕入れたらしい義魂丸が、実は尸魂界で破棄命令の出ていた改造魂魄であったことから騒動が起きた。
結局その騒動は一護とルキアの2人がなんとか解決し、浦原が回収破棄しようとしたそれを一護とルキアが引き取った。
しかしそこで問題が生じたのは、この改造魂魄の身体をどうしようかということである。
試行錯誤し悩みに悩んでいる2人の下に、それまで珍しく傍観していたが笑顔で1体のぬいぐるみを差し出してその中に改造魂魄を入れた。
一護とルキアが事態に驚く中、無事改造魂魄の新しい肉体はぬいぐるみに決定したのであった。
「・・・なんか、最後においしいとこだけ持ってかれた気もする」
「・・・私もだ」
「えっ?そう?」
顔を引き攣らせてそう言い合う一護に対し、しれっと笑顔でにこやかに笑ってそう言うに、2人は深い溜息を漏らしたのだった。
その時、全員の耳に何やら間の抜けた音が聞こえてきた。
「あれ?この笛の音って・・」
「親父・・・」
かなり間の抜けた笛の音の正体に気づき、一護は顔を引き攣らせて頭を押さえ込んだ。
「じゃあ、集合もかかったみたいだし。戻りますか」
この間の抜けた笛の音には数名の者が色々と突っ込みたいこともあったが、とりあえず一同はの言うとおり集合場所へと戻っていたのだった。













一同は未だ精一杯笛を吹き鳴らし続けている一心と、その傍らにいる真咲に所に戻ってきた。
そして戻ってきた瞬間、一護が呆れた声で第一声を大きく口にした。
「だーもーうるせー!!そんな吹かんでも聞こえてるっつーの!!」
「おっ、来たかお前達」
「おう・・・って、あれ?遊子と夏梨は?まだかよ?」
きょろきょろと辺りを見渡してみれば、2人の妹の姿はなかった。
「まだ帰ってこないのよ。一体、どうしたのかしらね・・」
「まったく母さんの言う通りだ。これが一護1人ならとっくに吹くのヤメて先に帰っとるのに!」
「「おいっ・・・」」
真咲に賛同しながらも、かなり無茶苦茶なことを口にする一心に対し、当の一護と一護の幼馴染であるたつきが突っ込みをいれた。
「オマエちょっと行ってさがしてこいよ」
「やだよめんどくせー。自分で行きゃいいだろ」
一心の言葉に一護がいかにも面倒くさそうにその場に座り込むと、一心は物凄い勢いで一護を責め始めた。
しかしその後言っていることは微妙に滅茶苦茶だとその場にいる数名が思った。
その時、その場にいた数名に憶えのある嫌な感覚が走った。
そしてすぐさまさっと顔を青褪めさした一護は一心のふざけた言葉も聞かずそのまま走り去っていった。
そしてその後を慌ててルキアが追い、もすぐさま追いかけようとしたその時、どさっと地に何かが落ちるような音がした。
音のした方に振り返ってみれば、そこには地に膝を付き、己の肩を抱いて震えている真咲の姿があった。
「真咲!」
「母さん?!」
その様子を見たと一心が慌てて駆け寄り、その後すぐに織姫とたつきも駆け寄る。
「おばさん!大丈夫?!」
「ええ・・大丈夫・・・・・」
にっこりと微笑んでいるものの、その笑顔がかなり無理をしていることは誰にも解った。
まるで真咲は何かに怯えているようだった。
そして、それが何かを知るのはこの場では1人だけだった。
「・・・かなきゃ・・」
「母さん?!」
「あの子達のところに・・行かなきゃ・・・」
そう言って怯えて震えている身体で無茶をして立とうとした真咲だったが、力の入らな体で無理に立とうとしたため足を滑らせて転びそうになったところを一心に受け止められる。
やがて雨が降り始め、それでもまだ身体の震えた状態の真咲を見て、は何かを決心したかのように立ち上がった。
「・・全員、真咲を連れてここからちょっと離れてて」
・・さん?」
「安心しなさい、真咲。一護達は・・あんたの子供達は絶対私が護ってみせる」
「・・・さ」
「私は・・・約束を破ったりしないから」
他の者達には何がどうなっているのか解らなかったが、真咲にだけは解るようにそう告げた瞬間、はその場から瞬歩で姿を消していた。












