Waking moon

二章・旅立ち(天上)



意識がはっきりしない中、誰かがざわざわと騒いでいるのがかすかに聞き取れた。
瞳をまだあけることができないために、それが誰なのか確認することはできない。
しかし、慌てているらしいことは感じ取れた。



「なぜこんな所に倒れているんだ?!」
「それも魔人だぞ・・・・・」
「とにかく、すぐ『王』に報告を!」
ようやく開いた紅の瞳には、煌き輝きを放つ景色と、羽ばたく白がかすかな間映し、そしてまた瞳を閉じた。





先程意識を少し取り戻した時は硬い感触であったのに、今は身が沈むような柔らかく暖かい感触に心地よさを感じて薄く瞳を開く。
自分の現状が良く解からず暫く呆けていると、視界に1つの影が現れた。
「どうやら気が付いたみたいだね」
「えっ・・・・・?」
まだ少しはっきりしない思考の中、まじまじとその人物の顔を暫く見ていると、ようやく思考が通常どおり戻り、その瞬間ぎょっとしてしまう。
「母上?!」
目の前にいる人物は自分とそっくりな顔をしていた。
自分とそっくりな顔の人物といえば、母親であり、王妃であるアレク。
しかし、母親の髪は金色、瞳は赤。
だがこの目の前の人物は、顔こそ自分や母そっくりであるが、髪の色は紫、瞳は金色である。
「ひょっとして・・・・・お前がセレス・・か?」
自分の母親以外で自分とそっくりな人物で、まだ会った事のないセレスという6翼の天使がいるということを前もって知っていた。
元を正せば、母がセレスに似ているため、自分も似ていると言ったほうが正しいのかもしれないが。
かつて、天上から堕ちてきて奈落を作り、その奈落を滅ぼそうとしたために父と母と闘い、今では天上に戻って天上の『王』の座に就いているという。



「知ってて貰えてるとはね。アレクたちから聞いたのかい?」
「・・・・・違う、俺の能力で知った。お前が、天上から堕ちてきてから、戻るまである程度細かにな」
「・・・そうなんだ」
「お前が居るということは・・・・・ここは天上か?」
「そうだよ。昔のように不仲だったら、君はその場で処刑対象だよ・・・アイスリーズ=パストゥール殿下」
「・・・・・・・・・・・」
あの戦いの後、色々あったが父たちとセレスは和解して、セレスがどうやったのか無事に天上に戻って『王』になった時に奈落と天上は同盟を結んだ。
そのおかげで今は奈落に天使はむやみに来ないし、天使によって奈落が脅かされる事もなくなった。
天使に対する偏見が完全になくなったわけではないが・・・・・
そして、それは天上側も同じはず。
少し前まで敵対していた奈落の住人である魔人を多少なりとも快くは思わないはずである。
奈落と天上が同盟を結んでいなかったのなら、自分はその場で殺されていたかもしれない。
今回自分を発見した天使にしても、自分ですぐには助けようとせず、おそらく『王』であるセレスの采配を仰いだあたりも昔の名残がどことなく伺える。
あの時、かすかに聞こえた声を思い出し、アイスはそう考えていた。



そこまで考え、アイスはふとあることに気が付く。
「そういえば、なんで俺は天上に居るんだ?!父上や母上やアクラたちは?!!それに・・・」
「はい、はい。1度に言わないで」
少し頭が混乱してしまっているのかも知れないアイスに、セレスが深い溜息をつきながら、それでもゆっくりと答えてやる。
「アレクたちは居ないけど。君の妹たちなら他の部屋で寝てるよ」
「・・・・・そうか」
「僕もよく解らないんだよね。なぜ、君たちが天上で倒れていたかも、奈落城と連絡がつかないのかも・・・」
「連絡がつかない?!」
アイスがセレスのその一言に目を大きく見開いて信じられないというような表情を作る。
「君たちを運ばせたあとすぐにね。・・・・・何かあったのかい?」
「・・・・・・・解らない」
セレスに尋ねられ、アイスは考え込むように顔を俯かせる。
『夏の守護王』というスノウと同等の力を持つ者が突然現れて、彼が何かしようとした瞬間、スノウが自分の名前を呼び、そして光に包まれた。
そこまでは覚えている。
あの後。何が起こったのかは解らないが、アイスの中に嫌な予感が駆け巡る。
そして、アイスの予感は今まで1度も外れたことはない。
こういった時にこそ、自分の能力は発動すべきであるはずなのに、なぜ発動してくれないのかと、アイスは自問自答に陥った。