達が真咲の異変に遭遇していた時、一護はルキアと共に妹達を襲っている虚に遭遇していた。
無事に妹達を助け出したものの、一護はその虚のおかしな動作に眉を潜めていた。
それはまるで自分を観察しているようなものだった。
「・・・なんだよ?」
「はて・・?お前どこかで見たことがあるか?」
「・・・なに?」
虚の一言に当然全く憶えのない一護は怪訝な表情をする。
「わしは昔のことを普通覚えておらんのだが・・・どうしてか、お前には見覚えがある気がする・・・」
その虚の言葉にルキアが一護に事情を尋ねようとしたが、当の一護の方も何がどうなっているのか全く解らないといった様子だった。
そして、ようやく虚が思い出したという声を上げた。
「そうか!お前・・・あの時、わしが殺しはしたが、食いそこねた女の息子か!?」
「・・・・・えっ?」
その虚の言葉に一護は余計に意味が解らないといった様子だった。
一護にとってその虚の言葉はとても信じられないものだった。
なぜなら、彼の母親である真咲は確かに生きて、今でも自分達と共に暮らしているのだから。
しかしその一護の思いを砕くように、虚は次々と事の次第を話していく。
「そうだ・・・段々と思い出してきたぞ・・・わしはあの時、わしの疑似餌が見えたお前の方を食おうとした。だが、あの女が邪魔をしてお前でなくあの女を殺し、だからお前を殺して食らう前に、前菜としてあの女を食らおうとした・・・」
そこまで話した次の瞬間、何故か虚は急に忌々しそうな口調になった。
「だが、食らえなかった」
更に思い出すたびに虚の不機嫌さはまし、それが口調にも出て話し方が激しくなっていた。
「あの時、邪魔者が入り、このわしに手傷を負わせた!そのため、わしは退くこととなり・・・結果的にお前達を食らえなかった!!」
昔のことを完全に思い出し、怒りを露にした虚は、未だ混乱している一護に一歩近づいた。
「しかし今またわしの目の前に現れるとは好都合!小僧!あの時の屈辱を注ぐ意味も込め、今度こそお前を食らって・・・」
「そう・・・やっぱり、あの時始末しておくべきだったわね」
虚が全てを告げて一護に襲い掛かるよりも早く、とても冷たいが微かに怒りを含んだような声と同時に、その場に現れた人物によって一瞬で蹴り上げられその場に倒れていた。
蹴り上げられた虚自身も、一護やルキアも一瞬何が起こったのか解らなかったが、その場に立っていた人物を見て声を上げた。
・・!」
しかしそれ以上2人は声をかけるのをためらった。
なぜなら、今のは明らかに普段の明るくどこかふざけた雰囲気とはかけ離れ、怒りを全身に纏った冷たい目で虚を見下ろしていたからだった。
その近寄りがたい雰囲気に2人はぞくりと背筋に冷たいものを感じた。
「・・・ぐっ・・お前は・・」
「・・・久しぶりね。グランドフィッシャー・・・私の顔を忘れた?」
「グランド・・フィッシャーだと?!」
の告げた名前にルキアは驚き、すぐさま伝令神機ですぐさまデータを調べると、やはり思っていた通りのデータが上がってきた。
「グランドフィッシャーって・・・なんだよ?」
「自らは姿を隠し首から生えた疑似餌に人の形をとらせ、それが見えた人間・・・つまり、霊的濃度の高い魂を持った人間だけを食らい、そうすることで自らも高い力を得、54年もの長きに渡って我々死神を退け続けてきた虚だ・・・」
冷汗を流しながらそう告げるルキアの言葉を聞き、一護もまた相手の力量をして冷汗を流した。
「しかし・・・何故そんな奴をは知っているのだ・・?」
「・・・・・・っ」
確かにルキアの言うとおり、何故がそんな虚の事を知っているのか。
否、そもそも先程のの口調からすると、かなり因縁を持った顔見知りのようにも取れる。
そしてそれを肯定するように、またその答えを出すかのように、グランドフィッシャーは声を荒げた。
「貴様は・・・あの時!わしの邪魔をしてくれた!?」
「ええ・・そうよ・・・」
「憶えておる・・・憶えておるぞ!姿形は多少違うようだが、その小憎らしい顔は決して忘れぬ!あの時、わしの邪魔を・・・・・あの小僧の母親を食おうとしたのを邪魔してくれた女!!」
グランドフィッシャーのその言葉を聞き、様々な意味で一護の内に衝撃が走った。
母親がグランドフィッシャーに殺された事も未だ信じられない事であるのに、この上がグランドフィッシャーが母親の魂を食らうのを邪魔したということはとても信じられなかった。
しかし、そこで先程まで小雨だった雨がいきなり本降りを始めた時、一護の頭の中に先程のグランドフィッシャーの語った内容とその雨が合わさり、過去の事が急激に思い返されてきた。
そして目を大きく見開き、一護は震えながら呟き始めた。
「そうだ・・・俺は・・・6年前のあの日、女の子を助けようとして飛び出して・・・・・でも、女の子は消えてて・・俺の代わりにおふくろが・・・」
「一護!!」
一護の言葉の聞こえたが焦ったように声を上げたが、すでにそれは遅いことだった。
「おふくろが・・・血まみれになってた・・・」
そしてそのままその場に膝をついた一護を見て、は駆け寄ろうとしたが、それをやめ即座にまたグランドフィッシャーを蹴り上げていた。
「ぐあああぁっ!」
「・・・よくも余計なことをぺらぺらと一護に・・・・・おかげで思い出してしまったじゃない」
「な・・・に・・」
「あの時の記憶は一護には辛いだろうからと・・・真咲と話をして私の力で改変していたのに・・・」
「なっ?!」
の告げた言葉にルキアは驚いた。
確かに尸魂界に存在する道具の中には記憶置換できるものもある。
しかしそれはあくまで何かしらの道具の力であり、個人自身の力によるものではない。
だが今が言った言葉をそのまま受け取るなら、どう考えても彼女自身が元から持っている能力で行ったと取れる。
しかしそんなものはルキアは聞いたことも見たここともなかった。
しかも6年前ということは、素直にの姿のままの年齢だと信じるなら、現在16歳であるが6年前、わずか10歳の子供の身でどうやってそんなことをし、おまけにグランドフィッシャーを退けられたというのだろうか。
ルキアにはとても理解のしがたいことであった。
「・・・あの時、真咲が私に願ったのは・・・一護を始めとする自分の家族の幸福・・・」
一護とルキアがそれぞれ混乱する中、は静かに語りだした。
それはあまりにも衝撃的な内容だった。
「だから、私は真咲を生き返らせた。一護にとって母親である真咲は本当に大事な存在だったから・・・その真咲を失っては本当に幸せになれるとは思わなかったから・・・」
それは先程の記憶改変などよりも明らかにありえない事実。
人を生き返らせることなど普通出来るはずがない。
そんなことはありえるはずがないと、死神であるルキアが誰よりも良く解り知っていた。
しかしはその事実をさも当たり前の事のように語っていた。
「そして私は真咲と約束した・・・もしも今後、彼女達家族に何か起こった時は私が駆けつけ助けると・・・何故なら、あの願いは一時で済まされるようなものではないからだと・・」
語り続けるに雰囲気は、最早完全に普段のものとは違っていた。
グランドフィッシャーに向けるその怒りの念は、一護やルキアにさえ深い恐怖を感じさせるほどのものになっていた。
「・・・だからこそ、やはりあの時始末しておけばよかった・・・そうすれば、こうしてまた一護達に害を与えることも出来なかったのに・・・」
「きさ・・ま・・・」
「今度こそ本当に逃れられると思うな。お前はこのまま消えてもらう・・・ただし!」
そこで一旦強く言葉を切ると、は右手を軽く上向きに掲げ、そしてその手の中に1本の刀が現れていた。
「・・あれは、斬魄刀・・・いや、違う・・・」
ルキアはその刀を最初斬魄刀かとも思ったが、何かが斬魄刀と違うと感じ、すぐに違うものだと判断した。
しかし、それが何かまでは判別することは出来なかった。
そしては一護とルキアが見守る中、その謎の刀を振り上げた。
「・・・貴様は地獄に堕ちることさえも許さない!このまま、その魂全て滅び去ってしまうが良い!!」
「うぎゃあああぁあ!」