そんなアイスの様子にセレスは短い溜息をついた。
「僕はこれから、君の妹たちの様子も見てくるよ」
そう言って立ち去ろうと後ろを向いたセレスの腕をアイスはすかさず掴んで呼び止めた。
そして、振り返ったセレスが少し動揺するほどの鋭い光をたたえた眼光を向けてこう言った。
「俺も連れて行け」





アイスがセレスと話をしている時、すでに全員は起き上がっていたようで、今は広いセレスの自室で揃って話をしていた。
「それじゃあ・・・・・本当にどうなったか解らないのですか?」
テールの問いにセレスは方を少し竦めて応える。
「本当だよ。城と連絡がつかない以上、奈落がどうなっているのかも解らない」
「・・・・・確かに、城以外にも何か起こっているかもしれないな」
場の空気はことのほか重苦しかった。
今までこんなに重い空気をアイスたちは今まで経験したことがなかった。
アクラの一件の時よりもこの空気は重い。



「これからどうされますか?アイス様、アクラ様」
「・・・・・・・あたしはこういうのはパス。兄上に任せるわ」
何時もは誰に遠慮することもなく自分の意見を押し通そうとするアクラでさえ、今回はかなり答えているらしく信じられないくらい静かで、しかしどこか落ち着きがないようだった。
「そうだな・・・戻れるものなら、今すぐ1度でも戻って」
「そんなのは自殺行為だぞ」
聞き覚えのない声が部屋の中に響き、全員がそちらを一斉に見た。
そこに立っていたのは18歳くらいの少年。
薄いオレンジの髪に、薄いダークブラウンの瞳をした親しみやすそうな雰囲気をしている。
被った帽子についている羽を模した飾りがよく目に付く。
「誰や?お前・・・・・・・・」
謎の人物の登場ブリックが身構え、腰の剣へと手をやる。
それぞれもすぐにでも戦えるように臨戦体制をとっている。
この人物が部屋に入ってきたことはもちろん、部屋の中にいたことに今まで誰も気がついていなかったのである。
その上、彼の先ほどの言葉は天上と連絡がつかない状態にある奈落の現状を知っているとしか思えない。
そんな人物に対して警戒をするというのは当然であろう。



「『秋の守護王』」
セレスが少し驚いたように出した言葉に、一同は驚愕の表情をする。
「『秋の守護王』?!」
「スノウや・・・あの『夏の守護王』と同じ・・・『四季の王』の1人じゃないか!」
「どうしてここに?!」
「まさか・・・俺たちを追って」
「混乱するのはそこまで」
完全に混乱しきって、一気に思い思いのことを口走る一同に『秋の守護王』は待ったをかけた。
「夏のせいで警戒するのも解るし、俺は確かにお前たちを追ってきた。でもそれは、冬・・・スノウの言付かりできたからだ」
「スノウの?!」
『秋の守護王』から出た言葉で一同の臨戦体制が半ば解除された。
それに満面の笑みをして『秋の守護王』は話を続ける。
「そっ。あいつからお前たちを『混じりの水』へ連れて行け・・・みたいな言付かりしてるんだ」
「『混じりの水』?」
「そうそう。セレス、そこに行かせてくれないか?」
「『混じりの水』・・・・・ああ、あの泉のこと。でも、あれはもともと君たちのものだし。僕の許可なんか必要ないんじゃ?」
「まあ・・・天上にある以上、ここの王の許可は形式的にもらっとかないとな」
2人だけでなにか解ったように話しているのを見て、一同はただ小首を傾げていた。