によって勢いよく振り下ろされたその刀は、グランドフィッシャーの刀を縦に完全に斬り先、グランドフィッシャーは断末魔の悲鳴を上げて終わりを迎えた。
ただし、が告げたとおり、浄化されることは勿論、地獄の門が出現することもなく、グランドフィッシャーの身体は一護もルキアでさえも今まで見たことがないような消え方をした。
身体は最初砂のように崩れ落ち、そして次にはそれが一瞬のうちに音もなく消え去った。
これが魂全てが滅びるということなのかと、一護とルキアはぞっとした。
一方、それを行ったは軽く溜息と吐くと、今度は手に持っていたその刀を消し去っていた。
そして暫くして、まるで意を決したかのように一護に近づいた。
「・・一護」
が近づいて声をかけた瞬間、はっとした一護は彼女の服を掴み上げていた。
「・・・!どういうことだ?!お前は何者だ?!!お前がおふくろを生き返らせたって・・・一体全体何がどうなって・・」
「落ち着いて、一護」
混乱して次から次へと質問してくる一護に、は冷静に一護に声をかけた。
「・・・今は・・まだ全部を話せない。話すにはまだ早すぎるのよ」
「けどよ・・・」
「あんたの母親は・・・真咲は今ちゃんと生きてる。1度死んでいようと、今ちゃんと生きてるのよ!その事実を、今は何より大切にしなさい」
にそう言われ、一護はそれ以上何も言えなくなってしまった。
確かにの言うとおり、1度死んでいたとしても、真咲は確かに今生きているのだから。
「・・・とにかく、今は戻るわよ。あんたの妹達をあのままにしておけないし・・・真咲達も心配してる」
のその言葉に一護はただ静かに頷くと、未だ気絶している妹達を連れてとルキアと共に母親達のいる場所に戻ることにした。
多少の後味の悪さを感じながら・・・











公園の中央にある屋根つきのベンチに寝かされていた真咲はようやく目を覚ました。
それに気がついた全員が彼女の傍に近づく。
「・・母さん、大丈夫か?!」
「・・あなた・・・」
「いや〜、疲れがたまってたのかな?母さん、突然気を失って、本当に心配したよ」
「・・・・・一護と遊子と夏梨は?」
心底安心したという一心とはうらはらに、まだ完全に状況把握が出来ていない様子の真咲は一護達の名前を呼んだ。
「・・俺達ならここにいるけど?」
「お母さん大丈夫?」
「・・・そう、良かった・・・良かった・・・・・・・ありがとう」
そう言って安心しきったようにまた眠りについた真咲が、眠りに着く前、何故かを見て微笑みながら礼を言ったのに誰もが気づき眉を潜めていた。













真咲はその日のことを夢に見ていた。
雨が降っている・・・
まるでバケツをひっくり返したかのような大量の雨・・・
とても暗くて嫌な雨・・・
その日、息子を庇って確かに自分は死んだことを憶えている。
息子を・・一護を庇って死んだことは気にはしていない。
寧ろ、大事な子供の命を守れたことは母親として嬉しいことだ。
しかしその思いは目の前にいるそれによってすぐにかき消された。
それは今まさに死んで魂となった自分を食らおうとしている。
そして自分を食らった後は、折角助かった一護を殺して食らおうとしている。
自分が死んだことよりも、自分が食らわれようとしていることよりも、そちらの方が余程真咲にとっては恐怖だった。
自分が食らわれた後は、誰も一護を助けてはくれない。
一護自身、気絶しているため誰も助けてはくれない。
絶望を抱えた状況でまさに自分が食らわれようとしたまさにその時、自分を食らおうとしたそれが逆に悲鳴を上げていた。
そして何か恨み言を吐いてそのままその場を去っていた。
何が起こったのか解らず、呆然としていた真咲に、凛とした声が後ろから聞こえてきた。
『・・・その子供はお前の子じゃな?』
振り返ってみるとそこに、明らかに人ではないと思える特徴を持った人物が悠然と立っていた。
雨が降っているにも関わらず、その身体も身につけているものもまるで濡れていない。
しかしその正体不明の人物に真咲は全く警戒心を抱かなかった。
それは彼女の纏っている清浄で、どこか優しげな空気を感じ取ったためだった。
『・・・あなたは?』
『私の名は    。先程のお前の取った行動見せてもらった。・・・しかし、お前の命を助けることが出来なくてすまなかったな』
『いえ・・・息子の命を救っていただいて、本当に感謝の言葉もありません』
真咲のその言葉を聞き、その人物は何か考え込むような様子で真咲と一護を交互に見ていた。
『あの・・・?』
『ああ・・すまぬ。あの虚の事なら心配するな。あれだけ手酷い傷を負っては、暫くの間は大人しくしておるしかなかろうからな』
『そう・・ですか』
その言葉を聞き真咲は心底安心しきった様子だったが、その人物は少し複雑そうだった。
『本来ならば、あのまま逃がさず倒しておくべきだったのじゃがな・・・こちらの方が急を要すると思ったのじゃ』
『こちらの方・・・?』
何のことかと真咲が不思議そうにしていると、その人物は既に遺体となった真咲の身体に近づいた。
『ふむ・・これならまだ大丈夫じゃな・・・・・あまり時間が経ちすぎるのは、少し問題じゃからな』
『あの・・・私の身体が何か・・・』
『ああ、すまぬ。説明もなしにじろじろ見て』
『いえ・・構いませんが・・』
『何・・あまり死んだ状態が長いと生き返りに支障をきたす恐れがあるのでな』
『えっ・・・・・?』
その人物の言葉に驚き、真咲は思わず声を漏らした。
『先程言ったじゃろ?お前が死ぬ直前に取った行動を見たと』
『・・・はい』
『私はな・・・死者の願いを叶えることが出来るのじゃ』
『えっ・・・?』
あまりの飛びぬけたその発言に、真咲は先程と同じように驚き同じ反応をした。
『ただどんな者の願いでも叶えられるわけではない。条件が2つほどある』
『条件・・・ですか?』
『そうじゃ。1つ目は、私が死場に立ち会った者。2つ目はその際、私が著しい善行を行ったと思う者』
その人物の説明を聞いても、真咲にはまだ何がなんのか全く解らなかった。
『この条件に当てはまるものは実は極めて少ない。しかし、お前はこの2つの条件に幸か不幸か当てはまった。まあ・・・死んだ時点で幸せではないと思うが・・・』
自嘲的に笑いながらそう告げるその人物に対し、真咲は今一理解することが出来なかった。
1つ目の条件はまだしも、2つ目の条件がどう自分に当てはまっているのかが解らなかったからだ。
するとその人物はそれを察したのか苦笑して見せた。
『先程、お前は自分の息子を命がけで庇ったじゃろう?』
『あれは・・・母親として当然の事をしたまでで・・』
『そうかもしれん。しかし、今の世ではそれを出来るものは極めて少なくなってしまった。ましてや、あのようなわけの解らぬものに即座に立ち向かっていける者など・・』
『・・・・・・』
『じゃから、私はお前を認めた。それもあれは極めて素晴らしい善行であると判断した。叶えられる願いも善行の度合いによって変わってくるのじゃ。先程のお前の行動は、お前を生き返らせるに足るほどの善行じゃ』
優しく微笑んで語り掛けるその人物の言葉を、真咲は何かを考えながらただ黙って聞いていた。
『さあ、願いを言え。生き返りたいと願えば、お前をすぐにでも生き返らせてやれるぞ』
『・・・なら、お願いがあります』
その人物の言葉に何やら考え込んでいた真咲は、ようやく決めたというような晴れ晴れとした表情で口を開き、はっきりと告げた。
『私の願いは・・・この子・・・一護を始めとする、私の家族の幸せです』
『・・・・・何?』
『私は、生き返る気はありません。ですが・・・その代わり、一護を・・・私の家族達を幸せにしてください』
予想外の言葉をはっきりと告げた真咲の言葉に、暫く目を丸くして呆然としていたその人物だったが、やがて可笑しそうに笑い出した。
『なるほど・・・そうか・・・』
『あの・・・?』
『いや、すまぬ。まさか死んでなお、自分が生き返ることよりも、家族の幸福を願うとは・・・』
くすくすと笑ってその人物は心底嬉しそうに告げた。
『お前は本当に、優しい綺麗な心を持っておるようだな』
『そんなことは・・・』