『混じりの水』と呼ばれたその泉は天上のほぼ中心地に位置していた。
綺麗に青く透き通っていて、濁りなど1つもない。
それでいてどこか不思議な青をしていた。
「綺麗・・・・・」
「この泉、ただの泉じゃないな」
「ご名答。感が良いな」
そう言って人懐っこく笑う『秋の守護王』は、どちらかというと信用していい野かもしれないとアイスは思うようになっていた。
「この泉の正式名称は『時越えの泉』」
「・・・それが、なんで『混じりの水』なんだ?」
「この泉は奈落の存在する、俺たち『四季の王』がそれぞれ配している、東西南北の大山の力の集中点・・・・・いわゆる、光を集めるレンズのような役割をしてるんだ」
「レンズ・・・・・・」
「それで、奈落と天上の世界を維持してる。と同時に、それだけの力を集めているためにここの泉は時間を渡れるんだ」
「時間をわたる?!」
「なるほど・・・それで『混じりの水』で、『時越えの泉』ですか」
ウォールの言葉に『秋の守護王』がにっこりと微笑んで満足そうに頷く。
「スノウの話では、お前たち・・・というよりも、お前がこの『時越えの泉』でわたった時間のさきに天上と奈落を救う鍵があるみたいだな」
「天上と・・・奈落を救う?!」
「そう・・・今、この2つの世界は虚無に回帰させられようとしてるんだ。『夏の守護王』と『春の守護王』がそう判断したために」
それを聞いた瞬間、アイス達の間に衝撃と様々な思いが駆け巡った。
それと同時にある疑問も湧く。
「・・・お前、俺たちに協力するような事していいのか?」
今の話を聞いていると、『夏の守護王』だけでなく、『春の守護王』も敵に回すということになる。
いくら同じ『四季の王』でも2対1で敵うはずがないし、1対1でもスノウは『夏の守護王』に勝ずに、こういった状況に陥っていると判断すべきなのだ。
それなのに、危険をおかしてまで自分たちに協力する理由がわからない。
「ああ、それなら気にするな。もともと、俺は昔から世界を虚無に返すのには嫌いなんだよ」
しかしアイスたちの緊張した問いかけにも『秋の守護王』は軽く片手を振りながらあっさりとそう言った。
「嫌い?・・・」
「そっ・・・実際、今まで何度も作って虚無に返した世界が幾つもあったが・・・・・俺はそれらを虚無に返すのにいつも必ず反対してきた」
「じゃあ・・・どうして今までの世界は滅びてきたんだ?!」
「ものすっごい理屈通されたら、それに不満でも賛成するしかないだろう?その上・・・3対1の多数決で負かされてたし」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
その言葉でアイスたちは今まではスノウも、滅ぼすことに賛成していたのかと少し複雑な気分になった。
「だから、あいつらに従うしかなかった・・・けど、今回は違う。今まで1番世界を虚無に返すのを率先して賛成だった冬・・・スノウが真っ先に反対したんだ!」
『秋の守護王』は自慢だというくらい嬉しそうにそのことを語った。
「俺たちの中でも最も冷徹、冷酷で、少しでも汚点見つけたら容赦なかったあいつがだぞ!正直俺は驚いたけどそれ以上に嬉しかったな・・・」
「そんなに・・・すごかったんか?昔のスノウ・・・・・」
あの普段のお気楽な性格からは信じられないという風にブリックが大きく目を見開いて冷や汗をたらす。
それは他の者たちも同じだった。
「ああ、そうだ。お前たちの親は知ってるはずだぞ。なにしろ、あいつを変えたのはお前たちの母親だからな」
そう言ってアイスとアクラを見て微笑む。
一方のアイスとアクラは顔を見合わせて少し驚いたような表情をするが少し納得してしまった。
確かにあの母親は荒んだ心を癒すことができるような人物だ。
「だから、お前たちの母親には感謝してるし、そう言った奴が生まれてきた今回の世界は、今まで以上に虚無に返すわけにはいかないと思ったんだ」
「なるほど・・・・・・・」
今までの話を聞いていて、『秋の守護王』が嘘をついているわけではないことが良く解った。
人を見る目は合うほうだし、何より話しているときの表情や声の調子は、演技であるようには思えなかった。
「・・・解った。お前のこと信用してやる」
「アイス様?!」
テールは少し驚いたように声をあげるが、その瞬間自分を見たアイスの瞳が真剣そのものであったため、何を言ってももう無駄だろうと半ばあきらめてそれ以上は何もいわなかった。
他の者たちもテールと似たようなものだった。