『いや、そうじゃよ・・・そうか、それではその願い叶えるとしよう・・・』
そう言うとその人物は手に持っていた杓杖のようなものを振りかざした。
『資格を持つものよ・・・お前の願いを叶えよう・・・ゆえに2人の願いを叶えよう・・・だから・・・お前の命を救ってやろう・・・』
『えっ・・・?』
その人物が口にしたその言葉に、真咲は驚いて声を漏らした。
そして予想通りのその反応に、その人物は優しく微笑んだ。
『案ずるな。お前の願いである家族の幸福は叶える。しかし・・・それはお前が死んだままでは叶わぬ願いのだ』
『それは、どういう・・・』
『この子は何よりも母であるお前を護りたいようじゃ・・・そのお前が死んでしまっては、この先本当に幸福になれるはずもない・・・』
『・・・・・・』
『じゃから、私はお前を生き返らせる。叶えられる願いは1つだけじゃが・・・これなら別に願いを2つ叶えたことにはならぬはずじゃからな・・・』
その言葉に真咲はじっと未だ倒れたまま気を失っている自分の息子を見下ろした。
そして嬉しそうに微笑むとありがとうと呟く声が聞こえ、その人物はますます上機嫌になっていた。
『・・・この子の記憶も多少改変しておくか。見てはおらぬかもしれんが・・・もし見ていた場合、自分のせいで母親が傷ついたと知れば己を責めるはずじゃからな・・・』
『何から何まで・・ありがとうございます』
心底感謝しているといった様子の真咲がぺこりと頭を下げると、その人物はまたにこりと微笑み首を横に振った。
『礼には及ばぬよ。さて、それでは身体の傷も修復しきったようじゃし。お前も生き返るが良い。・・・私はすぐにこの地を去るが・・・何かお前達家族に危機が迫る予感がすれば、すぐさまこの街に戻ってきてお前たち家族を助けると約束する』
『本当に、ありがとうございます・・・』 
そう言ってもう1度だけ礼を言うと、真咲の魂魄は肉体との因果の鎖の繋がりを取り戻し、己の身体の中に戻っていった。
まだ意識は戻っていないが、それを見て生き返ったことを確信したその人物は、2人が目を覚ます前にその場を後にすることにした。
『・・・礼を言うのは寧ろこちらの方じゃ。久しぶりに・・・人の情の素晴らしさを見せて貰ったぞ』
そう去り際にポツリと呟いたのを最後に、その人物の姿は雨と共にその姿を消していた。
彼女が去ったすぐ後に、激しかった雨は止み、暗雲は消え去り清々しい蒼い空と太陽が姿を見せていた。
それはまるで・・・これ以上2人が雨で濡れてしまうことを防ぐかのように。










あとがき

・・・・・長っ!
今回長すぎです;私的に燃え尽きました。
これが蒼紅華楽だったら、ひょっとしたら途中の霧がいいところできってるかもしれません・・・
しかしこの四宝神刀ではそうはいかなかったです・・・;
書いていて私的に1番楽しかったのは、冒頭の浦原商店奇襲;
伝令神機のスペア燃料・最高ランクのものと駄菓子を脅し取る主人公・・・;
ちなみに、浦原さんは主人公の正体知ってます。
夜一さんに教えてもらいました。
そして今回のIfはコンの身体を調達したのは主人公だということと、家族の行事に織姫、たつき、ルキアも参戦、そしてグランドフィシャーこの時点で倒されるでした;
まあ、ほとんど意味をなしてない気もしますが・・・
ちなみに真咲さんが生きている都合上、墓参りはないので、家族恒例ピクニックにしました。
しかも日付の曜日まで変えてすいません;(原作と違って日曜日になってます)
グランドフィッシャーがこの時点で倒されたことには反感があると思いますが、しかし原作で見る限り彼(?)が次に出てきたとしても一方的すぎるほど一心パパに早々に倒されるのでまあいいかという見解です;(おいっ)
最後に、あえて名前を出しませんでしたが、ラストで真咲さんの夢の中に出てきた人物が誰かはバレバレですね・・
口調が違いますけど・・・・・;





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