「だが、2つだけ質問していいか?」
「ん?なんだ?」
「まず、お前たちどこで知り合ったんだ」
そう言って、セレスと『秋の守護王』2人を同時に指差した。
それは『秋の守護王』が現れた時からの疑問であった。
セレスはまだ名乗っていない彼を『秋の守護王』と真っ先に呼んだのだ。
その後も、前からの知り合い出会ったかのような会話の調子だった。
するとセレスが少し肩をすくめて苦笑しながらそれの答えのような事を口にした。
「そもそも、僕がどうやってこっちに帰ってきたと思う?」
確かに、天上と奈落間の行き来は今で不可能になっている。
アイスとしても、自分が王になった時に真っ先にすることの1つがそれであると考えていたくらいだ。
「『秋の守護王』がこっちに帰してくれて、その時に知り合ったんだよ」
「まあ・・・あのまま奈落にいるより、天上に帰したほうがこいつのためにも世界のためにもなるかと思ってな。俺のほうから接触して帰してやった」
簡単であっさりしたその返答に半ば一同は呆れてしまう。
アイスは小さく溜息をつて再び口を開いた。
「2つ目・・・今、奈落はどうなっている?」
これこそアイスも、他の者たちも本当にずっと聞きたかったことなのだ。
アイスは他の者たちを代表して言っているといっても良い。
『秋の守護王』ならば、奈落の現状も知りえているはず。
「・・・・・・・今のところ、城以外にはなんの問題もない」
「言い換えれば・・・城には何か合ったということですね?いいえ、むしろあの状況下で何かないほうがおかしい」
ウォールも冷静にそう判断して言葉を出しているが、さすがにいつもの冷静沈着な彼の手も少し震えていた。
「・・・ああ。夏の奴が城丸ごと封結界で封印して、城中眠りについてる」
「父上や、母上たちもか?」
「その上、同じ『四季の王』のスノウまでな」
それを聞いてアイスは少し何か考える素振りをしたが、すぐに泉のほうに体を向ける。
「兄上・・・?」
「俺が行って帰ってくれば・・・この『世界』は救われるんだな?」
「アイス?!」
「そのために必要なモノを見つけられればな・・・・・・・・・」
「なら、行く」
アイスは完全に決心したというように強い眼差しを全員に向けていた。
「なにがあるんか、わからんのやで?!」
「だけど、こいつやスノウのいうことは・・・信用できると思うぞ」
「で、でも・・・」
「俺は奈落の第一王子で王位継承・・・次期奈落王だぞ。世界が滅ぶのを黙っているわけにはいかない立場だし・・・そんな立場なくても黙っていられるか!」
くるりと、また向き直って、『秋の守護王』の一歩手前まで歩み寄る。
「お前・・・名前ないのか?」
「ん?・・・ああ・・ないな。スノウのやつはお前の母親に貰ったからあるけど」
「それじゃあ・・・俺が今回の礼に付けてやる」
名前の有無を突然聞かれただけでも十分何事かと目を丸くして驚いていたというのに、その意外な申し出に『秋の守護王』は少し口を開いて先程よりもさらに驚いた表情をしていた。
その間にもアイスは名前を考えていた。
「ん〜〜っと・・・・・・・ストームブラウンでどうだ。愛称はトーンで」
今まで張り詰めていた糸を少し緩めたようにこの天上に来て・・・『夏の守護王』が現れて以来、初めての笑顔をアイスはした。
名前を貰ったことが嬉しかったのか、アイスのその笑顔につられたのか、その両方なのか、『秋の守護王』・・・トーンも満面の笑顔を作る。
「ああ・・・・・・」
「ありがとうな・・・トーン」
そう言って、右手を差し出してくるアイスの手を自然とトーンが握り返して2人名拍手をする。
その瞬間、トーンは少し驚いたような表情をする。
「?・・・どうかしたか?」
「・・・・・あっ!いや・・・・・なんでも」
そう言って誤魔化すように苦笑をするトーンを不思議に思うが、今は妙な詮索をしている暇はなかった。
「まあ・・・いいか。その辺は帰ってから追求する」
そう言って、くるりと振り返り助走をつけて泉に飛び込もうと踏み切る瞬間アイスは顔だけを少し後ろに向けた。
「じゃあ・・・行ってくる」
そう言った瞬間、アイスの体は『時渡りの泉』に勢い良く飛び込み、同時に泉が光り輝いた。
「兄上、置いていかないでよ!!」
「ああっ!アイス様もアクラ様もちょっと待って下さいよ!」
「あたしも行く〜〜〜☆」
「アイス様たちが行かれたのなら俺も行きます」
「はあ・・・・・しゃあないな。シャルト、しっかりつかまっとるんやで?」
「う・・・うん」
それぞれ、思い思いの言葉を口にしながらもアイスに続いて次々に泉に飛び込み、時を渡っていった。



セレスとトーンの2人だけになった空間に少し、重たい沈黙が続いた。
「・・・・・・・・・・」
「どうかした?」
「いや・・・・・・なんでもない」
「ことはないと思うが?」
その声を聞いた瞬間、2人は慌てて一斉に後ろを振り返った。
「夏に・・・春もか」
そこに佇む、明らかに面白くないといった様子の2人にトーンは苦虫を噛み潰したような表情をする。
「・・・どういうつもりか、説明してもらおうか?秋」
「いつからいた?」
「本当についさっきよ。『なんでもない』のところだもの」
『春の守護王』の言葉にトーンはほっと胸を撫で下ろす思いだった。
「質問に答えろ・・・秋」
「質問に答えるも何も・・・俺がこういった性格なのは昔からだろ?」
トーンの少しふざけているような答えに、暫くの間トーンを睨み付けていた『夏の守護王』だったが、溜息を1つつくといきなり踵を返した。
「まあ良い・・・スノウは封じたし、お前1人がどうしようと、この『世界』は虚無に帰るのだからな」
そう言った瞬間、『夏の守護王』はその場から静かに姿を消した。
「・・・・・良かったわね〜〜。とりあえず、今はあんたはどうにかされないようよ」
「それはどうも」
皮肉げな『春の守護王』の物言いに、同じく皮肉混じりな物言いでセレスは返事を返す。
「秋も・・・あんたはスノウと違って、昔からそうだからね」
「それに下手にやりあっても良いことないかしな」
「そうね・・・それじゃあ、あたしも退散するわ。ばいば〜〜〜い」
手をひらひら振って、『春の守護王』もその場から姿を消した。



2人が消えた先を見ながら、トーンは少し深い溜息をつき、感ずかれなかったことを深く安堵した。
そして、目線を『時渡りの泉』に向けると心の中で小さく呟いた。


『御武運を・・・・・アイス様』






あとがき

今まで書いたSSの中で1番長かったと思われます。
さて、今回セレス様がご登場です。(『四季の世界』初です!)
『四季の世界』のセレス様はゲームどおりお亡くなりにはならず、書いていたようにトーンの手引きで無事天上に戻って王様になられました。
そして、スノウあたりが用意した妙なアイテムで奈落にいるアレクたちと連絡を取り合っていました。
行けないけど、連絡は取り合えるといった状況です。(『四季の王』の力かりればいけますが)
とりあえず、この物語全体としてはようやく序章部分が終わったといったところです。
トーンが最後でアイスのことを様付けした理由はラストで解ります。
というよりも、もうラストにならないと『四季の王』たちは出てこないです(笑)
それにしても・・・今回、ウォールがまともぽいっ部分があったな・・・(汗)


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